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人気美容整体Filament川島悠希社長の横領疑惑、株主の坂井秀人氏がXで告発

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Filamentの川島悠希社長
Filamentの川島悠希社長(PR TIMES
の開示より)

複数の会社を経営し投資家としても知られる坂井秀人氏が、自身が株主である株式会社Filamentの川島悠希社長による横領をX(旧Twitter)で12月30日に告発した。坂井氏の投稿は瞬く間に拡散され、大きな波紋を呼んでいる。

本稿では、告発内容の詳細とFilament社、そして両氏に関する情報を整理し、この騒動の背景を探る。

独自技術で急成長を遂げたFilament

株式会社Filamentは、「人の手で革命を」をミッションに掲げる美容整体のベンチャー企業。2019年2月の設立以来、独自開発のオールハンド施術「骨膜整体®︎」を提供する整体院グループを運営し、急成長を遂げてきた。コーポレートサイトで開示されている社員は138名(2024年6月現在)となっているが、12月31日に厚生年金保険・健康保険適用事業所検索システム上では231名が被保険者となっていることからこの半年でも拡大してきた会社なのだろう。

2023年5月には、最高峰の会員制スパ「Filament SPA」を東京・恵比寿に開院。人間の最深層部である骨膜層までアプローチする独自技術「骨膜ドレナージュ」を提供し、「究極の癒し」と「最上級のボディラインの変化」を訴求している。

Filamentの内装
PR TIMESの開示より

カリスマ経営者、川島悠希氏とは

Filament社長、川島悠希氏は1993年生まれ、宮崎県出身。自身の猫背を治してもらった経験をきっかけに整体師の道へ進み、弱冠21歳で整体院を開業。30分1万円の施術が予約数ヶ月待ちとなる人気整体師へと成長を遂げた。YouTubeチャンネル「美容整体師 川島さん。」を開設し、メディア出演も多数。著書も複数出版するなど、カリスマ経営者として注目を集めていた。

2024年8月には、人気YouTube番組「タイガーファンディング」のフランチャイズ版に出演。「美容整体師の川島が志願に。スタジオに緊張感が漂う…骨膜整体「Filament」を日本に広め世界に革命を起こしたい【川島 悠希】[105人目]FC版令和の虎」という回に出演している。番組のなかで川島氏が明かした各店舗の売上(2024年3月の月間売上)は、宮﨑店739万、福岡店1084万、新大阪810万、梅田950万、銀座2710万、恵比寿1750万、青山1470万と好調のようで、事業の現況や将来性について熱弁を語り、社長たちから「バケモノレベル」と称賛されていた。

また、川島氏のXのプロフィールには、「FilamentGroup 75店舗、年商28億、骨膜整体創始者、31歳、中卒、予約システムSATTOU 導入250店舗達成、YouTube72万、世界に整体を広める活動中と明記されており、有能な若手経営者であることが伝わってくる。

坂井氏の告発、その詳細とは

坂井氏のXでの告発は12月30日「代表の横領を公開します」という一文ではじまり投稿された。数日前から、本件の暴露を予告する投稿を繰り返していた。

坂井氏の投稿によると、知人からの紹介でFilamentの買収話を持ちかけられたという。当初は負債超過の経営状態から買収を見送るつもりだったが、川島氏から「借入を整理すれば売上に対し2割の利益を出せる」と説明を受け、さらに妻と母がFilamentのサービスに満足していたことから、数億円で株式の50%を取得したとのこと。

しかし、買収後もFilamentの経営状態は改善せず、川島氏の浪費癖が発覚。坂井氏によると、川島氏は高級時計やブランド品購入、高級車、運転手、高額な家賃、家族への給与、個人クレジットカードの会社経費での支払いなど、私的に会社資金を流用していたという。一方で従業員の給与は減額され、会社の財政状況は悪化の一途を辿っていた。

【坂井氏が投稿で開示した、川島氏が公私混同で会社名義で支払ったとされる項目】

  • 高級時計の購入: ヴァシュロン・コンスタンタン(1600万円)、パテック・フィリップ(600万円)
  • ブランド品の購入: エルメス バーキン(400万円)
  • 高級車と運転手の雇用: 車種は不明だが、運転手を付けて高級車を利用していた。
  • 高額な役員報酬: 月に120万~500万円
  • 家族への給与: 働いていない妻と義母に毎月給料を支払っていた。
  • ベビーシッター代: 専業主婦の妻のために、月に40万円ほどのベビーシッター代を支出。
  • 個人クレジットカードの会社経費計上: 毎月数百万の個人利用分を、エビデンスもなく会社に請求していた。
  • ビジネスクラスと高級ホテルの利用: 出張の際は常にビジネスクラスを利用し、高級ホテルに宿泊していた。
  • 高額な交際費: 詳細は不明だが、高額な飲食代などを会社経費で落としていた。
  • 元妻への慰謝料: 金額は不明だが、元妻への慰謝料を会社経費から支払っていた。

そこで坂井氏は川島氏を呼び出し、浪費をやめるよう警告したが、川島氏はその後も月額170万円、初期費用1000万円の高額物件への引っ越しを進めていた。さらに、川島氏の友人から、川島氏の報酬カットと引き換えに自身への月200万~500万円の報酬の支払いを要求されたという。

これらの行為に失望した坂井氏は、川島氏を代表取締役から解任し、告発に踏み切ったというのがことの経緯のようだ。

坂井秀人氏とは

ところで、投稿主の坂井秀人氏とはどういった人物なのだろうか。Xのプロフィールには、複数会社のオーナー、FXトレーダー、投資家、実業家として活動していることが書かれている。また、馬主、ヘリコプター、高級車などを所有するなど、裕福な生活ぶりをテレビで紹介されたり、SNSで発信している。数年前の著書に『三位一体のFXトレード理論』があるようだが、基本的にこれまではメディアに積極的に露出してきた人物ではないようだ。

ただ、自身のSNSはマメに投稿しており、実際に多くのファンがいるようで、インフルエンサーでもあるようだ。

実際に今回の告発もXを通して行われ、大きな反響を呼んだ。

Filament社の今後

坂井氏の告発により、Filament社の信用は大きく失墜しかけている。告発内容の真偽は未だ不明だが、会社側は公式な声明を出しておらず、情報が錯綜している状態だ。今後の経営方針、従業員の処遇、顧客への対応など、多くの課題を抱えている。

川島氏が築き上げてきたFilament社の事業は、独自技術とカリスマ性によって急成長を遂げた。しかし、今回の告発は、その成長の裏に潜むリスクを浮き彫りにしたと言えるだろう。

まとめ

今回の騒動は、企業経営におけるガバナンスの重要性を改めて示すものとなった。華々しい成功の裏で、どのような経営が行われていたのか。そして、このハードシングスを会社としてどう乗り越えていくのか。川島氏の言葉も聞きたいところである。一代で築き上げたFilament社が新体制でソフトランディングできるのか、そもそも新体制にこのまま移行できるのか、今後の動向に注目が集まる。

坂井氏の投稿にもあるが、Filamentのサービス自体は顧客満足度の高い、よいものらしいので、同社で働く社員や顧客などのステークホルダーの困惑を一日も早くおさえ、坂井氏、川島氏や新体制がどのような道筋を描き、具体的な行動で示していくのか。その答えが、Filament社の未来を決定づける鍵となるだろう。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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