
2025年10月7日、TBS系火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(毎週火曜22時)が初回放送を迎えた。放送直後、X(旧Twitter)では「#じゃああんたが作ってみろよ」が瞬く間にトレンド1位へ。
視聴者の反応は「リアルすぎて笑えない」「わかりすぎてつらい」。ドラマの枠を超えて“共感の連鎖”を生んでいる。
原作は谷口菜津子氏の同名人気マンガ。夏帆演じるOL・鮎美と、竹内涼真演じる完璧主義な“モラハラ気味エリート”勝男の破局と再生を軸に、現代社会のジェンダー観を軽妙に描き出している。
炸裂した「無理!」──冒頭10分が切り裂いた“当たり前”の壁
同棲3年目の記念日に、勝男からのプロポーズを受けた鮎美。しかし「女は料理上手が当たり前」「男は仕事をしていれば十分」という言葉に、彼女は思わず「無理!」と即答した。
この衝撃的なシーンは、X上で瞬時に“共感と怒り”の火種となった。
「竹内涼真、イケメンなのに言ってることが古すぎる」
「まるで自分の元カレを見てる気分」
「“無理”が全国の女性の総意」
コメント欄には、笑いと憤りが入り混じる声が溢れた。
TBSの放送直後データによれば、関連ワード「筑前煮」「顆粒だし」も同時に急上昇。視聴者が“料理”という家庭的な題材を通して、社会的テーマを共有した稀有なケースとなった。
“共感の爆弾”が炸裂──家庭のリアルを映すSNSの炎
勝男のセリフの多くは、現代でも根強く残る“無意識の家事格差”を象徴する。総務省の調査では、女性の家事・育児時間は男性の約5倍。
その現実を軽妙なコメディとして描いたことで、視聴者の感情は一気に可視化された。
「顆粒だしNGって、どこの昭和?」
「料理を“評価”する男のリアリティが怖い」
「家事分担がテーマなのに笑えるのがすごい」
SNS分析会社によると、放送当日だけで関連ポストは12万件超に達し、「共感」「モラハラ」「イライラ」「リアル」などが最頻出ワードに。
“誰かの話”ではなく、“自分の話”として受け止められたことが、視聴者の熱狂を呼び起こした。
別れを起点に描く再生──“笑いながら考える”ジェンダードラマ
本作の魅力は、破局を終わりではなく“再生の出発点”として描く構成にある。
プロポーズを拒否された勝男が初めて自炊に挑み、筑前煮づくりに苦戦するシーンでは、彼の不器用な努力と、価値観の再構築がユーモラスに映し出される。
「勝男がめんつゆを使うか迷う姿、妙に感動した」
「努力して変わろうとする男、久々に見た気がする」
一方で鮎美もまた、他者の期待に縛られず“自分の人生”を取り戻していく。
女性が“支える側”として描かれてきた旧来のラブストーリーの構造を壊しながら、互いに成長する人間像を描く点が、この作品を“共感の物語”へと昇華させている。
主演交代報道の真相──吉沢亮の“飲酒トラブル”と公式の沈黙
放送前から、キャスティング変更の背景をめぐる報道が注目を集めた。
制作初期には、勝男役として俳優・吉沢亮が起用されていたと『SmartFLASH』『週刊女性PRIME』などが報じている。
同報道によれば、吉沢は2024年12月末に泥酔状態で自宅マンションの隣室へ誤って侵入したとして書類送検。所属事務所アミューズは翌年1月6日に謝罪文を発表し、1月14日には示談成立を公表した。
ただし、TBSはこの件とドラマのキャスト変更との因果関係を明らかにしていない。
番組公式サイトの発表時点では、すでに夏帆×竹内涼真のW主演体制で統一されており、吉沢の名前はどのリリースにも確認されない。
週刊誌報道はあくまで“関係者談”レベルの情報にとどまっており、真相は今も不明のままだ。
火曜夜の“参加型ドラマ”──笑いと対話が生む新たな熱量
初回の世帯視聴率は13.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。SNS上の熱量と比べても高い関心が裏づけられた。
放送翌日も「#じゃああんたが作ってみろよ」はトレンド上位を維持し、「#筑前煮作ってみろよ」「#勝男反省中」などの派生タグも登場。視聴者が物語を“実況しながら一緒に考える”構図が生まれている。
竹内涼真はインタビューで「嫌われてもいい覚悟で演じた」と語っており、モラ男を“笑える人間”として描いた点も高く評価された。
ドラマが説教でも断罪でもなく、ユーモアで社会を映す。
火曜22時、視聴者が“参加者”となるこの構造こそ、今期ドラマ最大の魅力である。