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「奈良のシカ」で15分応酬 西村智奈美氏が高市首相に撤回要求 吉村代表も苦言「国民の声を拾えていない」

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奈良 シカ
DALLーEで作成

衆院予算委員会の議場に、緊張が走った。
11月10日、立憲民主党の西村智奈美衆院議員が高市早苗首相に対し、「奈良のシカ」発言の撤回を迫った。
発言の真意をめぐるやり取りは15分に及び、議場の空気が張りつめる。
首相は「一定の根拠がある」として応じず、応酬の模様は瞬く間にSNSで拡散した。
「#立憲民主党いらない」がトレンド入りし、日本維新の会・吉村洋文代表も「国民の声を拾えていない質問」と苦言を呈した。

 

「外国人だけの問題なのか」

予算委の質疑序盤、西村氏は静かに問いかけた。
「奈良のシカを蹴り上げるとんでもない人がいる。これは外国人だけの問題なのですか?」

高市首相は落ち着いた口調で答弁した。
「日本人でも悪意をもって加害行為をした例が報道されています。日本人も外国人も、してはいけないことはしてはいけません」

奈良公園のシカは国の天然記念物であり、長年地元の象徴とされてきた。
観光客の増加によりマナー違反も目立つようになり、地元出身の高市首相が総裁選の演説で「外国人による残念な行為」を問題視した発言が、今回の論争の発端となった。

撤回求める野党、拒む首相

「日本人も同じようにひどいことをしている」。
西村氏は詰め寄った。

実際、2010年には三重県の男が矢を放ち、2021年には別の男が刃物でシカを襲って死亡させる事件が報じられている。
「このことを知った上で、外国人だけを取り上げたのか」と問い詰めた。

高市首相は一歩も引かなかった。
「報道を承知している。不確かな情報に基づいたものではない。一定の根拠があって申し上げた」と応じ、発言の撤回を拒んだ。
両者の応酬は15分間続き、議場に緊張が漂った。

吉村代表が指摘「国民の関心とずれている」

日本維新の会・吉村洋文代表は、同日夜、自身のX(旧Twitter)で次のように投稿した。

「予算委員会で総理のシカ発言撤回要求で時間を費やす。もう予算委員会は党首討論中心でいいんじゃないかな。担当大臣もいるわけだし」

さらに、政治全体の在り方を問う言葉も残した。

「議員定数削減したら声が届かなくなる!というけど、実際はこれ。自民も民主も国民に約束した。議員定数削減、まずは約束を実行せよ」

吉村代表は「国民の声を拾えていない質問」と指摘し、予算委での時間配分を問題視した。
SNS上でも「今話すべき議題なのか」「他にもっと重要なことがあるだろう」といった投稿が相次ぎ、世論は西村氏の姿勢に厳しかった。

SNSで拡散する「#立憲民主党いらない」

翌朝、SNSは“シカ問題”一色に染まった。
「今話す議題?」「予算委で15分も鹿の話?」「国会でやるべきことが他にあるだろう」

ハッシュタグ「#立憲民主党いらない」がトレンド入りし、ネット世論は立憲民主党に厳しい視線を向けた。

政治評論家の一人はこう分析する。
「西村氏の問題意識は理解できるが、国会という舞台では“政治の優先順位”が問われる。マナーの啓発や観光政策の議論に昇華させるべきだった」

野党第一党としての立憲の役割をめぐり、改めて「追及型」から「提案型」への転換が問われている。

シカが映した政治の現実

奈良公園では、外国人観光客がスマートフォンでシカを撮影し、親子連れが鹿せんべいを差し出す光景がいつも通りに広がる。
英語や中国語、韓国語で「シカを蹴らないでください」と記された看板が立ち、ボランティアが柔らかく注意を呼びかけていた。シカをめぐる発言が、政治・メディア・SNSの渦に巻き込まれ、世論を二分する。
それでも、人と動物、国籍を超えた共生をどう実現するかという問いは、依然として重く残る。
今回の“鹿論争”は、国会の外にある市民の声と、政治の距離を改めて浮き彫りにした。

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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