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働き方の課題解決に挑む!「子育て応援コンソーシアム」南あわじ市

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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南淡路市の子育て応援コンソーシアム

素晴らしい地元産品や伝統産業、歴史文化に彩られた兵庫県南あわじ市。

その生活基盤・社会環境を持続していくために、地域特性を最大限に生かしながら、人口減少・超高齢化社会という構造問題に立ち向かっています。


ポイントは「人と人とのつながりの強さ」という点。


これを基軸に据え、地域住民・学生、事業者、行政・各種団体が一体となったオール南あわじで課題克服を図ろうとしています。


その代表的な取組として、全員参加型社会・男女共同参画をベースとした「子育て応援コンソーシアム」事業をご紹介いたします。


この取組は日本の地方自治体でも実装・展開している所はなく、多くの自治体で既に抱え、或いは迎えるであろう社会課題を解決する一つの手立てを示すことができればと考えています。

今後の日本の地方自治の先導役として機能すればという意識を持って活動をしています。

歴史と美食のまち、人と人とのつながりが強いまち

兵庫県南あわじ市は淡路島の南端に位置し、渦潮の鳴門海峡を挟んで徳島県鳴門市と相対しています。三方を海に囲まれた温暖な気候のもと、たまねぎやレタス、水稲、酪農、そして鱧やフグといった農林水産業が活発で、農業生産額では近畿圏第一位を誇っています。また、瓦やタイルの窯業など伝統産業のほか、生活インフラ関連や観光業など、二次・三次産業も盛んです。国生み神話に彩られ、また古くより御食国として名を馳せてきた当市は、今も四季折々の名産品に恵まれ、「歴史と美食のまち」として多くの方々に来訪をいただいています。

市民生活に目を向けると、21地区203自治会もの地域ネットワークが存在し、地域住民の結びつきが非常に強いのが特長となっています。「おすそわけ文化」が今も息づくなど、人と人とのつながりを大切にする地方自治の側面を色濃く持ち合せています。

「人が人を呼び、子育ての喜びが見えるまち」の実現

このような生活環境、産業基盤が存在する一方で、人口減少・高齢化社会といった構造的問題を抱えています。令和7年度に市政20周年を迎えますが、この間に人口は5.5万人から4.5万人と1万人も減少しており、高齢化率も現在30%台後半と日本の平均の20年先を行く高い水準となっています。

こうした状況を克服し、魅力的で持続的な社会・地方自治を実現すべく、南あわじ市の特性を活かした場の設計と実装を行い、市民全員参加型社会の基盤整備を進めています。

切り口は3つ。1つは健康推進と生涯活躍。2つ目は女性活躍・男女共同参画。そして3つ目が子育て・教育環境の充実です。これらを連関させ、各世代が生き生きと活動してまちづくりに寄与している姿を目指しています。

地域・事業者・行政が対話と行動を通じ、世代や属性を越えた協働体制で取り組みを推進し、同時に実効性を追求、担保することで、僭越ながら、日本の地域社会モデルを先導できるようになればと考えています。

「子育て応援コンソーシアム」の推進

上記3つの施策の中で、女性活躍・男女共同参画について特徴的な取組「子育て応援コンソーシアム」を紹介いたします。

こちらは、企業・事業者や商工会と市民・地域、そして観光協会や行政・保育事業者といった機関が連携し一体となって、若者・子育て世代が家庭と仕事を両立しやすい環境づくりを推進して行く枠組みです。

それぞれが独自に課題に取り組むのではなく、三位一体となって男女共同参画への機運を高め、プレーヤーを増やし、また成功事例を増やして、まち全体として実効性を高め加速度的に環境整備していこうとするものです。

例えば、企業サイドでは実際の従業員の労務環境を改善し、子育て応援企業であることをこの仕組みを通じて堂々と発信してプレゼンスを上げる、といったことが挙げられます。また、市民サイドでは地域ぐるみで子育てを応援する体制を整え、行政サイドでは子どもの預かり機能の強化を一層図る、といったことなどがあります。また若い世代や学生の意見にも耳を傾けるなど、当該枠組みへの参加意識の醸成を図っています。

こうした官学民、オール南あわじで女性活躍・男女共同参画を推進する連携の枠組み強化を通じて「若者・子育て世代に選ばれるまち、誇りを感じてもらうまち」の実現を図り、超高齢社会を克服する新たな視点での持続的な社会・地方自治運営を目指していきたいと思います。

取り組みで大切にしていること

(1)全体戦略に基づく事業の役割の認識

市政の重要課題である構造的な人口問題に対し、南あわじ市の特性を活かしながら各種事業を戦略的に位置づけ、その認識のもとに実装、展開することを心掛けています。各種事業が有機的に働いて、高齢化や人口減少などの諸問題の解決に向けて複合的に寄与できるように常に考えています。

(2)スピード感の重視

各種行政運営では、予算確保の手続きから実行、結果のレビュー、今後の対応策の構築まで一定の時間を要することは否めません。

しかしながら、世の中の変化や社会的要請のスピードは従前の行政対応のそれを待ってはくれません。中長期的な視野を持ちつつ、実装する中で試行錯誤のサイクルをくり返し積み上げていく必要性を感じています。

当該コンソーシアムの推進については、市民や事業者に取組の認知拡大をまずは図り、参加の輪を広げて、住民や事業者主体の持続的な地方自治・まちづくりへの新たな一歩を踏み出してもらえるように活動しています。行政としてリードすべきはリードしつつ、サポーターとして背中を押し、全体を支えていくことを重視しています。

◎会社概要
会社名:南あわじ市役所
URL:https://www.city.minamiawaji.hyogo.jp/
代表者:市長 守本 憲弘
設立:H17.1.11(旧三原郡4町の合併により誕生)
資本金:令和6度一般会計予算 310億3000万円
従業員数:474人(R6.6.1現在)

◎執筆者プロフィール
南淡路市の中嶋さん
中嶋 宏昭(南あわじ市総務企画部副部長(企画担当)兼ふるさと創生課長
プロフィール:平成3年西淡町役場に入庁。平成17年1月、三原郡4町の廃置分合により南あわじ市役所職員となる。
平成29年市民協働課長、令和4年子育てゆめるん課長を経て、令和6年4月より現職。

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