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森山幹事長、辞任の可能性示唆 石破政権の行方はどうなる? 自民・両院議員懇談会で発言

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森山 自民党幹事長
森山議員のHPより

自民党の森山裕幹事長は7月28日に開かれた両院議員懇談会の場で、参院選の総括を8月中にまとめる意向を示した上で、「幹事長として自らの責任について明らかにしたい」と述べ、辞任を示唆した。石破政権を支えてきたキーパーソンの一人が責任論に言及したことで、党内では早くも「政権末期」の空気が漂い始めている。

 

「責任を明らかに」 森山幹事長が言及

参院選での敗北を受けて開かれたこの日の両院議員懇談会。森山氏は冒頭、「今回の選挙結果を踏まえ、党内に参議院選挙総括委員会を設置し、選挙結果の分析と課題の洗い出しを早急に行いたい」と表明した。報告書は8月中に取りまとめる予定で、そのタイミングで「幹事長としての責任を明らかにする」と語った。

実質的に「引責辞任」の可能性を示唆した発言と受け止められており、政界では波紋が広がっている。幹事長辞任となれば、石破政権を支えてきた「最後の砦」が崩れることになるからだ。

 

石破政権を支えた“静かな盟友” 森山幹事長の存在

森山氏は一貫して石破茂首相を支え続けてきた。派閥の枠組みを超え、実務型・現場主義を重んじる森山氏と、政権批判を受けながらも国防・地方・農政で一貫した主張を続けてきた石破氏は、表向きの結びつきこそ控えめだったが、政界では“運命共同体”とも揶揄されてきた。

2009年の自民党下野直後、石破氏が幹事長に就任した際にも、森山氏は選挙対策での要職を担い、混乱の中で党務を下支えした経緯がある。今回の参院選でも、石破政権の旗印の下で幹事長として矢面に立ち、地方組織の引き締めに奔走していた。

その森山氏が事実上の辞任を口にしたことは、「石破・森山ライン」の終焉を意味し、それはすなわち政権の命運そのものに直結する。

 

「石破おろし」の現在地 水面下で進む離反

法政大学大学院の白鳥浩教授は、SNSで「森山幹事長が辞めるということは、石破内閣が続いていくことが難しい局面を迎えるということだ」と断言した。もともと党内に強固な支持基盤を持たない石破茂首相にとって、森山氏は党内外との橋渡し役として不可欠な存在だった。

白鳥氏はさらに「森山氏の支えを失ってしまっては、石破首相には明日はない。もはや『石破おろし』の影響はそこまで大きくなっている」と分析する。

現在、自民党内ではかつての非主流派とされていた石破グループが事実上の権力中枢にあるものの、長老議員や世代交代を目指す若手からは「求心力の限界」を指摘する声が相次ぐ。岸田・麻生・茂木ら旧主流派が冷静に次の布陣を固めつつある一方、石破氏に代わる「ポスト改革派」が育っていないというジレンマも党内を覆っている。

政局の裏舞台では、石破氏の次を見据えた動きが着実に始まっている。次期総裁候補としては、河野太郎、野田聖子、高市早苗、小泉進次郎らの名前が取り沙汰されており、「石破おろし」はもはや“政局ゲーム”というより、既定路線の調整段階に入りつつあるとの指摘もある。

 

森山辞任で始まる「政治ドミノ」 求心力、人事、法案、そして外交へ

森山幹事長の辞任が現実となれば、それは単なる人事異動では済まない。まず、「石破政権を担保する実務の軸」が喪失することで、党内の主導権争いが加速する。新たな幹事長の人選は容易ではなく、調整が長引けば9月の通常国会や予算案編成にも影響を及ぼす可能性がある。

さらに、幹事長辞任によって「石破政権の終わり」が可視化されることで、野党との法案調整、連立維持、外交スケジュールといった実務にも綻びが出かねない。9月3日には、トランプ前大統領、習近平国家主席、プーチン大統領による「対日戦勝記念日」首脳会談が予定されており、日米中露関係において重要な意味を持つ外交的転機となる。

国内が「辞任と後任人事」で混乱している最中に、日本の発信力が失われれば、国際舞台でのプレゼンス低下は避けられない。森山幹事長の進退が、予想以上に広範な「政治ドミノ」の起点となる可能性が高い。

 

裏金問題と岩盤支持層の変容

一方で、ジャーナリストの田中良紹氏は、森山幹事長の発言が即「辞任表明」と受け止められた世論の動きに疑問を呈する。「選挙の敗因に裏金問題がまるで関係していないという前提がそもそも違う」とした上で、裏金問題が「ボディブローのようにくすぶっていて、自民党への投票をためらわせた」と見る。

また、従来の自民党支持基盤とされた「岩盤支持層」が、安倍元首相亡き後にどこへ向かったのかという議論も出ている。旧統一教会や日本会議といった保守系団体と親和性の高い層が、より急進的な政策を掲げる参政党へと流れたのではないかという指摘もあり、森山氏一人の進退では済まされない「構造的な変化」が背景にある。

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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