会社勤めをしながら、痛みに耐え、手術のタイミングを計る……。そんな生活とは、もうお別れかもしれない。
2022年12月、大阪・梅田にオープンした「大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック」は、「手術を受けたその日に帰宅できる」をコンセプトに、鼠径ヘルニア、胆石症、虫垂炎の日帰り手術に特化したクリニックだ。院長を務める田村卓也医師は、これまで数多くの腹腔鏡下手術を執刀してきた、消化器外科のエキスパートである。グループとしては1000例を超える症例数となっている。
大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックの特徴
大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックは、鼠径ヘルニア、胆石症、虫垂炎の3つの疾患に特化した日帰り手術専門クリニックだ。田村院長は、「これらの疾患は、腹腔鏡手術の技術向上とエビデンスの蓄積により、安全に日帰り手術が可能な時代になった」と語る。
最大の特徴は、複数の専門医によるチーム医療体制を敷いている点だ。
「日本では、若手の医師が指導医の監督のもと、手術を行うケースが多い。もちろん、それも必要な経験だが、当院では、豊富な経験を持つ専門医がチームを組み、手術を担当する。患者さんに、安心して手術を受けてもらいたいという思いからだ」と田村院長は語る。
腹腔鏡手術を日帰りで実施できる体制と、そのメリット
従来、鼠径ヘルニア、胆石症、虫垂炎の手術は、開腹手術が主流で、入院期間も数日から1週間程度かかるのが一般的だった。しかし、近年では傷口が小さく、体への負担が少ない腹腔鏡手術が普及し、日帰り手術も可能になっている。
「腹腔鏡手術は、患者さんにとって身体的負担が少ないだけでなく、術後の回復も早く、早期の社会復帰が可能になるというメリットがある。さらに、日帰り手術であれば、医療費負担や仕事の休暇を抑えることができる」と田村院長は語る。
同クリニックでは、日帰り手術を安全に行うため、手術室は大学病院と同等の設備を完備し、緊急時の対応も万全の体制を整えている。また、患者が安心して手術を受けられるよう、丁寧なカウンセリングや術後のフォローアップにも力を入れている。
日帰り手術に特化した経営は、入院施設を持たない分、人件費や設備投資などのコストを抑えることができる。「医療の質を落とさずに、患者さんの経済的負担を軽減するためにも、効率的なクリニック経営を心がけている」と田村院長は語る。
開業のきっかけ
田村院長は、以前勤務していた大阪赤十字病院で、数多くの腹腔鏡手術を執刀してきた。その中で、患者から「入院期間が短くなれば」「仕事の都合で入院できない」といった声を多く聞くようになったという。
「安全面と患者のニーズを両立できる方法はないか」と模索する中で、たどり着いたのが日帰り手術専門クリニックだった。
医師としての略歴
田村院長は、大阪出身の37歳。歯科医師である父親の影響もあり、幼い頃から医師を志していた。高校時代から医学部進学を目指し、受験勉強中は、個人塾に通いながら、英語、数学、理科を中心に、徹底的に基礎力を固めた。特に英語は、個人塾で叩き込まれた「公開模試を受けたらその日のうちに必ず見直し、解答をすべて書く、わかるまでやる」という習慣が功を奏し、川崎医科大学医学部に現役合格した。
「勉強は加速していくもの、まずやってみたら1か月後には同じことを短い時間でできるようになる。それを継続することで、質を高めていくことが重要」。この言葉は、医師になった今も、田村院長の診療に対する姿勢の根幹にある。
大学卒業後、大阪赤十字病院などで研鑽を積み、腹腔鏡手術のエキスパートとして活躍。2022年12月、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックを開業した。
今後の展望
「日帰り手術は、患者さんの負担を軽減できるだけでなく、医療費抑制にもつながる可能性を秘めている。今後は、より多くの患者さんに日帰り手術の選択肢を提供できるよう、多拠点展開も視野に入れている」と田村院長は将来を見据える。
「体に痛みや不安を抱えている方は、一人で悩まず、まずは気軽に相談してほしい。私たちと一緒に、一日も早く健康な体を取り戻しましょう」と田村院長は力強く語る。
大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックは、患者の視点に立ち、質の高い医療を提供することで、地域医療に貢献していく。