復帰表明から一転、「試合に出る意味がない」 溝口勇児氏と反目に LINE応酬

格闘技イベント「Breaking Down(ブレイキングダウン)」をめぐり、注目選手・飯田将成氏が試合出場辞退の可能性を示唆した。7月9日夜に公開されたYouTube動画でその胸中を明かし、イベント運営側の対応に強い不信感を表明。
特に運営幹部である溝口勇児氏に対して、「誠意がない」「リスペクトが感じられない」と批判を展開し、両者の間に決定的な亀裂が入ったことが明らかとなった。
動画で明かされた出場辞退の背景
飯田氏によれば、BD16出場にあたっては「暴力的な演出を求めない」ことを条件に運営と合意していた。にもかかわらず、オーディションでは対戦相手SATORUから頭突きを受け、飯田氏は「ムカついたのはSATORUだけでなく、運営にもだ」と怒りをあらわにした。
その後、飯田氏は「試合に出る条件」として、運営側に「ファイトマネー不要」「溝口氏が未来チャンネルで謝罪すること」を提示したが、結果的に謝罪は行われなかったという。飯田氏は「それなら試合に出る意味がない」と明言し、「誠意のない対応にこれ以上付き合えない」と語った。
さらに動画内では、「格闘技に2年ぶりに復帰するにあたり、ファンやスポンサーへの感謝を胸にトレーニングを重ねてきた」と明かしながらも、「運営の個人的な攻撃や無責任な対応でメンタルを削られた」と本音を漏らしていた。
ABEMAの独占インタビューでも「溝口さんは大嫌い」と断言
同日、ABEMA格闘チャンネル公式YouTubeで公開されたインタビューでも、飯田氏は溝口勇児氏に対する感情を包み隠さず語っている。
「溝口さんは大嫌いです。約束を守らないし、雑に扱われていると感じることも多かった」
復帰に至るまでの経緯については、BDの「喧嘩自慢」化を問題視し、「相手をリスペクトして試合で魅せる」という自分のスタイルとは相容れなかったと回顧。「もう40歳。相手にはリスペクトを持って臨みたい」と語る姿は、選手としての信念を滲ませていた。
一方、今回の対戦相手であるSATORUについては「リスペクトはまったくない。エンタメ枠でしかない」とバッサリ斬り捨て、「メリットがない試合」と言いつつも、「ぶっ飛ばしてほしいという声が多かった」としてファンの声に応える決意を語った。
決裂を決定づけたLINEのやり取り
こうした一連の発言に現実味を持たせたのが、同日公開された溝口氏とのLINEのやり取りだ。やり取りの中で、飯田氏はこう送っている:
「普通に今回の件は溝口さんが俺に対して不誠実すぎるでしょ。溝口さんが俺に送ってくる内容が謝罪じゃなくて文句なのが余計幻滅です。」
「俺はどっちにもいい顔するつもりないので、悪いことは悪いって言ってるだけです。」
これに対し、溝口氏は冷ややかにこう返答している。
「そうですか。全部自分視点ですね。だから人も離れるし、事業もうまくいかないんじゃない。」
また別のやり取りでは、
「CEOは朝倉未来だし、俺のことが嫌いなら朝倉未来に言えばいいじゃん」
「Breaking Down5から嫌いってことでしょ?」
と、溝口氏は責任の所在を朝倉未来氏に転嫁するような発言をしており、飯田氏との間に感情的なズレが浮き彫りとなった。
ファンとスポンサーへの想いをにじませながらも…
飯田氏は動画の最後で、「ここまで支えてくれたファンやスポンサーには感謝しているが、正直今は出場のモチベーションがわからない」と語った。今回の件が「個人的なわがままではなく、リスペクトの問題」だと強調した上で、「人が離れていくのは俺じゃなく、溝口さんの方だ」と怒りをにじませた。
Breaking Downの運営姿勢が問われる事態に
一連の経緯により、Breaking Downはイベントの華やかさとは裏腹に、選手との信頼関係という根幹部分で深刻な問題を抱えていることが明らかになった。イベントの顔とも言える飯田氏の“離脱宣言”は、ファンの失望を招くだけでなく、今後の運営体制にも見直しを迫る可能性が高い。
今後、朝倉未来氏をはじめとする主催側がどう対応するのか、イベントの持続可能性にかかわる重要な局面を迎えている。