ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

鹿児島県名門企業・有名企業売上ランキング〈2025年版解説〉

コラム&ニュース コラム ニュース
リンクをコピー

九州最南端の鹿児島県では、畜産一貫体制と総合商社型エネルギーが経済を支える。本稿は決算短信や官報公告を突合し、2024年度決算に基づく連結売上高(銀行は経常収益)順で主要15社を整理した最新版ランキングである。

 

15 位 鹿児島県くみあい開発〈鹿児島市〉 売上 67 億円〈2023/4〉


名門ポイント:鹿児島県くみあい開発は、JAグループの一翼を担う地域密着型の事業会社であり、不動産開発と観光事業を中核に据えながら、県内農業経済の下支えを担っている点で特筆される。とりわけ、宅地造成を通じた農地転用の有効活用と、旅行代理業を通じた地域間交流・農業体験ツアーの創出により、農業所得の間接的な再分配という仕組みを確立。堅実な経営姿勢を象徴するように、直近の決算では自己資本比率が40%を超えるなど、財務の安定性にも強みを持つ。こうした多角経営の基盤と公共的役割の両立が、名門たるゆえんである。

14 位 コーアツ工業〈鹿児島市〉 売上 112億円〈2024/9〉

名門ポイント:コーアツ工業株式会社(鹿児島市)は、1959年創業の老舗建設会社で、プレストレスト・コンクリート(PC)技術に強みを持つ。PC橋梁の設計・施工を中心に、鹿児島県内外で多数の実績を重ね、公共インフラ整備に貢献してきた。東京証券取引所スタンダードおよび福岡証券取引所に上場しており、地域密着と全国展開を両立。自己資本比率は60%超を維持し、堅実な財務基盤を築く。技術者育成や働きやすい職場環境づくりにも注力し、プラチナくるみん認定を取得。

13 位 ヒガシマル〈日置市〉 売上 130 億円〈2024/3〉

 

名門ポイント:ヒガシマル(鹿児島県日置市)は1947年創業、水産飼料と食品の二軸で事業を展開する企業である。特にクルマエビ用配合飼料では1975年に国内初の固形飼料を実用化し、以後トップシェアを維持。食品部門では「ヒガシフーズ」ブランドで即席めんや皿うどんを手がけ、地域に根ざした商品開発に注力している。2024年3月期は売上130億円を計上し、2025年には黒字転換を見込む。研究開発力と堅実経営を基盤に、今後の成長も期待される名門である。

12 位 鹿児島リース〈鹿児島市〉 売上 141億円〈2024/3〉

名門ポイント:鹿児島リース株式会社(鹿児島市)は、1974年設立の鹿児島銀行グループ中核企業として、地域経済を支える総合リース会社である。情報通信機器、医療・産業機械、自動車、不動産など多岐にわたるリース商品を取り扱い、地元企業の設備投資や資金調達を支援。2024年3月期の売上は141億円と堅調で、ファクタリングや不動産リースにも注力。金融機関との連携による総合提案力を強みに、地場に根ざした経営を貫く名門企業である。

11位 山形屋〈鹿児島市〉 売上 162 億円〈2024/2〉

名門ポイント:山形屋(鹿児島市)は1751年創業、九州最古の歴史を持つ老舗百貨店である。「信用第一・顧客本位・堅実経営」を社是に掲げ、鹿児島・宮崎両県で地域に根ざした百貨店事業を展開してきた。2024年2月期の売上は162億円に上り、地域の中核商業施設としての存在感を保つ。一方で、耐震工事費用や競争激化、コロナ禍の影響により経営は厳しく、2024年には事業再生ADR手続きを申請。再建に向けた取り組みを進める名門企業である。

10位 南日本銀行〈鹿児島市〉 経常収益 165億円〈2025/3〉

 

名門ポイント:南日本銀行(鹿児島市)は1913年創業の第二地方銀行で、県内を中心に64店舗を構える地域密着型の金融機関である。「地域の発展に役立つ銀行」を掲げ、地元中小企業や個人事業主への融資をはじめ、証券・保険など幅広い金融サービスを提供。2025年3月期の経常収益は165億円、純利益は21億円と好調で、2期連続の増益を達成した。堅実な経営基盤と地域支援への姿勢が、名門金融機関としての信頼を支えている。

9 位 アクシーズ〈鹿児島市〉 売上 241億円〈2023/6〉

名門ポイント:アクシーズ(鹿児島市)は、鶏肉の生産から加工・販売までを一貫して手がける食品メーカーである。1962年の創業以来、飼育から製品化までの全工程を自社で管理する「一貫生産体制」を確立し、安全で高品質な製品を提供してきた。2023年6月期の売上高は241億円に達し、堅調な業績を維持している。主力ブランド「桜島どり」は、地元鹿児島県産の鶏肉として広く知られ、国内外で高い評価を受けている。品質管理の徹底と地域密着型の経営により、食品業界での信頼を築いている。

8 位 大口電子〈伊佐市〉 売上 316 億円〈2023/12〉

名門ポイント:大口電子(鹿児島県伊佐市)は、1981年に住友金属鉱山の全額出資で設立された電子材料メーカーである。通信機器や自動車、建築用窓材に用いられる機能性材料の製造を主力とし、2023年12月期の売上は316億円に達した。加えて、廃基板や使用済めっき液からの貴金属回収によるリサイクル事業も展開し、環境負荷低減に貢献。働きやすい環境整備にも力を入れ、地域と共に持続可能な成長を目指す名門企業である。

7 位 新日本科学〈鹿児島市〉 売上 324億円〈2025/3〉

 

名門ポイント:新日本科学(鹿児島市)は1957年創業、日本で初めて医薬品開発支援を専門とするCRO(医薬品開発受託機関)として設立された。非臨床から臨床、トランスレーショナルリサーチまで一貫した支援体制を強みに、国内外の製薬企業と連携を深めている。2025年3月期の連結売上は324億円を超え、過去最高を記録。本社新研究棟の建設や海外拠点の展開など、先進的な設備投資とグローバル戦略により、医療分野をけん引する名門企業として評価されている。

6 位 いわさきグループ〈鹿児島市〉 売上 411 億円〈2024/3〉

名門ポイント:いわさきグループ(鹿児島市)は1922年創業、観光・交通・生活インフラを中心に約30社を擁する鹿児島有数の総合企業体である。2024年3月期の売上は411億円に達し、南九州最大級の交通網を運営するほか、リゾートホテルや焼酎製造、農業・水産業・食品加工など多角的な事業を展開。特に垂水フェリーや屋久島・種子島航路などは地域の足として重要な役割を果たしている。地域に根ざしつつ世界を視野に入れる名門企業である。

5 位 Misumi〈鹿児島市〉 売上 606 億円〈2024/3〉

名門ポイント:Misumi(鹿児島市)は1959年創業、エネルギー、ライフスタイル、フード&ビバレッジの3事業を展開する地域密着型の企業である。エネルギー事業では、LPガス供給やガソリンスタンド運営を通じて、地域のエネルギーインフラを支えている。ライフスタイル事業では、書店や自動車関連サービス、住宅リフォームなど多岐にわたるサービスを提供。フード&ビバレッジ事業では、KFCやピザハットの運営をはじめ、地域の食文化に貢献している。2024年3月期の売上高は606億円に達し、堅実な経営を続ける名門企業である。

4 位 ジャパンファーム〈曽於郡大崎町〉 売上 649 億円〈2024/3〉

 

名門ポイント:ジャパンファーム(鹿児島県曽於郡大崎町)は1969年に三菱商事などの出資で設立された畜産総合企業である。チキン事業では年間6,000万羽を超える鶏の生産・処理・加工を一貫して手がけ、国内のケンタッキーフライドチキン向け原料の約3分の1を供給するなど、業界内で高い信頼を得ている。養豚事業でも常時10万頭規模の飼育体制を整え、国内トップクラスの生産力を誇る。さらに、鶏糞を活用したバイオマス発電や発酵肥料の製造など、循環型社会の実現に向けた取り組みにも注力している。2024年3月期の売上高は649億円に達し、堅調な成長を続ける名門企業である。

3 位 南日本くみあい飼料〈鹿児島市〉 売上 939 億円〈2024/3〉

 

名門ポイント:南日本くみあい飼料株式会社(鹿児島市)は、1967年設立のJAグループ傘下の飼料メーカーである。鹿児島・宮崎両県を中心に、志布志・谷山・日向の3工場で配合飼料を製造し、畜産農家に安定供給している。2024年3月期の売上高は939億4,500万円に達し、品質管理ではISO9001認証を取得し、牛用と鶏豚用の製造ラインを完全分離するなど、徹底した安全対策を講じている。また、飼料の原料受入から製品出荷までの全工程でトレーサビリティを確保し、畜産業の持続的発展に寄与している。地域に根ざし、信頼性と技術力を兼ね備えた名門企業である。

2 位 南国殖産〈鹿児島市〉 売上 1,559 億円〈2024/9〉

 

名門ポイント:南国殖産(鹿児島市)は1945年創業、建設資材・エネルギー・情報通信・不動産など多分野で事業を展開する九州屈指の総合商社である。2024年9月期の売上は1,559億円に達し、県内トップクラスの企業規模を誇る。自動車燃料や水素ステーションの運営に加え、太陽光・風力発電など再生可能エネルギーにも注力。携帯通信や都市開発にも取り組み、地域のインフラを幅広く支える。人材育成にも力を入れる名門企業である。

1 位 九州フィナンシャルグループ〈熊本市/鹿児島銀行ルーツ〉 経常収益 2,225 億円〈2024/3〉

 

名門ポイント:九州フィナンシャルグループ(熊本市)は、2015年に肥後銀行と鹿児島銀行の経営統合により誕生した金融持株会社である。2024年3月期の連結経常収益は2,225億円に達し、過去最高益を更新した。グループは肥後銀行、鹿児島銀行、九州FG証券など23社で構成され、銀行業務を中心にリース、証券、信託、DXソリューションなど多角的な金融サービスを展開している。2024年4月からは「地域価値共創グループ」への進化を掲げ、第4次中期経営計画「躍進」を始動。地域経済の活性化と持続可能な成長を目指し、地方金融の枠を超えた取り組みを推進する名門企業である。

総評

 

鹿児島経済は「畜産・飼料」「総合商社型エネルギー」「観光交通」「半導体・CRO」の四軸で回る。南国殖産とMisumiが燃料網に再エネを上乗せし、南日本くみあい飼料―ジャパンファームの一貫畜産が高付加価値を創出。観光回復でいわさきグループが復調し、新日本科学と大口電子が成長分野を牽引する。2025年度は脱炭素対応、飼料自給率向上、DXの三課題が各社共通の勝負どころとなる。

【関連記事】

Tags

ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

関連記事

タグ