東京都板橋区で発生した踏切内での死亡事件を巡り、警視庁は1月29日、新たに強制わいせつ容疑で塗装会社「エムエー建装」社長の佐々木学(39)、従業員の岩出篤哉(30)、島畑明仁(34)の3人を再逮捕した。3人は被害者の高野修さん(当時56歳)に対し、日常的に性的暴行を加えていた疑いが持たれている。
居酒屋でのわいせつ行為、押収された動画が証拠に
警視庁によると、3人は2023年6月から7月にかけて、東京都や静岡県内の居酒屋、自宅などで高野さんの肛門にマドラーや鉄製の棒などを突っ込むなどの暴行を行い、その様子を撮影していた。捜査の過程で押収されたスマートフォンには、3人が共通で所持していた動画が確認され、今回の逮捕に至った。
「肛門にさまざまな棒を突っ込む実行役は、3人のうち島畑容疑者が担っていたことが判明しており、他の2人はその様子を撮影し、動画を共有していた。被害者は動画内で『痛い、痛い』と訴えていたが、3人はそれを嘲笑していた」と、捜査関係者は明かす。
暴行のエスカレート、精神的支配の構図
高野さんは3人から執拗ないじめや暴行を受けており、精神的に追い詰められ、指示に逆らえない状態にあったとみられる。捜査関係者は「こうした暴行を通じて被害者を支配し、従属させる関係を作っていた」と指摘する。
警視庁は昨年12月、3人ともう1人の従業員・野崎俊太(39)を殺人と監禁の容疑で逮捕しているが、その後、佐々木・岩出の2人については殺人罪の適用が見送られ、監禁罪での起訴となった。今回の逮捕は、事件の全容解明に向けた捜査の一環とみられる。
「本人が望んだ罰」と開き直り
佐々木容疑者は昨年5月、事件前の取材に対し「(高野さんは)仕事をサボることが多かったので、罰を与えていた」と発言。さらに、「これは高野が自ら申し出た罰」とも述べており、暴行を正当化する姿勢を示していた。
しかし、押収された動画には高野さんの明確な苦痛の訴えと、それを笑いながら撮影する3人の様子が記録されていた。捜査関係者は「高野さんが自主的に望んだとは到底考えられない」としている。
SNSでは「鬼畜の所業」と非難の声
この事件に対し、SNS上では厳しい意見が相次いでいる。
「まさに鬼畜の所業。発端はいじめかもしれないが、最後は線路内にとどまるよう強要するとか、あまりに酷すぎる。やはりいじめは凶悪犯罪の芽であり、男女年齢関係なく、可能な限り摘み取っておくべきだろう」
「被害者が苦しみながらも逆らえない状況を作り上げ、暴行を楽しんでいたようにしか見えない。人間としての倫理観が完全に欠如している」
「会社ぐるみでいじめが放置されていたのではないか? 事件が明るみに出なければ、こうした行為は続いていたのかもしれない。恐ろしい」
警視庁は今後、3人の供述を詳しく調べ、事件の全容解明を進める方針だ。