新型Switchの発売目前、任天堂がフリマ大手3社と連携 不正出品の削除と情報共有を強化

5月27日、任天堂株式会社(京都市南区)は、同年6月5日に発売を控える次世代ゲーム機「Nintendo Switch 2」の不正転売を防ぐ目的で、国内の主要フリーマーケットサービスを運営する3社と協力する取り組みを発表した。
今回連携に加わったのは、株式会社メルカリ(メルカリ)、LINEヤフー株式会社(Yahoo!オークションおよびYahoo!フリマ)、そして楽天グループ株式会社(楽天ラクマ)である。
任天堂、異例のフリマ連携で転売対策に本腰
この連携は、各サービス上で任天堂関連商品、とりわけNintendo Switch 2に関する不正な出品行為を抑止することを目的としており、各社の利用規約に違反する行為に対しては、フリマサイト側が能動的に出品削除を行う体制を構築するほか、任天堂との間で情報共有を含む連携が進められる。具体的には、無在庫販売や不正取得品の出品といった、ユーザー間取引におけるグレーゾーンを排除することで、正規の販売経路を保護しようとする狙いがある。
任天堂のこの動きは、これまで同社が長年抱えてきた課題、すなわち人気商品の発売直後に発生する高額転売問題への本格的な対応である。Nintendo Switch初代機の発売時にも、品薄状態が続く中で転売業者による価格の吊り上げが社会問題化した経緯があり、今回のSwitch 2においては、発売前から事前の対策を講じることで混乱を未然に防ごうとしている。
SNSの反応は「絶賛」と「冷静な指摘」が交錯
発表を受けてSNSでも反響が広がっており、「不正転売ヤー絶対許さない協定、頼もしい」「任天堂本気すぎる」などと称賛する声が上がっている。一方で、「発売1か月以内の商品は出品不可にすればよいのでは」「ガンプラやキャラクター商品の転売も同様に取り締まってほしい」といった制度の更なる強化を求める声や、他ジャンルへの拡大を希望する投稿も見受けられる。
また、今回の発表をめぐっては、その適用範囲に関する誤解も少なくない。任天堂と各サービス事業者が対策対象としているのは、あくまで利用規約に違反する「不正な」出品行為であるため、発売後に在庫を実際に保有したうえで行われる正規の転売行為までは制限されない可能性が高い。
これについてはSNSでも冷静な指摘があり、「転売屋ザマァ、というほど単純な話ではない」「無在庫は取り締まれるけど合法的な出品は対象外」といった投稿も見られた。
任天堂の本質的狙いは“購入機会の平等”か
1889年に創業し、1983年にファミリーコンピュータを発売して以来、任天堂は世界で8億6000万台以上のゲーム機と59億本以上のソフトを販売してきた。「マリオ」「ゼルダの伝説」「スプラトゥーン」などの看板IPを持ち、ゲーム専用機だけでなく、モバイル、映画、テーマパークといった新たな領域にも事業を広げている。
今回のような転売対策もまた、エンターテインメントの公平な提供という観点からの企業姿勢の一端であり、「独創的な娯楽の創造」と「すべての人に笑顔を届ける」という任天堂の理念を支える行動のひとつといえるだろう。
「Nintendo Switch 2」の発売を控え、こうしたフリマアプリとの連携は、業界全体にとっても転売対策のモデルケースとなる可能性がある。今後の動向に注目が集まる。