
受験当日は、学力だけでなく体調や心理状態も結果に影響する。直前期になると勉強そのものに目が向きがちだが、親が担う役割は「教えること」ではなく、「不安やトラブルを減らすこと」にある。とりわけ食事と当日の段取りは、家庭でコントロールできる重要な要素である。
前日の食事と当日の基本方針
前日の食事は、験担ぎの揚げ物よりも消化の良さを優先する。胃腸を休め、良質な睡眠を確保することが最優先となる。当日の朝食は、食べ慣れたものを腹七分目でとり、出発1〜1.5時間前までに食べ終えるのが望ましい。緊張で食欲が落ちる場合は、量を減らし補食で調整する。
受験当日に保護者が振る舞うとよい食事5選
受験当日に保護者が振る舞うとよい食事として、失敗しにくいものを5つ挙げる。
第1に、おにぎり(梅・塩・鮭など)である。炭水化物を中心にエネルギー補給ができ、冷めても食べやすい。匂いが強くなく、量を調整しやすい点も利点となる。
第2に、うどん(素うどん・わかめうどん)である。脂肪分が少なく、胃に負担をかけにくい。温かい汁は体を温め、冬場の試験日に向く。天ぷらなどの揚げ物は避け、だし中心のあっさりした味付けが望ましい。
第3に、雑炊・おかゆである。体調が万全でない場合の安全策となる。水分と炭水化物を同時に取ることができ、緊張で胃が重いときにも対応しやすい。
第4に、サンドイッチ(卵・ハム・チーズ)である。短時間で食べやすく、糖質とたんぱく質を同時に補給できる。具材はシンプルなものにし、揚げ物具材やマヨネーズの多用は避けたい。
第5に、バナナとヨーグルトである。主食の補助として適しており、バナナは即効性のあるエネルギー源となる。ヨーグルトは腸内環境を安定させる一助になる。
食事選びの共通原則
いずれのメニューにも共通する原則は、「新しい料理を出さない」「脂っこいものや香辛料の強いものを避ける」「食べ過ぎない」である。験担ぎよりも、消化と安定を重視する方が現実的だ。
食事以外に、親ができる支援
食事以外に、親ができる支援も重要となる。まず、持ち物と書類の管理である。受験票、筆記用具、時計、上履きなどは前日までにまとめ、当日は確認だけにする。子ども任せにせず、親も一緒にチェックすることで忘れ物を防げる。
移動と時間管理の支援
会場までの経路や所要時間を事前に確認し、電車遅延などに備えて代替ルートも把握しておく。前泊の場合は、ホテルから学校までの移動時間を実測しておくと安心だ。
服装と防寒対策
試験会場は寒暖差が大きいことがあり、脱ぎ着しやすい服装が望ましい。カイロやひざ掛けなどで体温調整できるようにする。体調の揺らぎを小さくする工夫が、集中力の維持につながる。
声かけの工夫
「頑張れ」よりも、「ここまでやってきたことを出せばいい」「いつも通りでいい」といった言葉の方が、緊張を和らげやすい。当日朝に新しい注意や勉強の話を持ち込まないことも重要である。
待ち時間の過ごし方の準備
休み時間の過ごし方を事前に決めておくと、当日の迷いが減る。参考書を見るのか、目を閉じて休むのかを話し合っておくことで、精神的な安定につながる。
保護者自身の行動計画
保護者待機室の有無、近隣で待てる場所、昼食場所などを事前に把握しておくことが望ましい。混雑や天候不良を想定した準備が、不安の連鎖を防ぐ。
まとめ
親の役割は、学力を直接伸ばすことではなく、「余計な不安やトラブルを減らすこと」にある。食事、持ち物、移動、声かけ、待機計画といった裏方の準備が、子どもが実力を発揮できる土台となる。



