
きらめくライトに包まれたステージに、Kōki,が静かに歩み出た。
シンプルなデニムのセットアップに黒のピンヒール。まっすぐな視線が印象的だった。
「父の受賞時の姿を調べて、やっぱりかっこいいと思いました」。
『第42回ベストジーニスト2025』で協議会選出部門を受賞。
1990年代に父・木村拓哉が5年連続で受賞し殿堂入りして以来、親子2代の快挙に観客の拍手が響いた。
親子2代の受賞にわく会場 父の背中を追うKōki,
授賞式が行われたのは、東京・品川のホテル。
ステージに登場したKōki,は、照明を受けて淡く光るデニムのジャケットを身にまとっていた。
落ち着いた笑顔でマイクを持つと、はにかみながら言葉を選ぶ。
「父が受賞していた時の写真を見て、やっぱり似合うなと思いました」
観客席からは温かい笑い声と拍手が重なる。
1994年から1998年にかけて、父・木村拓哉が5年連続でこの賞を受賞し、殿堂入りを果たしてから27年。
親子で同じステージに立つことの意味を、会場全体が感じ取っていた。
デニムは“挑戦”と“相棒” Kōki,のファッション哲学
この日、Kōki,が選んだのは長く愛用しているという上下デニムのセットアップ。
「このジーンズは、海外に挑戦するときも一緒にいてくれた」と語るその声には、
モデルとして成長を重ねてきた年月がにじむ。
「ジーンズは私のファッションで“マストハブアイテム”。挑戦を恐れず、新しい自分に出会うためのアイテムなんです」
父から譲り受けたのは“形”だけではない。
挑戦を続ける姿勢。それが、彼女の“デニムスタイル”の真髄だった。
会場を沸かせた共演者たちの言葉
ステージ横に立ったお笑い芸人のみなみかわは、「非常にエレガントで見とれてしまいました」とコメント。
さらに「お父さんの余ってるデニムください」と冗談を飛ばすと、会場には笑いが広がった。
この日の授賞式は、華やかさの中にも家族の温かさを感じさせる空気が流れていた。
時代を映すデニムたち 変わりゆく“ベストジーニスト”の意味
一方で、SNS上では「ジーンズ離れ」が話題に。
かつて若者カルチャーの象徴だったデニムは、近年、アスレジャーやスウェットに押されつつある。
そんな中、Kōki,の受賞は“再びデニムを輝かせる存在”として注目を集めている。
「ジーンズ文化の灯を絶やさない」
ベストジーニスト賞が目指すのは、そんなメッセージなのかもしれない。
親子2代での受賞は、時代を超えて受け継がれる“スタイルの記憶”を象徴していた。

  

            
                
                
                
                
                
                
                
                
                