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闇スロ摘発!「ネットカフェ」装い賭博か 沖縄で3人逮捕、湧川健容疑者ら1.3億円売り上げか その実態は?

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闇スロ摘発
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「ネットカフェ」と称しスロットマシンで客に賭博をさせたとして、那覇市の会社経営者ら男3人が風営法違反と常習賭博の疑いで逮捕された。警察は、この店を含む2店舗で合わせて1億3500万円を売り上げていたとみて、大規模な賭博行為の実態解明を進めている。

 

逮捕された3人の素性は?

逮捕されたのは、那覇市の会社経営、湧川健容疑者(50)と、那覇市の自営業、金城達昭容疑者(41)、南城市の無職、知念正士容疑者(39)の3人だ。

警察の調べによると、湧川容疑者は今年2月までの約1年間にわたり、自身が経営し、金城容疑者と知念容疑者が管理するネットカフェに無許可でスロットマシンを設置し、客に賭博をさせていた疑いが持たれている。

那覇市内の店舗からは、ゲーム機73台、現金約1400万円、スマートフォン162台が押収された。警察は3人の認否について、捜査に支障があるとして明らかにしていない。

闇スロの実態にネットでも驚きの声

 

今回の摘発を受け、SNS上では「まだ闇スロがあるのか」と驚きの声が上がっている。いわゆる「闇スロ」とは、正規のパチスロ店では設置が認められていないハイリスク・ハイリターンの機種を揃えた違法ギャンブル店を指す。

過去には新宿・歌舞伎町で摘発された「バカボン」という闇スロ店が大きく報じられた。この店は初心者でも入りやすいと評判で、通常のパチスロ店よりもはるかに高レートな賭けを行わせていた。例えば、正規店のメダルの交換相場が1枚20円なのに対し、「バカボン」では1枚20~100円、中には1枚500円という超高レートの台を置く店もあったという。

身を持ち崩す客も…蔓延する違法ギャンブルの闇

 

闇スロには「裏ジャグラー」や「麻雀物語」といった、大当たり時に多額のバックが見込める「100スロ」と呼ばれる台が設置されていることがある。また、機械が自動でスロットを回す「オートプレイ」といった違法改造が施され、1人で複数台を掛け持ちできるため、短時間で正規店では考えられないような大金を稼ぐことも可能だ。

しかしその一方で、膨らんだ負けを取り戻そうと身を持ち崩すまで深みにはまる客も少なくない。新宿の「バカボン」では、少なくとも1億7000万円を荒稼ぎしていたことが分かっている。

湧川容疑者ら逮捕後、利用者の行方は…元闇スロ常連客の告白

 

闇スロ店の摘発は、そこで賭博に興じていた利用者たちにどのような影響を与えるのだろうか。以前、闇スロに深くのめり込んでいたというライターの男性Aさん(40代、仮名)は、今回の逮捕報道に複雑な心境を覗かせた。

「正直、摘発されたと聞いても、驚きよりも『またか』という気持ちが大きかったですね。僕自身、数年前に別の闇スロ店が摘発された時、そこに出入りしていましたから。その時は『次は自分か』とヒヤヒヤしましたが、結局は捕まらなかった。でも、店がなくなったことで、僕の闇スロ通いは一時的に止まりました」とAさんは語る。

 

しかし、Aさんのギャンブル衝動が完全に消え去ることはなかった。「あの頃は、とにかくどこかでスリルを味わいたかった。一晩で3ケタ万円のお金を儲けることができた日の全能感はいま語りながらも脳汁がでてきますね。そんなだったから摘発された店が閉まると、すぐにSNSや仲間内で新しい闇スロの情報が入ってきましたね。

結局、別の場所に店を見つけて、また通い始めてしまったんです」と苦笑いする。Aさんは、摘発されても次から次へと新たな闇スロが現れる実態を指摘し、「いたちごっこですよ。本当に足を洗うには、警察の取り締まりだけじゃなくて、自分自身の意識を変えるしかない」と自戒の念を込めて語った。

Aさんは最終的に、家族の支えを通じて、闇スロから完全に足を洗うことができた。「お金はほとんど残らなかったけど、平穏な生活を取り戻せた。今回の逮捕で、また誰かの目が覚めるきっかけになってくれればいいんですけどね」と静かに話す。

緩いセキュリティーと多様な客層

 

闇スロ店は摘発を逃れるため、頻繁に場所を移したり、入店時に厳重な身分証確認を行ったりすることが一般的だ。しかし「バカボン」のような一部の店では、電話番号を伝えるだけで入店できるなど、セキュリティーが甘いケースも見られた。これにより、摘発されても足がつく心配が少ないと感じ、初心者の客も気軽に入り込める温床となっていた。

客層は、仕事終わりのホストやキャバ嬢、スーツ姿のサラリーマン、中年夫婦、学生、さらには毎朝日課のように訪れる中年女性まで多岐にわたる。正規のパチスロを打ち慣れていれば勝手が分かり、入場料金もかからないため、客にとっては敷居の低い「入門ジャンル」となっている。

 

「懐かしさ」を刺激する台と充実したサービス

闇スロ店では、現在では姿を消した射幸性の高い「4号機」や「5号機」といった古い機種がメインで置かれていることが多く、「懐かしい」と昭和生まれの客に人気を集めている。また、イベント日には当たりが出やすい台にユニークな絵柄の札を付けるなど、かつてのパチスロ店を思わせる「昭和臭さ」が客の心を掴んでいる。

さらに、正規店では規制が厳しい喫煙が可能な上、店員がタバコの買い出しをしてくれたり、ソフトドリンクやカップ麺、さらには弁当まで食べ放題といった充実したサービスを提供する店もある。

 

蔓延する「遠隔」操作の噂と違法ギャンブルの今後

しかし、違法ギャンブルには常に「遠隔」操作の噂がつきまとう。これは店側がパソコンで客の当たりを遠隔で操作しているというもので、実際に「遊んで全く当たらなかったのに、帰ろうとした途端に大当たりを引いた」といった経験を語る元常連客もいる。動く金額が大きいため、元手を回収しやすい闇スロでは、取り締まりの目が届きにくく、遠隔のリスクが高いとされている。

 

闇スロは都内では新宿、渋谷、池袋といった繁華街に多く見られるが、北海道から沖縄まで全国的に存在するという。コロナ禍で娯楽に飢えた人々が流れ込み、店舗数が増加したとの見方もあり、今後も摘発が増えることが予想される。

また、店内にパソコンを並べてオンラインカジノを楽しむ「インカジ」や、スマートフォンで手軽に利用できるオンラインカジノなど、違法ギャンブルの形は多様化しており、そのハードルは下がっている。今回の逮捕が、広がり続ける違法ギャンブルの波に警鐘を鳴らすことになるのか、今後の動向が注目される。

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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