ステークホルダーを大切にしている会社はいい会社。
今回は窓の専門商社マテックス(東京・池袋)の取引先企業、日本板硝子ビルディングプロダクツ株式会社。
取引先の立場からマテックスをどう見ているのか、同社の営業本部 東京支店 硝子建材販売グループ 課長代理 新谷 洋平さんに伺った。
自己紹介
日本板硝子ビルディングプロダクツ株式会社は、世界規模のガラスメーカーの1つである日本板硝子株式会社のグループ企業です。日本国内の建築用ガラス事業を統合し、2009年4月に誕生しました。
昨今の環境・防災・防犯の意識の高まりに伴い、建築用ガラスにもこれまでになく高い機能が求められています。
当社は日本板硝子グループが1世紀以上にわたり培ってきた技術やものづくりの豊富な経験を継承し、板ガラスに省エネ、安全、防犯、防火、防災、防音、防汚(抗ウイルスを含む)などの機能を組み合わせて加工することで、お客様のご要望にお応えする高機能ガラスをお届けしています。
当社が世界に先駆けて製品化した真空ガラス「スペーシア」は、高い断熱性能によって建築物から排出される温室効果ガスを大幅に抑制できます。
また、既存窓枠の交換を必要としない施工性の高さから、窓ガラスのリフォーム市場を大きく成長させました。
我々を取り巻く事業環境は少子高齢化に伴う建築需要の減少、競合メーカーや海外メーカーとの競争激化、お客様の要求品質の一層の高度化など厳しさや複雑さを増しています。
省エネ、断熱、防犯・防火など、ガラスに求められる付加価値もますます拡大していますが、こうした変化の中で柔軟な思考と確固たる意思を持って「お客様に信頼される会社」「ものづくりに強い会社」「安全で働きがいのある会社」を築き上げていきたいと考えています。
日本板硝子ビルディングプロダクツから見たマテックス
日本板硝子は1931年にマテックスさんと取引店契約を締結させていただき、お互いに創業当初から日本の建築を支えてきたと思っています。
松本浩志社長には日本板硝子と取引店でつくる「全国ひのまる会」の中心的な役割を担っていただいており、以前は長年にわたり松本巌氏が会長を務めてくださいました。
マテックスさんとの個人的なお付き合いは当社に転職した直後からで、もう7年くらいになります。
3、4年ほど前からマテックスさんの全営業所を含めて担当させていただき、鳩山センターで複層ガラスの元板を入れる一部生産工程のサポートにも携わっています。
マテックスが取引先として優れていると感じる点はありますか。
一人ひとりの社員の皆さんが変化を恐れず、先進的な取り組みに積極的にチャレンジする姿勢はどの業種の会社と比べても突出していると感じます。
松本社長はSDGsやパーパスについて、それらの言葉が世の中に浸透する前からお話しされていました。
社員の方々からもそうした考え方に基づく新しい価値観を取引先に広め、一緒に取り組んでいこうという姿勢が伝わってきます。
マテックスのマテリアリティ(依=よりどころ・脱炭素・自分ごと化・経済成長至上主義からの脱却)について納得性はありますか。
「脱炭素」ですね。2030年に2013年比55%の温室効果ガス削減という目標を立て、横浜営業所に太陽光発電システムを設置しています。
単にビジョンを掲げるだけでなく、実際の行動に移していることは本当に素晴らしいと感じます。
また、自分ごと化もマテックスらしいと思います。社員の皆さんは「営業所のパーパス」「窓口チームのパーパス」など日々の業務を「自分ごと化」しています。
「これはあの人の仕事だから」といった言葉を口にする社員の方は、この1、2年で明らかに減ったと思います。
そのような変化は一朝一夕で起こせたわけではなく、我々もその積み上げ方をしっかり学ばなければならないと考えています。
マテックスさんが東京・豊島区で展開するサードプレイスの新拠点「HIRAKU IKEBUKURO 01-SOCIAL DESIGN LIBRARY-」(SDL)のプログラムにも参加させていただいていて、会社員として自分が大切にすべきことなどを考え直す機会にもなっています。
マテックスさんは卸に徹し、取引先の地域企業を主役にしようとしています。そのためには顧客だけでなく、地域全体のステークホルダーに目を向けなければ取引先も会社に入ってくれる人も増えません。
地域の環境にも配慮したビジネスをしなければ「言っていることとやっていることが違う」と言われるので、地域全体に目を向けるという考えはすごく重要です。
我々はそうした姿勢に共感しているので、取引先のガラス店さんなどにも考え方を広めていこうと準備をしています。
これからのマテックスに期待することがあれば教えてください。
我々は代理店などに商品を配送するだけですが、工務店は工事をしなければなりません。
そのプロセスの人手不足が深刻化しており、マテックスさんやガラス店、我々が協力して持続可能な体制をつくるというチャレンジをしていかなければならないと思っています。
ラストワンマイルがなくなれば、いくら良い商品を作っても届きませんから。マテックスさんにも今まで以上に業界を引っ張っていただき、若い人にも魅力的に映るようにしていきたいですね。
端的に言うと「最強・最高のパートナー」です。自分は転職後に結婚したのですが、松本社長からいただいた結婚式の祝電には「最高のパートナー マテックス松本より」というような言葉が記されていて、すごく感動したことを覚えています。
ちなみに「最強・最高のパートナー」というのは、会社の規模の話ではありません。マテックスさんは一人ひとりの社員がチャレンジしていて、ネガティブなことを言う方も少ない会社です。
その背景には「これを達成したい」という強い思いがあり、前向きな取り組みによって業界、取引先を主役にしようという信念も感じます。
我々もそうした思い、信念に寄り添って成長していきたいと願っています。
マテックスと共に取り組んでみたいことはありますか。
若い社員の方が増えた中、それぞれの物件に合ったガラスをどう提案するかということに苦労されていると思います。
マテックスさんは鳩山センターや戸田センターなど自社でガラスを加工する設備をお持ちなので、ガラスの知識はすごく重要です。
耐風圧や熱割れ防止といった技術計算の部分を含め、時代に合った教育の仕組みづくりをサポートさせていただければと考えています。