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「かくれフードロス」に光を――タマネギ端材がクラフト調味料に。農水省『あふ食堂』で味わうサステナブルメニューとは

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「かくれフードロス」に光を――タマネギ端材がクラフト調味料に。農水省『あふ食堂』で味わうサステナブルメニューとは
提供:株式会社SANKO MARKETING FOODS

環境負荷と向き合い、食材の可能性を引き出す――ASTRA FOOD PLANが開発した“タマネギぐるりこ®”が、官公庁職員食堂に期間限定で登場。食を通じた社会課題の可視化が進む。

 

規格外タマネギが調味料に。官公庁食堂で「かくれフードロス」削減を訴求

株式会社SANKO MARKETING FOODSは2025年4月28日から5月2日までの1週間、同社が運営を受託する官公庁の職員食堂において、ASTRA FOOD PLAN株式会社(以下、AFP社)と連携し、アップサイクル調味料「タマネギぐるりこ®」を使った特別メニューの提供を開始した。

「タマネギぐるりこ®」は、通常であれば廃棄されるタマネギの芯や皮、サイズ不良品などを原料に、独自の蒸煎技術でフレーク化したクラフト調味料。メイラード反応を活かした香ばしさと深いコクが特徴で、さまざまな料理に応用が可能とされる。

農林水産省『あふ食堂』をはじめ、財務省や防衛省など7施設の職員食堂で展開されるメニューには、スパイシーなカレーから和風シャリアピンソースの肉料理、キムチパスタまで幅広く活用されており、利用者に「かくれフードロス」という新たな視点を提供する。

年間2000万トンの「かくれフードロス」、その実態とは

日本国内においては、売れ残りや食べ残しといった「見える食品ロス」が広く知られている一方で、それに含まれない「かくれフードロス」が深刻な社会課題となっている。

環境省が公表した推計(令和4年度)によれば、日本国内の食品ロスは約472万トンにのぼるが、農林水産省の別の調査では、食品ざんさや未利用農作物などを含めた「食品由来の廃棄物等」が2531万トンに達している。これらの差分、およそ2000万トンが「かくれフードロス」に該当するとされ、実に「見える食品ロス」の約4倍に及ぶ。

AFP社はこの「かくれフードロス」に正面から取り組むベンチャー企業だ。自社開発の過熱蒸煎機を用いて、食品工場などで日常的に発生する野菜の端材や規格外品をわずか10秒で乾燥・殺菌し、高付加価値の食品素材として再活用する仕組みを構築してきた。

食堂の食が変わる。「ぐるりこ®」が広げるサステナブルな味わい

 

「タマネギぐるりこ®」は、食品廃棄の課題に対する一つの応答であると同時に、新しい味覚の可能性をも提示する。農林水産省『あふ食堂』では、レッドカレーや塩麴チキンカレー、和風シャリアピンソースをかけた豚肩ロースのグリルなど、5種類のメニューに採用された。

たとえば、「ぐるりこと塩麴チキンカレー」では、ベースに「ぐるりこ®」を練り込み、さらにトッピングとしても使用。塩麴で仕上げた鶏もも肉とともに、タマネギの甘みとコクが重層的に口の中に広がる。

「あふ食堂」は国産・有機食材、被災地支援産品の積極的な活用を掲げる食堂として知られており、今回の取り組みはその理念とも合致する。来店者はただ食事を楽しむだけでなく、背景にある生産と廃棄の現実、そして新しいフードサイクルの可能性に触れる機会を得られる構成となっている。

「おいしさ」の裏側にある構造を伝える意義

日々の食卓にのぼる一皿には、どれほどの食材がその過程で取りこぼされているのか。その問いかけに対し、SANKO MARKETING FOODSとAFP社が提示したのは、調味料という形で可視化された「もったいない」の再生だった。

同社によれば、今後も食堂利用者のフィードバックを反映させながら、ぐるりこ®のようなアップサイクル素材の活用をさらに拡充していく構えだという。

サステナビリティの実現には、消費者側の選択が不可欠である。本取り組みは、その選択肢を「食べる」という身近な行為の中に組み込む試みとして、静かながらも強い発信力を持っている。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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