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ポケモンを政治利用か?トランプ政権が新作ゲーム画像とピカチュウの無断使用で物議に

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米ホワイトハウスがSNSで人気ゲーム『ポケットモンスター』の新作を模した画像を投稿し、物議を醸している。これに対し、ポケモン社の海外法人は「知的財産の使用を一切許可していない」と異例の声明を発表。トランプ政権による著作物の無断利用が波紋を広げている。

 

ホワイトハウスが「ポケモン」風の政治広告を投稿し物議

2026年3月5日、アメリカ合衆国ホワイトハウスの公式Xアカウントが投稿した一枚の画像が、世界中のゲームファンを揺るがしている。

投稿されたのは、同日に発売されたばかりの『ポケットモンスター』シリーズ最新作『ぽこ あ ポケモン』のタイトルロゴや世界観を模した宣伝画像だ。そこには、ドナルド・トランプ大統領の代名詞ともいえる政治スローガン「Make America Great Again(アメリカを再び偉大な国に/通称MAGA)」の文字が、ゲーム特有のフォントとデザインで記されていた。

さらに、画像内には世界的人気キャラクターである「ピカチュウ」とおぼしき姿や、ゲーム本編のスクリーンショットを加工したとみられる背景が含まれており、一見すると「公式なコラボレーション」であるかのような誤解を招きかねない内容となっていた。

https://twitter.com/WhiteHouse/status/2029566106650767581?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E2029610455430299801%7Ctwgr%5E9173774386d0cd5e7a0abc4b880b34f724ad069f%7Ctwcon%5Es2_&ref_url=https%3A%2F%2Fautomaton-media.com%2Farticles%2Fnewsjp%2Fpokemon-pokopia-20260306-426822%2F

ポケモン社が異例の抗議声明「一切の許可を与えていない」

この事態を受け、株式会社ポケモンの海外事業を担う「The Pokémon Company International(ポケモン・カンパニー・インターナショナル)」は即座に反応した。

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)などの取材に対し、同社の広報担当者は以下のように明確な否定コメントを出している。

「当社は(ホワイトハウスによる)コンテンツの制作や配布には一切関与しておらず、当社の知的財産を利用する許可も与えていない」

同社はさらに、自社の使命は「(作品を通じて)世界を一つにすること」であると強調。その活動はいかなる特定の政治的見解やアジェンダ(政治課題)とも無関係であることを明言した。企業として、政治的な対立に自社のキャラクターが利用されることを断固として拒否する姿勢を打ち出した形だ。

元ネタは新作『ぽこ あ ポケモン』のネットミームか

 

今回、ホワイトハウスが目を付けたのは、Nintendo Switch 2向けに発売されたばかりの新作ソフト『ぽこ あ ポケモン』だ。

本作は、シリーズ初となる「スローライフ・サンドボックスゲーム」として大きな注目を集めている。ニンゲンの姿に変身したメタモンが主人公となり、荒廃した世界にポケモンたちが暮らす街を再建していくという癒やし系の内容だ。開発には株式会社ポケモンやゲームフリークに加え、コーエーテクモゲームスも名を連ねている。

発売前後から、インターネット上ではこのゲームのロゴを好きな文字に変換できるジェネレーターサイトが有志によって公開され、さまざまな言葉を「ポケモン風」にする遊びが流行していた。今回のホワイトハウスの投稿も、こうしたネット上の流行(ミーム)に乗じたものと推測されているが、政府機関という公的立場にあるアカウントが、権利元の許諾なくこれを利用したことへの批判は免れない。

繰り返されるトランプ政権による「著作物の無断利用」

 

実は、トランプ政権による人気コンテンツの無断利用が問題視されたのは、今回が初めてではない。過去数ヶ月の間にも、同様のトラブルが相次いで報告されている。

1. 移民摘発にアニメ映像を使用

2025年9月には、米国国土安全保障省(DHS)が不法移民の摘発シーンを紹介する動画に、アニメ版『ポケットモンスター』の映像や楽曲を無断で使用。ポケモンのキャッチコピーである「Gotta catch ‘em all(ポケモンゲットだぜ!)」を不法滞在者の逮捕になぞらえる演出を行い、「人権への配慮に欠ける」「ブランドイメージを著しく損なう」として猛烈な批判を浴びた。

2. 人気ゲーム『Halo』での政治アピール

2025年10月には、世界的人気FPSゲーム『Halo(ヘイロー)』の主人公「マスターチーフ」のスーツを着用したトランプ大統領が敬礼するAI生成画像を投稿。さらに、ゲーム内の敵勢力である「フラッド」を不法入国者に見立てるような投稿を行い、ゲームファンから「特定のグループを非人間化するプロパガンダだ」と非難された。

3. 他の人気IPへの波及

ホワイトハウス公式Xでは、ほかにも『Call of Duty(コール・オブ・デューティ)』のゲーム映像をイラク爆撃作戦の報告動画に織り交ぜたり、映画『トランスフォーマー』の素材を流用したりといった投稿が確認されている。CNN(3月6日付)によると、これらの動画の中には3000万回以上再生されているものもあり、軍関係者からは「戦争をビデオゲームと混同している」との懸念も出ている。

専門家やファンからの批判「知的財産の軽視」

 

著作権の専門家や各界の著名人も、この現状に不快感を示している。

例えば、コメディアンのテオ・フォン氏は、自身のポッドキャストの音声を無断で強制送還の報告動画に使われた際、「自分はこの動画を承認していない。削除してほしい」と自身のXで強く抗議した。また、イギリスの歌手ジェス・グリン氏も、自身の楽曲がデポテーション(国外追放)を推奨する動画のBGMとして使われたことに対し、「気分が悪くなる」と吐露している。

一般のSNSユーザーの間でも、今回のピカチュウ無断使用に対し、

  • 「政府がルールを守らなくてどうするのか」
  • 「愛着のあるキャラクターが政治の道具にされるのは悲しい」
  • 「ポケモンは子供たちのためのものであり、政治的な争いに巻き込むべきではない」

といった批判が殺到。皮肉にも、ホワイトハウスが投稿した「ポケモン風ロゴ」を使って、政府の姿勢を批判するコラージュ画像が作成される事態となっている。

今後の展望と是正の必要性

通常、企業が政府機関を相手に著作権侵害で訴訟を起こすことはハードルが高いとされる。しかし、株式会社ポケモンのようにブランドイメージを極めて重要視する企業にとって、今回のような「政治利用」は無視できない死活問題だ。

現在、ホワイトハウス側からの一連の投稿に関する公式な謝罪や説明は行われていない。多くの画像や動画は、批判を浴びた後も削除されずに残っている状況だ。

事情を知らない消費者がこれらの投稿を見れば、「ポケモンがトランプ政権を支持している」という誤った印象を抱きかねない。ブランドの「政治的中立性」を守るため、今後ポケモン社や他の権利元がどのような法的・広報的な対抗措置を講じるのか、世界中の注目が集まっている。

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ライター:

新聞社で記者としてのキャリアをスタートし、政治、経済、社会問題を中心に取材・執筆を担当。その後、フリーランスとして独立し、政治、経済、社会に加え、トレンドやカルチャーなど多岐にわたるテーマで記事を執筆

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