企業におけるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の重要性が高まる中、社員の意識改革や企業文化の変革を促す新たな取り組みとして、海外視察ツアーが注目を集めている。
第8回ジャパン・ツーリズム・アワードでは、NPO法人カラフルチェンジラボ(福岡市)が主催する「ダイバーシティ視察・体感ツアー in シドニー2024」が審査員特別賞を受賞。多様性先進都市であるシドニーで、企業、政府機関、大学と連携した視察や市民との交流を通じて、D&Iの本質を体感できることが評価された。
本ツアーは、単なる観光ではなく、企業の成長戦略の一つとして、参加者に新たな視点と行動変容を促す可能性を秘めている。
産官学連携による多角的な学び
「ダイバーシティ視察・体感ツアー in シドニー2024」は、単に観光地を巡るだけでなく、D&I先進国であるオーストラリア・シドニーの企業や行政機関、大学を訪問し、現地の取り組みを深く学ぶことができる点が最大の特徴だ。参加者は、企業におけるLGBTQ+の inclusion推進や、政府機関による多文化共生政策、大学における先進的な研究などを視察する。
さらに、現地市民との交流を通じて、多様な価値観に触れ、D&Iが根付いた社会を体感することで、多様性に対する理解を深めることができる。
企業文化の変革を促進
企業にとって、本ツアーへの参加は、社員の意識改革や組織文化の変革を促進する効果が期待できる。多様な価値観に触れ、先進的な取り組みを学ぶことで、社員一人ひとりがD&Iの重要性を改めて認識し、主体的に行動するようになることが期待される。
また、帰国後も社内で共有会などを開催することで、学びを組織全体に広げ、企業文化の変革へと繋げていくことができる。
誰もが活躍できる社会を目指して
本ツアーを主催するNPO法人カラフルチェンジラボは、「すべての人が自分らしく、キラキラと輝ける社会」を目指し、D&Iに関する研修やイベントなどを実施している。
代表の三浦氏は、「今回の受賞は、当団体が推進するD&I視察・体感ツアーの意義が認められた結果だと大変光栄に思います。今後も、より多くの企業や団体にこのツアーを体験していただき、日本社会におけるD&I推進に貢献していきたい」と語る。