
「連立するなら、議員定数を年内に減らしてほしい」。
日本維新の会・吉村洋文代表がテレビ朝日「モーニングショー」の生放送でそう言い切った。
高市早苗新総裁が率いる自民党との連立交渉が進む中、国会中継さながらの発言に政界がざわついた。
吉村が突きつけた“本気の踏み絵”とは。
金曜の朝に放たれた「爆弾」
17日朝、テレビ朝日「モーニングショー」のスタジオ。
司会の羽鳥慎一が速報を伝えると、吉村洋文代表は静かにうなずいた。
「そうです。できなければ連立は組みません」
その一言で空気が変わった。
高市自民と維新の政策協議は進行中だが、吉村はカメラの前で“絶対条件”を突きつけた。
内容は、衆議院議員の1割削減、つまり約50人分の議席削減。
年内に法案を提出できなければ、連立は白紙に戻すという。
維新流「原点改革」への回帰
吉村が口にしたのは、維新誕生時からのスローガンでもある“身を切る改革”だった。
「政治家が一番やりたくないことを最初にやる。それが大阪維新の原点でした」
2011年、大阪府議会では109あった定数を88へ、20%削減。
吉村はあの改革を“出発点”として再び持ち出した。
「政治改革のセンターピンは議員定数の大幅削減」と語るその表情には、政治家としての覚悟がにじんでいた。
高市自民への踏み絵
吉村がこのタイミングで強硬姿勢を見せた背景には、「高市政権がどこまで本気で改革を進めるのか」を見極める狙いがある。
「高市さんと本気で合意できるかどうか。年内にやる覚悟があるのか。ここが分かれ道です」
維新が提示した12項目の中でも、定数削減は最もハードルが高い。
比例代表削減を含む抜本的な制度見直しが前提となるため、短期間での実現は極めて難しい。
それでも吉村は、「できないなら連立はしない」と明言した。
政界関係者の中には「実現不能な条件を突きつけた“連立拒否の口実”」と見る声もあるが、
ネット上では「よく言った」「国民の代弁者」と支持が急上昇している。
身を切る改革は再び起爆剤となるか
「国会議員が多すぎる」「減らせ」 この声は長年、国民の不満として燻ってきた。
少子高齢化が進む中で、人口減少とともに政治のスリム化を求める声も根強い。
吉村の提案は、実現困難でありながらも国民感情に火をつけた。
掲示板やSNSにはこんな書き込みが並ぶ。
「削減で税金の無駄を減らしてほしい」
「選挙の時だけ頭を下げる議員が多すぎる」
「維新が一番、現実を見ている」
いま、国民の多くが求めているのは「言葉より行動」だ。
もし高市政権がこの提案を飲むなら、日本の政治は確実に動き出す。
その逆に、合意できなければ…。維新は連立を捨てても“改革”を貫く覚悟を見せることになる。



