
国際協力機構(JICA)が進める「アフリカ・ホームタウン構想」をめぐり、批判と混乱が広がっている。地方自治体とアフリカ諸国の交流強化を狙うこの計画は、労働力不足への対応や人材育成を掲げるが、ナイジェリア政府が「特別ビザ発給」を報じたことで「移民促進」との懸念が拡散。政府は訂正に追われる事態となった。
そのさなか、NHKから国民を守る党の前参議院議員・浜田聡氏は8月28日、構想の「即時廃止」を求める声明を発表した。
「国民の声を無視した利権追求」浜田氏の強い言葉
浜田氏は声明で、まず「信頼性の低い相手国と無理に関係を築くことは、国民の安全や地域社会の安定を脅かす」と指摘。特にナイジェリアについては「腐敗の深刻さや政府の信頼性の欠如は国際的に認識されているにもかかわらず、JICAや外務省が軽視している」と強い不信感を示した。
さらに浜田氏は、国民への説明不足を「重大な問題」と位置づけた。「この構想は実質的な移民受け入れに繋がりかねないにもかかわらず、国民への十分な説明も、リスク評価も行われていない。国民の不安を無視している」とし、説明責任を果たさない政府とJICAを厳しく批判した。
加えて、公的資金の使途にも言及した。「税金が不透明なプロジェクトに投じられることは国民への裏切りであり、過去の東日本大震災やコロナ禍でも十分な貢献を果たせなかったJICAが、またしても利権追求に走る姿勢は到底許されない」と語り、過去の災害対応と結びつけて非難した。
最後に浜田氏は「日本の歴史や文化、国民の生活を守るため、この構想は直ちに廃止されるべきだ」と結論づけ、国民にも「政府に圧力をかけるのは当然の権利だ」と呼びかけた。
SNSでは「政府が国民を欺いた」との声
今回の混乱は、ナイジェリアの一部メディアが「日本が特別ビザを発給」と報じたことに端を発する。外務省はただちに「誤報」と訂正し、交流促進にとどまると説明したが、SNS上では「JICAの業務計画書には人材受け入れが明記されている」との指摘が相次いだ。
「ナイジェリアは誤解していない。日本政府が国民を騙そうとしたのが事実だ」との声や、「三条市の受け入れ支援がはっきり書いてあるのに、これをデマ扱いするのか」とする投稿もあり、国民の不信感はむしろ増幅している。
玉木雄一郎氏「第三国の影響力工作も視野に」
一方、国民民主党代表の玉木雄一郎氏は「多くの保守系アカウントが日本政府よりナイジェリア政府の発表を信じた」と指摘し、その背景に「第三国による影響力工作の可能性」を示唆した。
さらに「外務省の情報発信の遅さが問題。現地政府に迅速に訂正を求めるべきだった」と対応を批判し、「アフリカは各国が権益を狙う舞台。日本が退けば他国に取って代わられる」と安全保障上の懸念も示した。
国際協力の理念と国民の安心感のはざまで
JICAが作成した業務計画には、長井市や三条市を通じた外国人材受け入れの検討やパイロット派遣事業が明記されており、これが「移民促進」との解釈につながった。一方で、国際協力の必要性を訴える声も根強く、開発課題の解決や人材交流の重要性は否定できない。
しかし国民の理解を得られないままでは、事業そのものの正当性が揺らぐ。今回の騒動は、国際協力と国内世論とのギャップを浮き彫りにした。