
業務スーパーを展開する神戸物産が、中国産冷凍食品2品に基準値超えの残留農薬が検出されたとして、合計6万個以上を自主回収すると発表した。
業務スーパーで基準値超の農薬検出 冷凍食品を相次いで回収
神戸物産は2025年5月末、中国産冷凍食品から基準値を超える残留農薬が検出されたとして、「冷凍 千切りピーマン」と「冷凍大根」の自主回収を発表した。回収対象は合計6万個を超え、同社はホームページ上で謝罪と対応を告知している。
ピーマンから「エトキサゾール」検出 西日本で4万5000個回収
回収対象の一つは「冷凍 千切りピーマン」(500g入)。対象ロットは賞味期限が2027年3月7日および3月22日の商品で、西日本の一部地域で販売された4万5648個が該当する。
厚生労働省の食品衛生基準によると、農薬エトキサゾールの基準値は0.01ppmとされているが、同商品からは0.03ppmが検出された。これは食品衛生法第13条第3項に違反する量である。
ただし神戸物産は「健康被害の可能性は極めて低い」としており、「体重55kgの成人が1日約146.6袋を毎日食べても健康に影響がない水準」と説明している。
東日本では「冷凍大根」も農薬基準超え 2万個超が対象
一方、同じく中国産の「冷凍大根」(500g入)からも、農薬チアメトキサムが基準値(0.3ppm)を超える0.5ppm検出されたとして、回収が実施された。対象は賞味期限が2027年3月1日の商品で、東日本の一部地域で販売された2万1984個が該当する。
回収告知は5月27日に行われ、商品は店頭または神戸物産の「お客様相談室」へ送料着払いで返送すれば返金対応が受けられる。
消費者への影響と再発防止の課題
今回の件について神戸物産は、「お客様に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪している。健康被害の可能性は低いとされるものの、食品の安全性に対する消費者の信頼を損なう事態となっている。
今後は輸入食品に対する検査体制の強化と、サプライチェーンの透明化が課題となるだろう。業務スーパーをはじめとする低価格路線の流通業者には、コストと安全性の両立が一層求められる。
参照:
・神戸物産「冷凍大根」 – 回収命令(消費者庁)
・神戸物産「冷凍 千切りピーマン」 – 回収命令(消費者庁)
神戸物産の相談窓口
- フリーダイヤル:0120-808-348
- 返送先住所:〒675-0063 兵庫県加古川市加古川町平野125-1
- 対応開始日:ピーマンは5月30日、大根は5月27日より