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代々木駅前脳神経内科・内科クリニック

https://www.yoyogiekimae-noushinkei.com/

東京都渋谷区代々木1-35-1 プレンジ代々木ビル3F

03-6258-2761

医者は黒子。「送りたい人生」に寄り添う代々木駅前脳神経内科・内科クリニック

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
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代々木駅前脳神経内科・内科クリニック 松村氏

東京女子医科大学附属成人医学センターの閉院をきっかけに、患者からの強い要望を受けて2025年に開業した代々木駅前脳神経内科・内科クリニック。脳神経内科・内科を軸に幅広い診療を行いながら、認知症医療においては東京都地域連携型認知症疾患医療センターの指定を受け、専門性の高い診療と地域支援を展開している。「医者は黒子」と語る院長の松村美由起氏は、長年の大学病院・成人医学センターでの経験を礎に、患者一人ひとりの人生に寄り添っている。クリニックの特徴や開業の背景、松村氏の医療と向き合う姿勢を伺った。

一生にわたって、人生と健康に寄り添うクリニック

代々木駅前脳神経内科・内科クリニックは、東京女子医科大学附属成人医学センターの閉院に伴い、患者からの強い要望を受けて2025年に開院したクリニックだ。院長の松村氏は認知症を専門とし、脳神経内科や物忘れ外来の診療を行っているほか、内科全般と生活習慣病の治療・生活指導まで幅広く対応。また、東京都より「地域連携型認知症疾患医療センター」の指定を受けており、渋谷区における認知症医療の拠点としての役割も担っている。

同クリニックには、松村氏の専門性と経験によって支えられた3つの強みがある。

1つ目は、認知症医療における専門性だ。東京都地域連携型認知症疾患医療センターの指定医療機関として認定を受けていることに加え、診断や治療だけでなく、生活支援、介護保険、介護支援体制までをワンストップで提供できる体制を整えている。

2つ目は、患者の全身管理を一生にわたって担うことだ。これは松村氏の前職である東京女子医科大学附属成人医学センターでの経験が原点となっている。同センターは大学病院の健診事業の草分け的存在で、健診後のサポートまで極めて手厚かったという。一人の医師が生活指導医として一人の患者の健康管理を担当し、専門に関わらず、まずは何でも相談できる存在だった。

「私にとっては、それが当たり前の医療の姿でした。受診のきっかけになった主訴を診るだけではなく、その患者様の健康全体に目を配り、気になる点があればこちらから声をかけて確認する。あくまでも健診は入り口であり、その人の人生を通じて健康管理する姿勢を今も続けています」(松村氏)

3つ目は、患者が納得できる状態まで診療することだ。「診察や検査で問題がないので終わりです」ではなく丁寧に原因まで調べ、医学的根拠をもとに説明する。もし薬が必要なければ、今後同じ状態にならないためにどういう生活をするべきかを提案する。「手間や時間がかかっても、患者様が納得して帰れるように」というのが松村氏のポリシーだ。

こうして患者に寄り添う姿勢の根底には、松村氏の医療観が大きく関わっている。松村氏は、「医者は黒子だと思っています。病院に通うことは患者様の人生のごく一部であり、私たちができることは、医療的な側面から、その人が送りたい人生を送れるようサポートすることですから」と話す。

代々木駅前脳神経内科・内科クリニック 院内の様子 待合室
待合室には、認知症の患者が作った切り絵アートが飾られている

患者の声に背中を押されて。開業の経緯

身近に医者がいない中で、医者への道を進んだ松村氏。小学生の頃、母親と一緒に恩師の通院や入院に付き添い、医師と患者との信頼関係を間近で見て「良い仕事だな」と思ったことが原点だという。その後、ミッションスクールで思春期を過ごす中、「誰かの役に立つ仕事がしたい」と考えるようになり、医者を目指して東京女子医科大学へ進学した。

卒業後は同大学病院の神経内科に入局。専門の勤務医として従事しながら、研究にも携わっていた。その後、東京女子医科大学附属成人医学センターに配転。同センターは健診と外来を柱としており、予防から治療までの幅広い領域に関わることとなった。また、渋谷区の地域連携型認知症疾患医療センターの指定を受けたことから、認知症の専門的治療に加え、認知症の人たちが暮らす地域づくりにも努めてきた。

そんな中、大きな転換点となったのが東京女子医科大学附属成人医学センターの閉院だった。

「閉院することが決まった時、真っ先に頭に浮かんだのは自分の身の振り方ではなく、患者様のことでした。認知症の患者様と接していると、その方の人生に深くかかわり、その分思い入れも強くなります。だからこそ、通ってくださっている患者様に『今後は他に行ってください』なんて言うこともできないですし、患者様自身も困っていて非常に辛く感じていました」(松村氏)

どうすればいいか分からずにいた中、「先生、開業しないの?」と言う患者がぽつぽつと現れる。中には「物件が必要なら私も探します」と申し出てくれる人まで現れ、応援してくれる人が増えていった。

「医者になった時から開業する考えは一切なく、このまま定年までどこかで勤めて、その後は働けなくなるまで非常勤などで働くんだろうと思っていました。開業するのは一大事業ですし、経済的にも肉体的にもものすごく大変だろうと思っていましたから。でも、患者様の声を聞いているうちに、医者として後悔したくないという気持ちが大きくなっていきました」(松村氏)

そこで松村氏は「開業のために必要なことが一通り揃えられたら開業して、できなかったらやめよう」と決意。融資は大きな壁だったが、協力してくれる人の尽力によって無事に受けられることになり、開業に踏み切ったのだという。

また、地域連携型認知症疾患医療センターとして渋谷区で地域づくりに取り組んできた中で、道半ばであるという思いからダメもとで東京都に応募したところ、新規開業ながら地域連携型認知症疾患医療センターとしての指定を受けることができた。東京女子医科大学附属成人医学センターで通っていた患者達を支えながらも自身も支えられ、2025年に同クリニックは誕生した。

代々木駅前脳神経内科・内科クリニック 松村氏

認知症を通して向き合う「生」

―神経内科を専門に選んだ理由を教えてください。

松村:大学4年生の夏休み、大学病院の神経内科が学生向けに門戸を開いてくれていて、実習に行くことにしたんです。その時に診察に行った患者様の一人に、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方がいらっしゃいました。身体を一切動かせず、夏のモワっとした空気の中、人工呼吸器の音しかしない病室を今でも覚えています。

診察では患者様の片方の手をハケで触り、どちらを触っていると感じるかを聞くのですが、一緒にいた学生の一人が冗談で両方の手をハケで触ったんです。すると、目の動きで患者様は悩んでいる様子が伝わってきて、「両方触ってました!」と言ったら、目だけで笑ったんですよ。

その姿を見て、すごく心が動かされたんですよね。身体は全く動かないけれど、この方は豊かな感情と身体の感覚の中で確かに生きているのだと。この時、「私はこの人のために仕事をしよう」と思いました。

ただ、消化器内科や循環器内科に行けばエコーやカテーテルといった技術を身につけられるので、少し迷いもあって。それで、尊敬している先生に相談すると「あなたが一番やりたいことをやりなさい」と背中を押していただき、最終的に神経内科を選びました。

―「認知症」を専門とするからこそ経験したことや学びはありますか?

松村:認知症のことを考えるのは、生きることを考えることだと思っています。認知症は人生のある時点で降りかかってきて、治せずに悪くなっていきます。その中で、患者様は自分の人生と深く向き合われます。そして、そういう方々と接している中でいろいろな価値観や人生に触れて、私自身もどう生きるかを考えるきっかけになっています。

また、認知症の患者様と交流する中で私自身も医者としてすごく学ばせていただいていて、診療の仕方も変わってきているんです。以前は「血圧が悪いから薬を飲んで、塩分を減らしましょう」のような、“こうするべき”というスタンスだったのですが、強要するのは違うなと感じるようになりました。

医療はあくまでも、その人の人生における「病気」という一つの出来事に対して、何らかの貢献ができる、ただそれだけの立場に過ぎません。だからこそ、その人がどうしたいかを重んじて診療にあたることを大切にしたいと考えるようになっていきました。

その患者様が病気とどう向き合うかは、その人が何に価値を置いているかによって変わります。例えばがん治療でも、患者様によっては「治療したくない」「手遅れになってもいいから1年後から始めたい」という方もいらっしゃいます。その選択をする時にも医学的根拠を示た上で、その人が大切にしたいことを尊重し、選んでいくことを最大限お手伝いすることが私の役割だと思っています。

代々木駅前脳神経内科・内科クリニック 松村氏

いつでも頼れる居場所でありたい

―仕事に対して、どのようなやりがいを感じていますか。

松村:患者様に何かあった時に、頼ってくださることがとても嬉しいです。先日、他の病院で大腸がんが見つかった方が「どうしたらいいかわからなくて、まず先生の顔が浮かんだので電話しました」と連絡をくださったんです。私の専門領域でなくても頼っていただけるのは本当にありがたいですね。

―今後の展望を教えてください。

松村:開院後の1年は、ほとんど自分一人でやらなければならず、特に健診については東京女子医科大学附属成人医学センターに通っていた方々に実施するだけで手一杯でした。1年経ってようやく落ち着いてきたので、2年目はもう少し広く住民の方の健康寿命延伸に向けて新たな取り組みを始めたいと考えています。

まずは「予防」の側面からの健康サポートです。健康になるためのクリニックとして活用していただけるよう、もっとオープンな場にして、食事や日常生活の指導をより多くの方に届けたいです。また、健康な状態と要介護状態の中間であるフレイルの予防もできるよう、理学療法士さんによる定期的な運動指導も始めました。

そしてもう一つが、居場所づくりです。先日、軽度の認知障害の方が「外出中に分からなくなっちゃって」と来てくださったのですが、まさにこういう場所を作りたいと思っているんです。困った時や寂しくなった時にいつでも来られて、ぼーっとしていても、落ち着くまで待ってもいい場所。そのために喫茶店風のBGMを流していますし、今後は本棚を置きたいと考えています。診療時間であればいつでも気軽に来られる居場所――そんなクリニックにしたいですね。

◎クリニック情報
クリニック名:代々木駅前脳神経内科・内科クリニック
住所:〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-35-1 プレンジ代々木ビル3F
URL:https://www.yoyogiekimae-noushinkei.com/

◎インタビュイー
松村 美由起
代々木駅前脳神経内科・内科クリニック院長

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ライター:

取材ライター。より伝わりやすい言葉で、目で見て、耳で聞いて分かりやすい文章を書くことをモットーに執筆している。自然や地域、文化が大好きで、全国各地に赴いて書く仕事をすることが目標。

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