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高校生、スキマバイトで将来設計 就労体験不足解消へ新機軸

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「将来、何になりたいのかわからない」。 「就職しても、すぐに辞めてしまう」。 現代の若者を悩ませるこれらの問題。 その根底には「働く」ことへの理解不足があるのではないか。 学生時代にリアルな就労経験を積む機会が少ないこと、そして社会の変化の速さに教育機関の対応が追いついていないことなどが要因として指摘されている。

こうした状況を打破しようと、若者と企業をつなぐ新たな取り組みが始まっている。 一般社団法人HASSYADAI social(以下、ハッシャダイソーシャル)は、株式会社タイミーと協働し、高校生向けキャリア教育支援プロジェクトをこのほど開始した。 従来のインターンシップとは一線を画すのが、スキマバイトアプリ「タイミー」を活用し、より実践的な就労体験を提供する点だ。

通信制高校と沖縄県の高校で実施

タイミーとハッシャダイソーシャルとの取組
タイミーとハッシャダイソーシャルとの取組(提供:同社)

まずは、通信制高校であるカシマ教育グループの各校、および、全日制高校である沖縄県立南風原高等学校(沖縄・島尻)、沖縄県立中部農林高校(沖縄県・うるま)をモデル校とし、高校生の主体的なキャリア選択の支援に取り組んでいくとのこと。

従来のインターンシップは、企業側にとっては準備や受け入れに負担が大きく、高校側にとっても生徒一人ひとりに合った企業開拓が難しいなどの課題を抱えていた。 文部科学省の調査(※)によると、高校生のインターンシップ参加率は 11.3% と低水準にとどまっているのが現状だ。

※ 国公私立高等学校(全日制・定時制・通信制)の3・4年生の体験割合 出典:国立教育政策研究所「令和4年度職場体験・インターンシップ実施状況等結果」https://www.nier.go.jp/shido/centerhp/i-ship/r04i-ship_1.pdf

このプロジェクトでは、タイミーに登録されている多様な仕事の中から、生徒が興味や関心のある仕事を体験できる。 企業側も、通常の採用活動とは別に、短期間で柔軟な働き方を求める若者と出会う機会を創出できる。

プログラムは、「業界・業種や働き方についての知識獲得」「多様な就労体験の提供」「自己内省」の3つの要素で構成されている。 参加する高校生はまず、「働く」ことへの理解を深める講義を受講する。 その後、夏休み期間などを利用し、タイミーを通じて実際に複数種の仕事を体験するのだ。 そして、一連の就業体験を通じて得た経験を踏まえ、自身のキャリアプランについて振り返り、主体的な進路選択を促す。

プロジェクトの成果

カシマ教育グループでのアンケート
通信制高校のカシマ教育グループでのアンケート

2024年5月29日にカシマ教育グループの高校生219名を対象に実施した「お仕事図鑑」という取組みでは、タイミー所属の社員2名が、自身の仕事における哲学やタイミーで働くことを通じて成し遂げたいことなどをご紹介した模様。実施前後で「はたらく」についてのイメージを「おもしろそう」と回答した生徒の割合は42pt増加、「しんどい」と回答した生徒の割合は30pt減少したとのことだ。

すでにプログラムに参加した高校生からは、「働くことに対して前向きになれた」「様々な働き方を知り、将来を考える良い機会になった」といった声が上がっているという。 企業側からも「短期間でも高校生の柔軟な発想や行動力に刺激を受けた」「将来の人材確保につながる可能性を感じた」といった声が寄せられている。

運営会社の声

ハッシャダイソーシャルの勝山恵一さん(共同代表理事)は、「若者の就業体験の実施率が減少しているいま、タイミーのプラットフォームを活用した就業機会を届けることで、新たな出会い、学び、体験の機会を若者に届けていくことができないかと思い、今回の取り組みをスタートさせた」と語る。タイミー スポットワーク研究所山口眞司さんは、「本プロジェクトを通じて、これまで実施されてきた無償のインターンシップとは異なる、新しい価値を提供していきたい」とのこと。

今回の取り組みは、高校生のキャリア教育のあり方を変えるだけでなく、企業における人材育成、ひいては社会全体の持続可能性にも大きく貢献していく可能性を秘めている。 ハッシャダイソーシャルとタイミーは今後、さらなる規模拡大と内容の充実を目指し、より多くの高校生に「働く」ことへの理解を深めてもらう計画だ。

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