ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

環境配慮、購買の決め手に。生活者の6割が意識、企業の対応課題

コラム&ニュース ニュース
リンクをコピー

気候変動と商品・サービスの購入に関する生活者意識調査(2024年)より~

気候変動と商品・サービスの購入に関する生活者意識調査(2024年)
提供:株式会社メンバーズ

消費者の環境意識の高まりを受けて、企業の商品開発や情報発信のあり方が問われている。

株式会社メンバーズの脱炭素DX研究所が20~60代の男女2730人を対象に実施した「気候変動と商品・サービスの購入に関する生活者意識調査」(2024年)によると、約6割が普段の買い物で環境配慮を重視していることが分かった。

一方で、企業の情報発信については約6割が「分かりにくい」と回答しており、商品を選ぶ上での情報不足も課題として浮上した。

CO2削減の有効性認識も

気候変動と商品・サービスの購入に関する生活者意識調査(2024年)
生活者の53.1%が普段の買い物で「環境配慮・サステナビリティ」を重視(提供:株式会社メンバーズ)

調査では、生活者の65.5%が気候変動問題に関心を持ち、地球温暖化対策としてCO2削減が有効だと認識している人は85%以上に上った。その一方で、地球温暖化の原因について「太陽活動の活発化」と回答した人が約3割おり、人為的なCO2排出の影響に関する理解は依然として進んでいない実態も明らかになった。

気候変動を意識した行動として最も多かったのは「フードロスを出さない」(72.4%)で、「節電」(71.7%)が続いた。自身の経済メリットも考慮している行動が目立つ結果となった。

企業にはライフサイクル全体での対応を期待

企業に対しては、商品開発の面で「梱包・資材への配慮」(76.3%)「長期使用を考えた商品開発」(76.0%)を求める声が大きく、製品のライフサイクル全体で環境負荷を低減する取り組みが重要性を増している。

三井化学株式会社グリーンケミカル事業推進室の松永有理ビジネス・デベロップメントグループリーダーは「素材は生活者にとって真っ先に触れるインターフェース。調査結果にあるように生活者のカーボンニュートラル/サーキュラーエコノミー意識は高まっており、そうした商品への期待が分かるが、一方で生活者のもとに届けられていない現実も浮かび上がった。
素材メーカーとしてサプライチェーンで連携し、生活者の方々にいかに環境配慮型製品を届けていくか、課題も見える調査結果だった」とコメントしている。

環境配慮商品の情報発信に課題

普段の買い物で「環境配慮・サステナビリティ」を重視すると回答した人は53.1%に上り、環境に配慮した商品・サービスの購入意向を持つ人は64.7%だった。

しかし、購入意向がありながら半年以内に購入していない人は46.2%に達し、「どの商品・サービスが環境に配慮されているか分かりにくかった」「普段買い物をする場所に商品・サービスがなかった」「どのように環境に配慮されているか不明瞭だった」といった理由が目立った。

商品選択の際に参考にする情報としては、「環境ラベル」(47.6%)や「カーボンフットプリント」(44.6%)といった表示が上位を占めた。しかし、カーボンフットプリントやライフサイクルアセスメント(LCA)を正しく理解している人はいずれも4%以下にとどまった。

企業の情報発信については、64.3%が「分かりにくい」と回答。「テレビCM」に次いで、「商品パッケージやサービスへの表示」「店頭」「SNS」「企業のWebサイト」といった情報源への期待が高かった。

企業と生活者の共創を

株式会社メンバーズ 脱炭素DX研究所 所長 我有 才怜さん
株式会社メンバーズ 脱炭素DX研究所 所長 我有 才怜さん(提供:株式会社メンバーズ)

脱炭素DX研究所の我有才怜所長は「生活者と企業が、互いの意識や行動の変化をただ待つのではなく、互いが共創していくプロセスが重要」と指摘。「環境負荷の定量的な可視化と、環境負荷削減を価値に転換していく発想やビジネスモデル変革が鍵になる」と提言している。

一般社団法人アースデイジャパンネットワーク 共同代表・株式会社メンバーズ 萩谷 衞厚さん
一般社団法人アースデイジャパンネットワーク 共同代表・株式会社メンバーズ 萩谷 衞厚さん(提供:株式会社メンバーズ)

一般社団法人アースデイジャパンネットワークの萩谷衞厚共同代表は「気候変動問題への関心層は今やマジョリティを占め、環境に配慮した商品の提供は、購買行動にも大きな影響を与えるという調査結果に、脱炭素社会の実現に向けて大きなポテンシャルを感じた。
一方で、プラスチック問題への啓発がより一層求められていることを改めて認識した。今後もこうした社会的に意義深い調査結果を、継続して社会に広く発信していくことを期待している」とコメントしている。

調査概要とレポート構成
調査方法:Webアンケート調査
対象者:20代~60代の男女(調査会社パネル)
サンプル数:2,730名
実施時期:2024年6月11日
レポート構成:調査概要、調査結果サマリー、調査結果からの提言、調査結果、Appendix、メンバーズ脱炭素DXソリューション紹介
企画・調査:株式会社メンバーズ、脱炭素DX研究所、ポップインサイトカンパニー
-ポップインサイトカンパニーは、メンバーズのUXデザイン・UXリサーチ専門組織。「ユーザー視点を間近にすることで人と価値をつなぎ、心豊かな社会をつくる」をミッションに掲げ、UXデザイナーが伴走し、サービス改善・事業開発支援を提供。脱炭素社会実現に向けた企業の取り組みを支援する調査・体験デザインもおこなっています。
レポート詳細ダウンロードはこちら:https://knowledge.members.co.jp/download/135-service-survey

【関連する おすすめ記事】

Tags

ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

関連記事

タグ