
X上で約9年間にもわたり嵐・松本潤氏になりすましていたアカウント(@j_storm_mj)が特定され、突如謝罪文を掲載した騒動。長年放置されがちだった、なりきり・なりすましに対する事務所の本気の法的措置として大きな話題を呼んだが、事態はさらに大きな展開を見せている。
31日、STARTO ENTERTAINMENTおよび株式会社嵐が相次いで公式声明を発表。松本氏だけでなく、他の嵐メンバーやグループを装ったなりすましアカウントの運営者も特定され、謝罪とアカウント削除の確約に至ったことが明らかになった。
STARTO社が73のなりすましアカウントを開示請求
STARTO ENTERTAINMENTの公式声明によると、昨今、同社の契約タレントやグループを名乗るアカウントの中には、コンサート当日の無料配信をうたってクレジットカード情報の入力を促す悪質なフィッシング詐欺サイトへ誘導するものも確認されていたという。
同社は事態を重く受け止め、2025年5月以降、米国X Corp.に対して合計73ものなりすましアカウントの発信者情報開示命令を米国連邦地方裁判所で取得。そこから国内の通信会社への開示請求を経て、日本国内から運営されているなりすましアカウントの相当数について運営者を特定したと報告した。今後はなりすまし行為によって生じた損害の回復に向けた対応も求めていくという。
櫻井翔氏・相葉雅紀氏のなりすましも一網打尽。同一犯説も浮上?
同日、株式会社嵐の代表取締役社長・四宮隆史氏も自身のXアカウントで声明を投稿した。STARTO社の代理人弁護士と協力し、昨年からX上に存在する、嵐およびメンバーのなりすましアカウントに対して通信を分析し、法的措置を行ってきたことを報告。
ポスト内では、謝罪と1週間以内のアカウント完全削除を約束させた対象として、前回話題となった松本潤のなりすまし(@j_storm_mj)に加え、櫻井翔(@sakuraisho125__)、相葉雅紀(@aibamasaki_____)とみられるアカウントIDが明記された。
これら複数のなりすましアカウントが一斉に特定されたことに対し、ユーザーからは「各アカウントが載せてる謝罪文が同一文言なのウケる」「もしかしてなりすましアカウント全部同一犯だったんかね?」といった声が上がっており、複数メンバーのなりすましを同一人物(あるいは同一グループ)が運営していたのではないかという推測も飛び交っている。
AI画像や偽グッズへの誘導も…2万人超フォロワーのグループ公式なりすまし
今回の声明に先立ち、四宮社長は3月中旬から自身のXを通じて、嵐のグループ公式を装う極めて悪質なアカウントについて再三の注意喚起を行っていた。
特に問題視されていたのは、「ARASHI 特別企画 2025-2026」と「ARASHI LAST JOURNEY」という2つのアカウントだ。
前者はあたかも公式の特別プロジェクトであるかのように装い、2.2万人以上のフォロワーを獲得していた。後者はAIで生成した不自然なメンバーの画像を掲載するだけでなく、偽のグッズ購入サイトへのリンクを貼るなど悪質性が高く、こちらも1.8万人のフォロワーを抱えていた。
四宮社長はこれらのアカウントを名指しし、「フォロワーが1万人・2万人を超えていますが『なりすまし』です。くれぐれもご注意ください」とファンへ強く警鐘を鳴らしていた。
プロフィール欄の所在地に注目!四宮社長が教える見極め方
公式マークの有無だけでは判断が難しくなっている昨今、四宮社長は「なりすましアカウントか否かを見極める一つの方法」として、具体的な確認手順も紹介している。
アカウントのプロフィール画面にある「〇年〇月からXを利用しています」という箇所をクリックすると、アカウントの詳細情報が表示され、アカウントの所在地が確認できる。四宮社長が提示した悪質アカウントのスクリーンショットでは、所在地がBangladesh(バングラデシュ)やSouth Asia(南アジア)となっていた。「Japan以外が表示される場合は明らかな『なりすまし』です」と四宮社長は断言しており、ファンが自衛するための分かりやすい指標となっている。
事務所への称賛と、ファンから寄せられる切実な次の課題
今回、単にアカウントを削除させるだけでなく、運営者に非を認めさせ謝罪文を掲示させた上での削除という徹底した対応に対し、ファンからは「さすが嵐」「純粋に応援できる環境を守ってくれて本当に心強い」と称賛と安堵の声が上がっている。
しかし同時に、この一件を機に、以前から燻っていた様々な問題への対応を求める声も噴出している。四宮社長やSTARTO社の発表に対するユーザーの反応からは、ファンの切実な思いとSNS環境の課題が浮き彫りになっている。
ファンが事務所に求めているのは、他タレントへの対応と誹謗中傷への法的措置だ。 ユーザーからは「嵐だけじゃなく、前からほとんどのタレントがやられている。これを機になくなるといい」「スタエン(STARTO社)も自主的に全ての所属タレントのなりすましや人格権侵害の法的対応を進めてもらいたい」と、事務所全体の取り組み強化を望む声が上がった。さらに、「なりすまし対策も大事だけど、それ以上に特定のタレントを継続的に誹謗中傷しているアカウントへの法的措置もしっかり進めてほしい」と、悪質なアンチ行為への対応を求める訴えも多く見られた。
また、ユーザーの矛先はプラットフォームであるX側の管理体制や、AI悪用への恐怖にも向いている。「Xを使った違法行為に対応できるだけのスタッフがX側にいないというのも環境としてよろしくない」「動画無断転載垂れ流しの知的財産権無視、即時対応できるようにならないか」と、Xの管理体制への苦言も呈されている。加えて、前述のなりすましアカウントでAI生成画像が使われていたことに関連し、「AIにフェイク流用される恐怖があります」と、新たな技術の悪用に対する不安の声も漏れた。
国境を越える動画無断転載と今後の期待
ユーザーの指摘にもある動画無断転載も、深刻な課題の一つだ。実際、X上では地上波のテレビ番組の画面やライブ映像を無断転載する行為が横行している。これはSTARTO社所属のアイドルに限らず、他のアーティストも直面している根深い問題だ。投稿者の中には日本人もいるが、海外からのアカウントも非常に多い。国や地域によっては、ライブ中の撮影やSNSへの動画共有が独自のファンカルチャーとして根付いている背景もあり、著作権や肖像権に対する認識に溝があることも推測される。しかし、そうした文化の違いがあるにせよ、権利を侵害する行為を看過する理由にはならない。ファンからは、こうした国境を越えた無断転載や知的財産権の侵害に対しても、今回のなりすまし対応と同様に毅然とした措置を求める声が強まっている。
長年SNSに蔓延していたなりすましに対して、ついに下された鉄槌。タレントの権利とファンの安全を守るための本気の法的措置がもたらしたインパクトは大きい。アカウントの所在地確認といった自衛策を広めつつ、この強力な前例が、今後、他タレントの保護や誹謗中傷の撲滅、そして国境を越えた無断転載の抑止など、より安全なSNS環境の構築へと繋がっていくことが強く期待されている。



