20 位　ノリタケ〈名古屋市西区〉　売上 1,381億円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：高品質なテーブルウェアのブランドとして広く知られるが、その売上の主力は工業用砥石やセラミックス事業である。長年培ったセラミックス技術は多岐にわたり、特に半導体製造装置関連の精密セラミックス部品や、金属などを高精度に加工する際に不可欠な研削・研磨用の砥石において高いシェアを持つ。こうした製品は、自動車や航空機、電子部品といった幅広い産業分野で活用され、デジタル化が進む現代社会の基盤技術を支える重要な役割を担う。精密セラミックス技術を核に、産業界のさらなる進化に貢献し続けている。

19 位　カゴメ〈名古屋市中区〉　売上 3,068億円〈2024/12 連結〉

名門ポイント：「カゴメトマトジュース」や「野菜生活100」でおなじみの野菜・果実飲料トップメーカーである。「自然を、おいしく、楽しく。」を企業理念に掲げ、加工用トマトの育種から製品開発まで一貫して手掛けることで、高品質な製品を提供。食の健康を追求する姿勢は、日本における野菜飲料市場を牽引してきた歴史に裏付けられる。近年は、人々の健康意識の高まりに応える形で植物性乳酸菌や機能性表示食品の開発に注力。例えば、高リコピントマトを活用した機能性表示食品など、科学的根拠に基づいた製品を通じて、人々の健康寿命延伸に貢献する商品ラインアップを拡充し、食を通じて豊かな未来を育んでいる。

18 位　リンナイ〈名古屋市中川区〉　売上 4,603億1,900万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：ガスコンロ、給湯器、業務用機器など、生活に密着したガス機器の大手メーカーとして知られる。国内市場で高いプレゼンスを誇るだけでなく、海外展開にも積極的で、現在では世界約80カ国以上の地域に製品を供給している。特に、近年は環境負荷低減に貢献する高効率給湯器「エコジョーズ」や、電気とガスを組み合わせたハイブリッド給湯・暖房システム、そして都市ガスの新しい利用方法として注目される**家庭用燃料電池「エネファーム」**などの省エネ製品の開発・普及に注力している。これらの取り組みを通じて、エネルギー効率化と快適な暮らしを両立させ、持続可能な社会の実現へ貢献し続ける。

17 位　日本ガイシ〈名古屋市瑞穂区〉　売上 6,195億1,300万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：送電線に不可欠ながいし製造で世界トップクラスのシェアを誇る。その高いセラミックス技術を応用し、自動車排ガス浄化用セラミックスやNOxセンサー、そして大容量電力貯蔵システムのNAS電池といった製品群を提供している。自動車排ガス浄化用セラミックス（ハニセラム®、DPFなど）で世界的に高いシェアを有し、特にガソリン車向けでは世界シェア50%超の実績を持つなど、厳しさを増す世界の排ガス規制に対応する技術で環境負荷低減に大きく貢献する。世界初の実用化となったNAS電池は、再生可能エネルギーの導入拡大や電力系統の安定化に寄与する画期的な蓄電システムとして、世界中で導入が進む、環境ビジネスにおける重要な柱として、持続可能な社会の実現を力強く牽引する。

16 位　日本特殊陶業〈名古屋市瑞穂区〉　売上 6,529億9,300万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：自動車のエンジンに不可欠なスパークプラグで世界トップシェアを誇る。エンジン用点火プラグのほか、自動車の排ガス中の酸素濃度を検出する**排ガスセンサー（O2センサー）**といった自動車関連製品を主力とし、高い技術力でグローバル市場を牽引する。長年にわたり培ってきたセラミックス技術は多岐にわたり、近年は半導体製造装置関連の精密セラミックス製品や、医療分野における生体用セラミックスの応用など、新たな領域への展開も強化している。創業以来のセラミックス技術を核に、自動車産業の電動化や次世代モビリティ社会の進化へ貢献し続ける。

15 位　株式会社マキタ〈安城市〉　売上 7,531億3,000万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：建設現場や工場、DIYなど、幅広い分野で使用される電動工具を開発・製造する電動工具専業メーカーである。プロフェッショナルなニーズに応える高い品質と耐久性、そして独自のバッテリー技術を強みに、世界中で高いシェアを獲得している。特に、リチウムイオンバッテリーを搭載した製品群は、電動工具のコードレス化を推進し、作業効率と利便性を向上させた。近年は、バッテリー式の園芸工具や清掃用品など、電動工具の枠を超えた製品展開も加速させている。これにより、多様な作業環境において、効率的で快適な作業環境の実現を追求している。

14 位　ブラザー工業株式会社〈名古屋市瑞穂区〉　売上 8,765億5,800万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：かつて家庭用ミシンでその名を馳せた精密機器メーカーである。現在では、プリンターや複合機、ファクスといった情報通信機器で世界的に認知されている。近年、事業構造の転換を進めており、デジタル印刷機や産業用ラベルプリンターといった産業用印刷機器、および工作機械などのマシナリー事業を強化している。これらの事業は、BtoB領域における顧客の多様なニーズに対応し、安定的な収益源を確立している。また、顧客のビジネス効率化と新たな価値創造を支援するため、ハードウェアと連携したDX推進ソリューションの提供にも注力し、多角的な事業展開を通じて持続的な成長を目指す。

13 位　スギホールディングス株式会社〈大府市〉　売上 8,780億2,100万円〈2025/2 連結〉

名門ポイント：「スギ薬局」を全国展開する大手ドラッグストアグループである。医薬品販売に留まらず、調剤薬局併設店舗の拡大や管理栄養士による栄養相談など、地域に密着したヘルスケアサービスを強化している。超高齢社会における医療・介護ニーズに対応するため、「地域包括ケアシステム」のインフラとなる訪問調剤や訪問看護の提供に注力。管理栄養士が店舗での健康相談会を実施し、顧客の食生活や健康維持に関する個別のアドバイスを行うなど、予防医療にも貢献している。これにより、人々のQOL（Quality of Life）向上に寄与し、健康寿命延伸社会の実現を目指している。

12 位　豊田合成株式会社〈清須市〉　売上 1兆597億9,800万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：自動車のゴム・樹脂部品に強みを持つトヨタ系主要部品メーカーである。車両の安全性や快適性、環境性能を高めるための内装・外装部品、機能部品、セーフティシステム製品など多岐にわたる製品を開発・製造する。特に、エアバッグシステムでは世界トップレベルの実績を誇り、衝突安全に大きく貢献している。また、EV化や自動運転の進展に伴い、電動車用機能部品や次世代モビリティ向け製品の開発にも注力している。長年培ってきたゴム・樹脂の高分子技術を核に、未来のクルマ社会を素材と技術で支え、新たなモビリティの価値創造を目指している。

11 位　岡谷鋼機株式会社〈名古屋市中区〉　売上 1兆1,217億6,400万円〈2025/2 連結〉

名門ポイント：1669年（寛文9年）に創業し、350年以上の歴史を持つ総合商社である。鉄鋼を基盤とし、機械、情報・電機、化成品、食品など多岐にわたる事業領域で専門性の高いビジネスを展開している。国内外に広がるグローバルネットワークと、長年培ってきた顧客との信頼関係を活かし、多様な産業界のニーズに応えるソリューションを提供。特に「ものつくりに貢献する“グローバル最適調達パートナー”」を企業理念に掲げ、国内外の製造業を強固に支える。常に時代の変化を読み解き、新たなビジネスチャンスを創出することで、持続的な成長を追求している。

10 位　東海旅客鉄道株式会社（JR東海）〈名古屋市中村区〉　売上 1兆8,318億4,700万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：日本の大動脈である東海道新幹線を運行する大手鉄道会社である。高速・大量輸送を担う新幹線事業を基盤とし、沿線での不動産開発や流通業なども手掛けることで、総合的な事業展開を図る。現在、東京と大阪を結ぶリニア中央新幹線の開業に向けた取り組みを進めており、超電導リニア技術を用いた次世代の高速鉄道ネットワークの構築を目指す。このリニア中央新幹線は、日本の東西交通を革新し、広域経済圏のさらなる発展と地域経済の活性化に大きく貢献することが期待されている。JR東海は、安全で快適な輸送サービスの提供に加え、未来のモビリティ社会を創造することで、日本の発展を力強く牽引し続ける。

9 位　ジェイテクト株式会社〈刈谷市〉　売上 1兆8,843億9,700万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：自動車のステアリングシステムや軸受（ベアリング）、工作機械などを手掛けるトヨタ系主要部品メーカーである。電動パワーステアリングでグローバルシェアトップクラスを誇り、世界トップクラスの技術力で自動車の安全性、快適性、環境性能向上に貢献している。近年は、自動車業界のEV化や自動運転の進展に対応し、電動車用機能部品である電動パワーステアリングのさらなる進化や電動駆動システム、高精度な軸受の開発にも積極的に取り組む。さらに、人と自動化システムの調和を目指す「Pairdriver™」といった独自の自動操舵制御システムを開発するなど、次世代モビリティ社会の発展を技術力で力強く牽引し、未来のより安全で快適な移動体験を創造していく。

8 位　トヨタ車体株式会社〈刈谷市〉　売上 2兆5,775億8,000万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：ミニバン「アルファード」や商用車「ハイエース」、SUV「ランドクルーザー」など、多種多様な車種を生産するトヨタグループの一員である。車両の開発企画からデザイン、生産まで一貫して手掛ける「一貫開発・生産体制」を強みとし、顧客のニーズにきめ細かく対応したクルマづくりを実現する。特に、長年にわたり培ってきた技術力とノウハウを活かし、ミニバン、SUV、商用車といった分野で強みを発揮し、市場をリードしている。多様化するモビリティ社会において、使い勝手や快適性を追求したクルマを提供し続けることで、人々の生活を豊かにするモビリティの創造を目指し、持続可能な社会の実現に貢献していく。

7 位　株式会社スズケン〈名古屋市東区〉　売上 2兆3,999億5,200万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：全国規模で医薬品の安定供給を担う医薬品卸売の大手企業である。単なる医薬品流通に留まらず、医療機関と介護施設間の情報共有を促す医療介護専用コミュニケーションツール「メディカルケアステーション（MCS）」を提供するなど、医療現場のDXを推進している点が強みである。また、医療従事者向けに多様なデジタルサービスや情報通信機器「コラボモバイル」を提供し、在宅医療や地域医療連携を支援するプラットフォーム構築にも注力。超高齢社会における医療ニーズの多様化に対応し、効率的で質の高い医療サービスの提供を目指す。医薬品の安定供給に加え、先進的な医療ITサービスと連携支援を通じて、患者のQOL（Quality of Life）向上に貢献し、持続可能でより良い医療の未来を創造していく。

6 位　中部電力株式会社〈名古屋市東区〉　売上 3兆6,692億3,400万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：愛知、岐阜、三重など中部地域に電力を供給する地域最大の電力会社である。同社は電力の安定供給という社会的使命を果たすとともに、再生可能エネルギーの導入拡大に積極的に取り組み、2030年頃までに2017年度末比で320万kW以上の拡大を目指している。また、再生可能エネルギーの最大限の活用に向けた次世代送配電網の構築を進め、電力データの利活用にも取り組む。2050年までに事業全体のCO2排出量ネット・ゼロを目指す「ゼロエミチャレンジ2050」を掲げ、脱炭素社会の実現に貢献。電力供給に加え、地域全体のエネルギーインフラを支える中心的な存在として、持続可能な未来社会の創造に尽力している。

5 位　株式会社豊田自動織機〈刈谷市〉　売上 4兆849億8,400万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：産業機械の代表格であるフォークリフトで世界首位の座を占める。また、自動車用エアコンの心臓部であるコンプレッサーでも高シェアを誇る産業機械・自動車部品メーカーである。トヨタグループの源流企業として、自動車の電動化を支える駆動ユニット開発など、CASE技術（コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化）への対応を強化している。具体的には、高性能なモーターやインバーターの開発、さらには工場や物流現場における自動化・省人化を推進する自律搬送ロボットや自動運転フォークリフトの導入を加速。これらを通じて、未来の物流やモビリティの進化を牽引し、社会の持続可能な発展に貢献する。

4 位　株式会社アイシン〈刈谷市〉　売上 4兆8,961億400万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：トランスミッション、ブレーキシステム、ボディ部品など、幅広い自動車部品を手がけるトヨタ系の大手自動車部品メーカーである。世界有数の総合自動車部品メーカーとして、内燃機関車向け製品に加え、自動車の電動化に対応する**eAxle（イーアクスル）**などの高効率電動駆動モジュール開発に注力し、EVシフトを牽引している。また、自動運転やコネクテッドカー向けに、駐車支援システムや車載通信機といった製品開発にも積極的に取り組む。これら次世代技術と長年培った部品開発力を融合させ、安全で快適、そして環境に配慮した次世代モビリティ社会の実現に貢献し、人々の移動をより豊かにしていく。

3 位　株式会社デンソー〈刈谷市〉　売上 7兆1,617億7,700万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：自動車部品業界で世界有数の売上を誇るグローバルサプライヤーだ。電動化技術として、モーターやインバーター、電池監視ユニットなどを開発し、EV（電気自動車）普及を支える。また、ADAS（先進運転支援システム）や自動運転システム向けには、ミリ波レーダーや画像センサー、ECU（電子制御ユニット）といった先進技術を手がける。コネクテッドカー分野では、車載通信機やデータプラットフォームを通じて、新たなサービス創出に貢献する。持続可能な社会の実現を目指し、環境負荷低減技術や安心・安全技術の開発に注力し、未来のモビリティ社会の進化を牽引し続ける。

2 位　豊田通商株式会社〈名古屋市中村区〉　売上 10兆3,095億円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：トヨタグループの一員として自動車関連事業を基盤に持つ総合商社である。金属、機械、エネルギー、化学品、食品など多角的な事業領域を展開し、グローバルなサプライチェーンを構築している。世界中の顧客に対し最適なソリューションを提供し、戦略的な事業投資を通じて持続的成長を追求している。特に、未来への貢献として、アフリカでの事業展開を強化し、現地でのインフラ整備や産業育成を支援。また、再生可能エネルギー分野では、太陽光・風力発電プロジェクトへの投資を進め、地球規模の課題解決に貢献する。商社の枠を超え、世界中の産業と人々の暮らしを支え、豊かな社会の実現を目指す。

1 位　トヨタ自動車株式会社〈豊田市〉　売上 48兆367億400万円〈2025/3 連結〉

名門ポイント：世界中で「TOYOTA」ブランドを確立している世界最大の自動車メーカーである。長年培ってきたハイブリッド車（HV）の技術を強みとし、電気自動車（EV）、燃料電池車（FCV）など、多様なパワートレインの開発に巨額投資を行い、マルチパスウェイ（全方位）戦略でカーボンニュートラル社会の実現をリードする。具体的には、世界各地のエネルギー事情や顧客ニーズに応じ、様々な電動車の選択肢を提供。また、自動車製造に留まらず、自動運転技術の開発、コネクテッドサービス、モビリティサービスへの参入など、モビリティカンパニーへの変革を推進している。未来の社会を豊かにする多様な価値を創造し、人々の暮らしと地球環境の共存を目指し続ける。

総評

愛知県の産業構造は自動車関連産業を核に、機械電子、航空宇宙、セラミックス、食品など多様な産業が柱となっている。世界的な自動車メーカーであるトヨタ自動車を筆頭に、そのサプライヤーや関連企業が強固なサプライチェーンを形成し、地域経済を牽引する。EVシフトやCASEといった自動車業界の大きな変革期において、各社はDXやGXへの投資を加速させ、新たな価値創造に取り組んでいる。

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