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兵庫県前議員の竹内英明氏死去 SNSでの誹謗中傷が影響か 母への最期のブログと政治家への道

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竹内ひであき元県会議員
竹内ひであき氏のHPより

1月19日、昨年11月に議員辞職した竹内英明・前兵庫県議(50)が亡くなったことが明らかになった。竹内氏は兵庫県議会の調査特別委員会(いわゆる百条委員会)に所属し、県知事の内部告発文書問題の調査に携わっていたが、昨年の知事選投票翌日に辞職していた。

突然の辞職とその背景

竹内氏は2007年に兵庫県議会議員に初当選し、辞職時点で5期目を務めていた。立憲民主党所属の「ひょうご県民連合」に所属し、地域政策に尽力してきた。しかし、辞職の理由については「一身上の都合」とされていたものの、知事選期間中にSNSで拡散された誹謗中傷がその一因だったとされる。

会派の上野英一幹事長は当時、「SNS上での言葉の暴力が拡散し、竹内氏の家族が重い精神的負担を抱えていた」と述べていた。また、家族からは「政治の道から退いてほしい」との訴えもあったという。

精神的負担とSNSの影響

竹内氏は18日午後、自宅内で亡くなっているのが発見された。捜査関係者は事件性はないと判断している。SNSでの中傷が彼をどれだけ追い詰めたかは推測の域を出ないが、同様の問題が他の政治家や著名人にも多発しており、SNSの責任や利用者のモラルが改めて問われる事態となっている。

SNS上では、竹内氏の死を悼む声とともに、ネットでの誹謗中傷を非難する意見が多数投稿されている。「外野から見ると些細なことに思えても、当事者には計り知れない精神的ダメージがある」との声が広がる一方で、「マスコミには竹内氏の死の背景を深く掘り下げ、真実を明らかにしてほしい」との意見も出ている。

家族愛に支えられた人生

竹内氏のブログの最後の記事は昨年10月末の母親との別れを綴った内容のもの。そのブログでは、母親からの深い愛情と支えが人生の基盤になったことを記していた。厳格ながらも愛情深い母親は、勉強や趣味に対する自由を認めながら、大学進学や政治家への道を応援した。特に大学進学時には家計が厳しい中で奨学金と併用して竹内氏を支え、選挙出馬を決意した際にも反対することなく応援していたという。

母親を失った悲しみについて竹内氏は「これまでの人生で一番寂しい」と表現しており、その喪失感が自身の生き方に大きな影響を与えたことがうかがえる。

竹内英明氏の生い立ちと政治家としての歩み

また、同じブログには自身の生い立ちから政治家を志した背景も開示されている。兵庫県姫路市で生まれ育った竹内英明氏は、幼少期から地元で活動的な少年だったそうだ。小学校時代には運動会で活躍し、中学ではバレーボール部に所属しながら将棋大会で3位に入賞するなど、文武両道の一面を見せていた。高校では歴史や古文に興味を持ち、将来の夢として弁護士や検事を志していたという。

早稲田大学政治経済学部に進学後、政治への関心を深め、ボランティア活動や学生団体の立ち上げに積極的に関与した。特に阪神・淡路大震災の際にはボランティア活動に携わり、地域社会への貢献意識を強めたことがわかる。

大学卒業後は民間企業での経験を積んだのち、政治の道へ進む決意を固める。2007年に兵庫県議会議員に初当選し、地域課題に取り組むとともに、5期にわたり地方自治の発展に尽力した。政策課題の解決に向けた丁寧な姿勢が、多くの支持を集めていた。

地域社会への貢献

竹内氏は地元姫路市を中心に、教育、福祉、地域経済の発展を目指して活動を続けた。特に、市民の声を積極的に聞く姿勢で知られ、庶民目線の政策提言を行った。立憲民主党の「ひょうご県民連合」に所属し、県議会での重要な政策議論にも積極的に参加した。

誹謗中傷に苦しむ晩年

しかし、在職中にはSNS上での誹謗中傷が拡散し、家族にも精神的な負担がのしかかった。昨年の知事選挙直後に辞職し、その後、精神的な負担が重なり、今回の悲劇に至ったとみられる。

問題提起:家族と社会のはざまで

竹内氏の生涯は、地域社会への貢献と家族への深い愛情に支えられていた。一方で、誹謗中傷による精神的負担がそれを揺るがす形となった。確かに数々の疑惑が向けられる中、対峙することなく、政治の世界から去ったことで、SNS上の誹謗中傷が止まない悪循環に陥っただろうことが伺える。

火のない所に煙は立たぬ、と多くの人が思っているだろうことを想えば、もう少し自身が説明責任ある立場ということを自覚し、そこに向き合った方が自身の精神的にもよかったのではないかと思われる。

いずれにしろ、この問題は、現代のSNS社会における言論のあり方や責任について再考を促している。

竹内氏が生涯を通じて見せた家族への感謝や地域社会への貢献を尊重しつつ、誹謗中傷が生む深刻な問題への対応が求められることは間違いない。

社会全体で「言葉の力」とその影響について向き合い、新しい倫理を築く必要があるだろう。

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寒天 かんたろう

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ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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