
NHK連続テレビ小説「あんぱん」が、8月22日に全撮影を終えた。ヒロイン・のぶ役の今田美桜と、夫・嵩役の北村匠海は約1年間にわたる長丁場を完走。涙のコメントとともに、視聴者の心に深い余韻を残している。SNSには「毎朝が楽しみだった」「二人の存在感が画面を支えていた」と惜しむ声が相次いだ。
「一生の財産」と語った今田美桜
1年間の撮影を振り返り、今田美桜は「苦しくて悩むこともあったけれど、全部が愛おしい記憶」と涙ながらにコメントした。
「のぶを演じられて本当に良かった。『あんぱん』は私の一生の財産です。幸せです」
視聴者からも「若いヒロインが体制に染まる設定は珍しく、演じるのは苦しかったはず。それでも成長をリアルに表現してくれた」と共感の声が寄せられた。
北村匠海の存在感
北村匠海にとって朝ドラは初挑戦。「のぶを支えることが嵩としても、北村としても僕の責務でした」と振り返った。
SNSでは「北村匠海がこのドラマを支えていた」「まるで昭和初期に生きている人のようなオーラ」と称賛が相次ぐ。渡辺謙や仲代達矢といった名優を引き合いに出すコメントまであった。
夫婦役だからこその絆
撮影現場では、北村が楽屋に戻らず前室で過ごしていたところ、今田ものぶとして同じように居続けたという。
「二人の距離感が画面にそのまま出ていた」「嵩が北村で本当に良かった」という声が多く、夫婦役での共演が作品の強度を高めたことを裏付ける。
視聴者に届いた「逆転しない正義」
「あんぱん」の物語は、アンパンマンを生み出したやなせたかし夫妻をモデルに、戦中戦後を生き抜き“逆転しない正義”にたどり着くまでを描いた。
「何者でもなかった若者が、価値観も大切な人もすべてを失う体験を経て成長していく姿にリアリティがあった」と評する声も多く、ただの「朝の習慣」ではなく、人生に問いを投げかける作品として受け止められた。
残り1カ月、最終回へ
制作統括の倉崎憲チーフ・プロデューサーは「毎日が濃度の高い時間で、すべてが愛おしい」と語り、座長として現場を引っ張った今田、支えた北村に感謝を述べた。
放送は残り約1カ月。SNSには「終わってしまうのが寂しい」「久々に心から楽しめる朝ドラだった」と惜しむ声が並ぶ。最終回は9月26日、第130話で放送予定だ。