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隈研吾氏設計の富岡市庁舎、7年で劣化 修繕費用は設計事務所と施工業者が負担へ

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建築家の立てた木造建築が朽ち果てる

群馬県富岡市は2月19日、隈研吾氏が設計した市庁舎の軒裏部分で金具や鉄部にサビが発生し、塗装が剥がれるなどの劣化が確認されたと発表した。市は修繕工事を行う方針で、費用は隈氏の設計事務所と施工業者が負担する方向で協議を進めている。

 

設計の問題が原因か

富岡市庁舎は2018年に完成し、総工費は約40億円。軒裏には不燃薬剤を注入した合板が使用されており、その薬剤が塗料を溶かして金具を腐食させた可能性が指摘されている。さらに、サビの膨張によって水切り部分が塞がれ、雨水が軒裏に浸透し、合板の雨染みを引き起こした。

この問題が発覚したのは、SNS上で「市庁舎の外装が劣化している」との指摘が相次いだことがきっかけだった。市の職員が昨年11月に確認し、設計事務所と施工業者と共に調査を進めた結果、劣化の詳細が判明した。

 

SNSで広がる批判の声

今回の問題を受け、SNSでは隈研吾氏の設計に対する疑問や批判の声が相次いでいる。

「不動産関係者の間では、現場でバリバリ頑張っているデベロッパーや仲介業者、施工業者から隈研吾を評価する声を聞いたことがない。それなのに、次々と公共の仕事を受注しているのが不思議だ。兵庫県の1000億円の新庁舎にも彼の設計が入っているというが、本当に適切なのか調べた方がいい」

「隈研吾氏の設計した現場に何度か入ったことがあるが、定期的にメンテナンスが必要な部分があるのに、施工が進んだ後では開けることすらできない設計だった。『10年後、大丈夫なのか?』と疑問に思っていたが、やはり問題が出てきた。公共の建物はデザインよりも耐久性が最優先であるべきだ」

「国立競技場も、Jリーグの試合を観て『影がまだら模様になっていて、選手にとってはプレーしづらいのでは?』と感じた。隈研吾氏の設計はメディアに持ち上げられるが、実際に使用すると経年劣化の早さや使い勝手の悪さが目立つ。彼の木造建築は、全国各地で同様の問題が報告されている」。

 

公共建築のあり方が問われる

隈研吾氏は、自然素材を多用したデザインで知られ、全国の公共施設の設計を数多く手掛けている。しかし、今回の富岡市庁舎の問題をはじめ、彼が設計した京王線高尾山口駅(2015年開業)でもカビの発生が報告されるなど、耐久性に関する課題が浮上している。

建築業界では、「隈氏の建築スタイルはデザイン重視であり、構造的な耐久性の観点では懸念がある」との指摘もある。特に公共建築の場合、修繕費用が税金から支出されるケースも多く、設計段階での耐久性やメンテナンス性の考慮がより重要視されるべきとの声が強まっている。

今回の問題を受け、公共施設の設計や発注プロセスにおいて、デザイン性と耐久性のバランスをどのように取るかが改めて問われることになりそうだ。

それにしても、数年前まで、隈研吾と言えば、誰も批判ができない建築業界の巨匠そのものだったが、SNS批判が広がることで、「隈研吾(笑)」みたいな嘲笑の対象となってしまったことに驚く。何より、隈研吾氏のデザインを選定し、建築を依頼した事業体の見識が疑われるようになってしまったことが問題であり、日本を代表してきた建築家なのだから、巨匠がここからどう挽回をしていくのか見ものである。

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寒天 かんたろう

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ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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