タオルの資源循環で持続可能な未来へ
![タオル回収開始 PASSTO](https://coki.jp/wp-content/uploads/2025/02/PASSTO.webp)
株式会社ECOMMIT(鹿児島県薩摩川内)は、不要になったタオルを「PASSTO(パスト)」を通じて回収し、再利用するプロジェクトを開始した。
従来は捨てられることが多かったタオルを、リサイクルパートナーの株式会社キョクサンと協力し、産業用の「ウエス」として再生させる。
タオルはゴミではなく資源!リサイクルの新たな形
使い古したタオルをどうしているか? 掃除用にしたり、寄付やリサイクルを考えたりする人もいるが、多くは廃棄されているのが現状だ。しかし、実はタオルは非常に優れた資源となる。PASSTOでは2月14日から全国の拠点でタオルの回収を開始し、より多くの人にリサイクルの選択肢を提供する。
回収されたタオルは、ECOMMITの循環センターで選別された後、キョクサンに納品される。キョクサンでは、オイルやグリースの拭き取り、機械のメンテナンス、金属製品の仕上げ磨きに使われる「ウエス」に加工し、再び市場に供給する。高品質なウエスは、自衛隊や多くの企業に利用されており、その需要は年々増加している。
50年以上の歴史を持つキョクサンとリサイクルの未来
![株式会社キョクサン 代表取締役社長 山崎 真嗣 氏](https://coki.jp/wp-content/uploads/2025/02/kyokusan.jpg)
キョクサンは1975年に創業し、当初は重機部品の販売を行っていたが、1980年ごろからウエス製造を本格化。1993年の北海道南西沖地震をきっかけに衣類リサイクルへも本格参入した。代表取締役社長の山崎真嗣氏は、「時代の流れとともにサステナビリティやSDGsの重要性を認識し、事業に取り入れてきた」と語る。
現在、カンボジアの直営工場や全国60か所以上の就労支援施設と連携し、ウエスの製造とリサイクルを推進している。キョクサンの品質と安定供給力が評価され、国内外の企業にとって重要なリサイクルパートナーとなっている。
タオル回収の重要性と広がる可能性
キョクサンは年間約1,000トン、約672万枚のタオルを回収しているが、国内需要に対して供給が追いついていない。実際、日本ではタオルのリサイクルがまだ広く認知されておらず、回収率を高めることが課題となっている。
山崎氏は「日本ではタオルのリサイクルが十分に知られておらず、多くが廃棄されている。もし原料を確保できれば、国内でより多くのウエスを供給できる」と指摘する。リサイクルの認知を広げ、タオルの回収量を増やすことが今後の目標だ。
PASSTOを活用したタオル回収の仕組み
PASSTOでは、オシボリ、ハンドタオル、フェイスタオル、バスタオル、タオルケットなどの一般家庭で使用されているタオルを回収。全国のPASSTO拠点で順次受け入れを開始する。
ECOMMITとキョクサンは、タオルを単なる廃棄物ではなく、貴重な資源として再活用することで、持続可能な社会の実現を目指している。山崎氏は「ECOMMITとの協力で全国規模のタオル回収が可能となり、国内での資源循環を加速できる」と述べ、今後のさらなる展開に期待を寄せている。