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株式会社ビコーズ「U-DAY」発、廃棄衣類と廃ペットボトル由来の100%再生素材採用の傘とは

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RETEXPET
画像出典:株式会社ビコーズ プレスリリース

株式会社ビコーズが展開するレイングッズブランド「U-DAY(ユーデイ)」は、廃棄衣類と廃ペットボトルを原料とした100%再生素材「RETEXPET(リテックスペット)」を採用した晴雨兼用傘の販売を開始した。

1日に発表されたプレスリリースによると、この製品は廃棄衣類を傘の素材として再生させることで、衣類廃棄量の削減と脱炭素社会への貢献を目指して開発されたものである。アパレル廃棄問題とプラスチックごみ問題という、現代社会が直面する二つの大きな環境課題に対し、アップサイクルという手法を用いて具体的なプロダクトの形でアプローチする取り組みとして注目される。

 

年間約48万トンが廃棄される衣類と、約8000万本消費されるビニール傘の現状

今回の新製品が開発された背景を理解するためには、日本国内における衣類と傘の消費・廃棄の実態を示すデータに目を向ける必要がある。

環境省が発表した「令和6年度(2024年版)衣類のマテリアルフロー」によると、日本における衣類の国内新規供給量は計82万トンに上る。その一方で、約7割に相当する計56万トンが事業所や家庭から手放されていると推計されている。特に家庭からの排出に着目すると、手放された衣類のうち約48万トンが、資源として回収されることなく可燃ごみ・不燃ごみ等として排出され、最終的に焼却や埋め立てによって処分されているのが現状だ。環境省の資料は、この廃棄量を1日あたり大型トラック約130台分に相当すると換算しており、衣類の大量消費とそれに伴う廃棄物処理が環境に与える負荷の大きさを指摘している。

また、傘そのものに関しても特有の消費構造がある。日本洋傘振興協議会の推計や関連業界のデータによると、日本国内における洋傘の年間消費量はおよそ1億2000万本から1億3000万本とされている。そのうちの6割以上にあたる約8000万本が、安価で手軽に購入できるビニール傘によって占められているという。ビニール傘は急な降雨の際に重宝される一方で、短期間で使い捨てられる傾向が強く、金属の骨組みとビニール素材の分別が難しいためリサイクルが進みにくいという構造的な問題を抱えている。

日々大量に焼却される廃棄衣料と、短期間で廃棄される数千万本のビニール傘。株式会社ビコーズが展開するU-DAYの新製品は、これら二つの異なるカテゴリーの廃棄物を結びつけ、機能的な日用品として市場に再循環させることを意図して設計されている。

 

繊維再生原料と再生PETを融合した新素材「RETEXPET」の製造プロセス

今回、U-DAYが新たに傘の生地として採用した「RETEXPET(リテックスペット)」は、その名の通り、役目を終えた廃棄衣類と使用済みの廃ペットボトルから作られた100%再生ポリエステル生地である。プレスリリースに記載された情報によると、その製造工程には、複数の拠点を経由する資源循環の仕組みが構築されている。

まず、着られなくなった洋服など、国内で排出されたポリエステル製の廃棄衣料を、日本の協力工場にて回収し集約する。その後、中国の工場へと運ばれ、廃棄衣料から生成されたペレットと、ペットボトル再生原料からなるペレットを混合する工程へと進む。同社の発表によれば、最終的な生地の構成比率は繊維再生原料10%と再生PET原料90%の配合となっており、これにより100%リサイクル原料を使用したオリジナル生地RETEXPETが完成する。

廃棄されるはずだった衣料とペットボトルから、実用に耐えうる一本の傘を生み出す。この一連の製造プロセスは、大量生産・大量消費を前提とした従来型の直線的経済(リニアエコノミー)から、資源を循環させながら価値を生み出す循環型経済(サーキュラーエコノミー)への移行を示す具体的な実践例と言える。

 

完全遮光100%と優れた耐風構造。猛暑や豪雨に対応する実用的な機能性

環境に配慮した素材を採用している一方で、レイングッズとしての基本性能においても充実した機能が持たせられている。天候の極端化が指摘される近年の気象環境において、晴雨兼用傘には単なる雨よけ以上の役割が求められているからだ。

RETEXPETを採用した傘の生地には、ポリウレタンコーティングを施した防水生地が使用されている。これにより、突発的な強い雨にも対応できる耐水性を確保している。さらに、完全遮光100%を実現し、遮熱性にも優れている点が大きな特徴である。気象庁の観測データでも年々増加傾向にある猛暑日において、直射日光を物理的に遮断する携帯可能な日よけとして機能する。特筆すべきは、傘の裏面にも黒色のポリウレタンコーティング加工が施されている点である。頭上からの日差しを防ぐだけでなく、アスファルトの地面からの照り返しによる日焼けを防止する構造となっている。

 

ビコーズが提案する、アパレル廃棄削減に向けた新たな選択肢

これらの製品を手がける株式会社ビコーズは、1994年3月の設立以来、東京・世田谷を拠点としてレイングッズの企画から製造、卸売、小売までを幅広く展開してきた企業である。渡辺一徳社長のもと、自社ブランド「because(ビコーズ)」を通じて「どんな天気でも楽しみを持てる日常を」というブランドコンセプトを掲げ、雨傘、日傘、レインコートなど多様なウェザーグッズを提供し続けてきた。

同社が既存のブランド展開に加えて、サステナブルを前面に打ち出したブランド「U-DAY」を立ち上げ、今回のような100%再生素材を用いた製品を市場に投入したことは、同社の事業方針における一つの明確な方向性を示している。自社の事業領域において発生しうる環境負荷を認識し、製品の素材調達の段階から廃棄物削減に向けた解決策を組み込むアプローチである。

今回発売されたRETEXPET採用の晴雨兼用傘は、アパレル廃棄削減と脱炭素社会の実現に向けた、企業としての具体的な提案であると言える。消費者が日常的に使用する傘というアイテムを通じて、廃棄衣類や廃プラスチックの再利用という環境保護の仕組みに間接的に関与する導線が作られた。日本のレイングッズ市場において、環境配慮と機能性を両立させたプロダクトが今後どのように普及し、消費者の選択肢として定着していくのか、同ブランドの今後の展開が注視される。

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ライター:

株式会社Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、エンタメ関係が多め。

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