
衣料品EC大手ZOZOの創業者で実業家・前澤友作氏(49)と、エイベックス会長の松浦勝人氏(60)が、X(旧ツイッター)で繰り広げた“金持ち論争”が話題を呼んでいる。
テーマは「ほんとの大金持ちとは誰か」。その舞台装置には114メートルのメガヨット、そして「港区女子」という言葉が散りばめられ、SNSは羨望と冷笑に包まれた。芸能界や業界関係者からも注目が集まったこのやり取りを詳しく追う。
「ほんとの大金持ち」とは誰か──松浦勝人の発言
発端は松浦氏の投稿だった。彼は「欲は埋まらない。物欲はエスカレートするだけ」と率直に語り、「よくいる“俺金持ってる界隈”より、自然体でお金を使う人こそ本物」と断言。
そのうえで「それをスマートに両立しているのは前澤さんくらい」と名指しで称賛した。さらに「わかってるよね!港区女子」と軽妙に添えたことで、SNSは一気にざわついた。
極めつけは、前澤氏の所有するメガヨットへの言及だ。松浦氏は「建造費100億円」「維持費25億〜45億円」と試算し、クルー費用だけで15億〜25億円と推定。
「こういうことをする前澤さんこそ、ほんとの大金持ち」としながら、「ぼくらは到底かなわない」と白旗を掲げた。大富豪がもう一人の大富豪を“持ち上げる”構図に、世間は苦笑しつつも注目した。
「自然体でカツカツ」──前澤友作の返答
これに対し前澤氏は、「自然体でカツカツです 港区女子!」とユーモラスに応じた。松浦氏も負けじと「僕なんて自然体で毎日ほぼ赤字」と返し、互いに庶民には理解不能な“カツカツ”や“赤字”を言葉遊びのように飛ばし合った。
数十億円規模の維持費を「カツカツ」と言い切る時点で、一般人との金銭感覚の乖離は明白だ。だが、この余裕と洒落っ気が、逆に“金持ちの軽口”として大衆の関心を引いたのも事実だ。
ネット上では「こっちのカツカツは家賃と光熱費、あっちはヨット維持費。比べること自体が虚しい」と自嘲する声が相次いだ。
こうした掛け合いは単なる冗談でありながら、「俺たちには一生縁のない次元」という現実を突きつけ、羨望と冷笑が入り混じる話題へと膨らんでいった。
SNSの反応と芸能界のコメント
SNSでは「規模が違いすぎて笑った」「“カツカツ”が数十億単位なの草」と驚きのコメントが相次ぐ一方で、「金持ちの自慢合戦」「わざわざ庶民の前でやる必要ある?」といった冷笑的な声も目立った。
とくに「港区女子」という言葉には過敏に反応する層も多く、「また港区女子を引き合いに出すのか」「結局は女とラグジュアリーをセットで語らないと気が済まない」と皮肉交じりの投稿が散見された。中には「港区女子にすらなれない私には、この会話が遠すぎて眩しい」といった自虐的な声もあった。
芸能界からも波紋は広がった。人気タレントの一人はラジオ番組で「前澤さんの“カツカツ”は次元が違う。こっちはスーパーで卵が高いって嘆いてるのに」と笑い飛ばした。
あるモデルはSNSで「港区女子ってまた出てきたけど、私は埼玉女子です」と茶化し、多くの共感を集めた。業界関係者の間でも「これだけ話題を作れるのは、金持ちというよりエンターテイナー」と評され、単なる自慢ではなく“見せ方のうまさ”にも注目が集まった。
メガヨットが示すステータス
話題の中心となったメガヨットは、全長114メートル、推定建造費100億円という桁外れの代物だ。
松浦氏の試算どおり、維持費だけで年間25億〜45億円。庶民には「国家予算並みの浪費」と映る一方、富裕層からすれば「夢を具現化したステータス」にほかならない。
前澤氏といえば、宇宙旅行やバスキアのアート購入など、桁違いの“挑戦”で常に話題を振りまいてきた人物だ。今回のヨットは“海の宇宙旅行”ともいえる象徴的存在であり、完成すればまたしても世間をざわつかせるだろう。
SNSでも「どうせならヨットから打ち上げ花火してほしい」「港区女子を乗せてパーティーする未来が見える」といった想像が飛び交った。
芸能リポーターは「ヨットが完成したら真っ先に週刊誌が空撮する」と予想し、音楽関係者は「アーティストのMVに貸し出せば話題性は抜群」と語る。夢か浪費か、その評価を超えて「新しいエンターテインメントの舞台」としての期待も寄せられている。
二人の総資産と“欲”の行方
前澤友作氏の総資産は、フォーブスが2020年に「20億ドル(約2134億円)」と報じたほか、2017年時点では「約3330億円」ともされた。その後の変動を考慮しても、現在2000億円規模の資産を保持しているのは確実とみられる。
一方、松浦勝人氏の総資産については情報が揺れる。2020年時点で「27億円」との推計がある一方、別のメディアでは「400億円規模」と報じられたこともある。
エイベックス株式の保有評価額をベースにすれば「40億円前後」との分析も存在し、公開情報は一定していない。それでも年収数億円を稼ぎ続ける音楽業界の大物であることに疑いはない。
「欲は埋まらない」と語る松浦氏と、「自然体でカツカツ」と笑う前澤氏。総資産に数千億と数百億の差があれど、庶民から見れば“天上人”に変わりはない。今回のやり取りは、羨望と冷笑の対象でありながら、結局のところ多くの人に「一度でいいからそんな悩みを持ってみたい」と思わせる“金のエンタメ”として機能している。
114メートルのメガヨットが海に浮かぶその日、再びSNSがざわつき、欲と笑いが交錯するだろう。二人の大富豪は、これからも“港区女子”を添えて世間を揺らし続けるに違いない。