株式会社YEデジタル(福岡県北九州市)は2023年に創業45周年を迎えました。世界的な産業ロボットメーカーのIT部門から分離独立して、製造業の分野で技術を高めてきました。近年はソーシャル市場にも事業を拡大してDX化を支援しています。
当社の会長・社長ともに「社員を幸せにすることが経営者の一番の役割だ」と考えています。社員が幸せでなければ、お客様にもよいサービスが提供できず、ひいては会社を存続させることができないからです。「社員が幸福な会社」になるための、当社の取り組みをご紹介します。
社員が幸福である必要性
当社のミッションは「デジタルで、暮らしに明るい変革を」です。デジタル技術とデータ活用でお客様の課題解決を支援し、ソリューションを通じて持続可能な社会の実現に貢献しています。
創業以来、当社の業務は製造業に特化したITシステム開発受注が主でした。しかし、製造業だけに偏っていては想定している以上の成長は望めず、社員への還元も難しい。そこで高付加価値企業の実現に向けた自社製品の開発や、元請けへの移行を進める一方、2018年ごろから他分野にも進出し始めました。
たとえば、畜産分野では「Milfee」(ミルフィー)の開発で飼料タンクの残量管理を実現し、交通分野では「スマートバス停」を開発、従来のバス停にあった紙の掲示を電子化、クラウドからの一括配信で効率的に表示できるようにしました。
「よい仕事をしたい」いう気持ちを社員はもっています。それは、自分たちが画期的なソリューションを開発し、お客様に感動していただけるサービスを提供し続けること、そして社会に貢献することです。
「WeLL-Being=社員が幸福な会社(従業員満足度が高い会社)」であることはそのために重要と考えます。
環境整備で働きやすく
具体的な取り組みとしては職場環境を整備し、「働き方改革」を実施、仕事の質の向上や若手の育成に力を入れています。
まず、社員が「行きたくなるオフィス」にするために快適性、機能性、多様性を重視して職場環境を整えました。
ワークスペースは「人が集う場所」です。壁がない執務エリアは解放感があるのでコミュニケーションも良好です。思い思いのスタイルでオンタイムを過ごせるよう、フロアの一角にミーティングなど多目的に使えるフリースペースや、ブース席のエリアを設けました。随所に観葉植物も配置しています。
さらに、社員の多様性も配慮してバリアフリー設計とし、オールジェンダートイレを設けるなど、誰もが安心して過ごせるオフィスにしました。
「働き方改革」では「ユニバーサル・ワークスタイル」の実現を目指し、一人ひとりのライフステージに合った働き方ができるようにしました。コミュニケーションツール、クラウドサービス、汎用サービスを活用し、一定のセキュリティルートを通ればいつでも、どんなデバイスからでもデータにアクセスできるよう「どこでもオフィス」環境を構築しました。場所と時間の制約をなくすことで、全社員が「働きがい」を感じられる環境づくりを意識しました。
また、仕事の質の向上のために、クラウドサービスの活用にも注力しました。リアルタイムにデータを扱えることで、より早い段階から共有や確認が可能になりました。
2017年には女性活躍推進委員会が発足。社員からの声を吸い上げてダイバーシティを取り入れ、女性社員の意識を高めて職場環境をよりよくするための体制を確立しました。
さらに2021年には、企業では珍しい常駐のメンタルコーチングを導入しました。社員が長所・潜在能力を生かして最大限のパフォーマンスができるよう、常駐の臨床心理士が支援します。カウンセリングにも利用できるので、「心の風通し」をよくする支えになっています。
人材育成では、入社3年目までの育成プランを立てる「若手共育」を2022年度から実施しています。均一の育成プランでは、即戦力の理系出身のほうが有利になってしまうため、一人ひとりのスキルやキャリアプランに合わせて育成プランを作成しています。
2021年以降、新入社員の離職者は1人もいません。3年間のカリキュラムが終わったころには、文系・理系に関係なく成長を見せてくれると期待しています。
働きがいを感じる会社
働き方改革により、労働生産性は2018年から右肩上がりで推移し、約2年で20%以上改善しました。これまで12か月かかっていた仕事が、10か月でできるようになったことになります。
改革で生まれたこの時間を、さらなる生産性向上の戦略的な検討や社員教育などに活用しています。1人あたりの時間外労働は、2019年度の15.3時間から、2020年度には11.1時間に減少し、前年比29%削減を達成しました。
2021年6月に実施したアンケートでは、「当社での働きがいを感じていますか」という設問に対し、全体の78%が「感じている」と回答し、そのうち12%が「強く感じている」と回答しています。「グローバル職場環境調査」によると「熱意ある社員」の日本の平均は5%ですから、かなり高い値を得られたと考えています。
近年は就活生のエントリー数も大幅に増え、2022年度の競争倍率は15.4倍になりました。女性の数も大幅に増加しています。
社員からは「経営陣と現場のコミュニケーションも良好で、経営方針や方向性、どんな事業が伸びているかを直接経営トップから聞くことで、仕事のモチベーションは上がります」という声がありました。
「人材」こそ当社の力
次の目標は、社員の働きがい、従業員満足度をGAFA並みの20%にすることです。
プライムビジネスを加速し、新規事業の開拓をいっそう進めるためには人材が必要です。優秀な人材が地元の九州で働けるよう、東京と同じ給与水準で、よい仕事があり休暇が取りやすい「ウェルビーイングな環境」があれば、求める人材は自ずと集まると考えています。
◎会社概要
会社名:株式会社YEデジタル
URL: https://www.ye-digital.com/
代表者:玉井 裕治
創立:1978年2月1日
資本金:7億500万円(2023年3月現在)
従業員数:連結640名、単独507名(2023年3月現在)
事業内容:IoTソリューション、ビジネスソリューション、サービスビジネス
◎執筆者プロフィール
氏名:山田美穂(やまだみほ)
株式会社YEデジタル マーケティング本部 広報部所属
広報担当として企業ブランディング、製品ブランディングの浸透に向け、日々広報活動をおこなっています。広報担当者が与える印象や行動も見る人には自社の情報として伝わる可能性もあるため、コミュニケーションの一つひとつに細心の注意を払うことを心得がけています。