1月21日、フジテレビに関わるハラスメント問題が相次いで告発され、業界全体に波紋を広げている。元女子アナウンサーでYouTuberの青木歌音氏が、自身の経験をYouTubeで公開したのに加え、有田芳生衆院議員もタレント・中居正広氏に関する問題を指摘。SNS上でも多くの意見が寄せられ、テレビ業界全体の構造改革を求める声が高まっている。
元女子アナ、青木歌音氏実名でセクハラ告発
青木氏は、自身が女子アナウンサー時代にフジテレビ制作陣幹部からセクハラを受けた経験を実名で告発。動画内で「断ると干される」という状況下で精神的に追い詰められた経緯を語り、「テレビ業界のいびつな構造を告発することで業界を浄化したい」と訴えた。
特に、車内でキスや身体に触れることを強要されたり、著名タレントとの行為を示す写真を見せつけられるなどの被害を具体的に明かし、「精神的に追い詰められて精神科に通わざるを得なかった」と述べた。
有田議員、中居正広氏の問題に言及
同日、有田芳生衆院議員は自身のSNSで、フジテレビ社員と中居正広氏との間での不適切な接待が報じられた問題に言及した。有田氏は、「僕が知っている女性タレントも中居被害を受けていた」と暴露し、「これはフジテレビだけの問題ではなく、全局の問題に発展する可能性がある」と警鐘を鳴らした。
SNS上で広がる議論
こうした告発を受け、SNS上ではテレビ業界全体の構造的な問題を指摘する意見が相次いだ。
「これまで出演できなくなる恐れや会社の存続危機に直面し、声を上げられなかった人たちが多数いるはずだ。フジテレビだけでなく、他のテレビ局でも同様の問題があるのではないか」という声が広がり、「これまで見過ごされてきた問題がより大きな形で顕在化することを懸念する」との意見も多い。
また、「内部調査だけでは不十分で、外部の第三者委員会を設置して徹底的に検証すべきだ」との提案も見られた。
業界全体の調査進む
フジテレビの港浩一社長は17日の会見で、ハラスメント問題に対する取り組みを表明。続いて20日にはTBSが社内調査を開始し、日本テレビも通報窓口の再周知を行うなど、他局も対応に追われている。しかし、これらの動きが形式的なものにとどまらないかという懸念も根強い。
今後の焦点
今回の告発は、テレビ業界全体の透明性やコンプライアンス体制の改善を求める動きを加速させる可能性がある。青木氏や有田議員の告発をきっかけに、業界全体での構造改革がどのように進むのか注目が集まっている。内部告発をどう支援し、信頼回復に向けた具体策を示すことが、今後の焦点となる。