ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

神戸「METRORAMEN」でカンピロバクター感染か 半生チャーシュー提供の人気ラーメン店が食中毒疑惑で炎上

コラム&ニュース コラム ニュース
リンクをコピー
名店ラーメン店食中毒
イメージ画像。DALL-Eで作成

神戸・三宮の人気ラーメン店「METRORAMEN(メトロラーメン)」で食事をした複数の客が、カンピロバクターによる食中毒を訴えている。SNSでは、中心部が半生状態の鶏チャーシューが原因とみられる症状報告が相次ぎ、滝沢ガレソ氏の投稿を契機に拡散。店舗の衛生管理体制を疑問視する声が広がっている。

 

名店に広がる「火の粉」 半生チャーシューに体調不良者続出

問題が表面化したのは6月5日、X(旧Twitter)ユーザー「ホー夕ン(@NCP0289)」氏が投稿した体調不良の報告が発端だった。同氏は、「人生初のカンピロバクターで体調が終わり散らかして現地行けるか怪しくなってきた」と投稿。店舗で提供された鶏チャーシューの中心が「明らかに生っぽかった」と回顧している。

METRORAMEN Instagramより
METRORAMEN 半生肉に見えるなー。美味そうだが、食中毒と聞いてはおっかなく見えるからあら不思議(Instagramより)

この投稿を皮切りに、同じ週末に来店したとみられる他の利用者からも「日曜に食べて火曜に発熱」「水曜から下痢が止まらない」などの報告が相次いだ。一部の投稿者は、感染症の後遺症として知られるギラン・バレー症候群を懸念する声も上げている。

感染源として疑われているのが、同店の看板メニューに添えられた半生状態の鶏チャーシューだ。店舗の案内では「中心部まで火が通りきっていない状態で提供」「しばらく置くと色が変わります」と明記されており、低温調理による“レア提供”が意図的に行われていたと見られる。

 

滝沢ガレソ氏も拡散、SNSで大炎上に

この事案は、SNS上で大きな波紋を呼び、著名インフルエンサーの滝沢ガレソ氏が投稿を拡散したことで一気に注目が集まった。「METRORAMENでカンピロバクター感染か?」との話題は瞬く間に拡散し、「食べログ百名店に選ばれた名店でまさかの集団感染か」との書き込みが続出している。

現時点でMETRORAMEN側からの公式な謝罪や営業自粛の発表は確認されておらず、店舗の対応に対しても批判が集まっている。食べログではスコア3.65と高評価を獲得し、2024年には「ラーメンWEST 百名店」に初選出されたばかりの注目店だけに、その反響は大きい。

同店の特徴は、鴨や貝の出汁を使った繊細なスープと、レア調理の鶏チャーシューによるビジュアルと食感の演出にある。だが、今回の事案では「土日の仕込みが甘かったのではないか」との指摘も出ており、常連客からは「味は一流でも衛生が二流では困る」といった厳しい声も寄せられている。

 

レア提供のリスク、過去にも深刻な事例

飲食業界では、低温調理や“映える”半生提供が一種のトレンドとして広がっているが、それに伴うリスクも繰り返し指摘されてきた。

たとえば2016年には、東京都内の焼鳥店で提供された鶏レバーの刺身を食べた10代男性がカンピロバクターに感染し、ギラン・バレー症候群を発症して長期の車椅子生活を余儀なくされた事案が発生している。保健所は当該店に対し営業停止処分を下した。

また2022年には、京都市内の和食店が提供した牛肉のタタキからE型肝炎ウイルスが検出され、客が入院。2023年にも大阪の居酒屋チェーンで「低温調理の鶏むね肉」によるカンピロバクター集団感染が起き、メニューから該当商品が全面撤去された経緯がある。

厚生労働省はこれまでも「鶏肉は中心温度75度で1分以上の加熱が必要」と警鐘を鳴らしており、とりわけ中心部の加熱が不十分な調理方法については、事業者に高い注意喚起を促している。

 

名店ゆえの責任、「一時の流行」が命取りに

METRORAMENは、ラーメン激戦区・神戸で確固たる支持を築いてきた実力店であり、その分だけ、食の安全に対する責任も大きい。

「人気にあぐらをかいていなかったか」「衛生管理に慢心はなかったか」──そうした問いが今、店主に突きつけられている。

現時点で保健所による調査や行政処分の動きは確認されていないが、今後、被害報告の実数や症状の重篤度によっては、営業停止や立ち入り検査といった措置が講じられる可能性もある。SNSでの炎上が収束する気配はなく、「美味しい」だけでは済まされない時代のリアリティが改めて浮き彫りになっている。

“映えるラーメン”が、命を脅かす一杯になることもある。

今回の騒動は、そうした警告として、全国の飲食業界に重く響いている。

だが、だからこそ願いたい。ここまで味を磨き上げ、多くのファンを魅了してきたのは、並大抵の努力ではなかったはずだ。もし今回の事案が事実であるならば、真摯に受け止め、責任を果たし、再び堂々と“うまい一杯”を提供してくれることを期待したい。

神戸の地下街から、もう一度信頼を取り戻すラーメンが立ち上がることを、多くのファンが待っている。

【関連するおすすめ記事】

Tags

ライター:

ライターアイコン

寒天 かんたろう

> このライターの記事一覧

ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

関連記事

タグ