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東日本大震災から15年 犠牲者の「最後の行動」を可視化するデジタルアーカイブが再注目

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東日本大震災デジタルアーカイブ「忘れない 震災犠牲者の行動記録」のスクリーンショット

東日本大震災から15年。岩手県の震災犠牲者1326人の避難行動を可視化したデジタルアーカイブ「忘れない」が改修で再注目。遺族の了承を得た687人は氏名と行動も公開、防災への教訓を問う。

震災の記憶を地図に刻む、1326人の避難行動アーカイブが改修で再注目

東日本大震災から15年となる今年、岩手県における震災犠牲者の避難行動を記録・可視化したデジタルアーカイブ「忘れない~震災犠牲者の行動記録」が改めて注目を集めている。

同アーカイブは、2016年3月、震災から5年の節目に、首都大学東京(現・東京大学大学院)渡邉英徳研究室と岩手日報社が共同で制作したもの。2026年、アイコンデザインの改修とともに再び発信が強化された。

開発を手がけた東京大学大学院情報学環教授の渡邉英徳氏は、自身のX(旧Twitter)で

「東日本大震災から15年の今年、『忘れない 震災犠牲者の行動記録』のアイコンデザインを改修しました。亡くなった人々の『最後の行動』がアニメーションで再現されます。」

と投稿。デモ画面では、赤と水色の点が地図上を移動し、それぞれに該当者の名前や行動記録が紐づけられている様子が示された。

▼東日本大震災デジタルアーカイブ「忘れない 震災犠牲者の行動記録」

https://wasurenai.mapping.jp

 

1326人の避難行動を可視化 687人は氏名・行動も閲覧可能

アーカイブでは、2011年3月11日午後2時46分の地震発生時から津波襲来時まで、犠牲者がどこにいたのかを、立体的な航空写真や地図と組み合わせて表示している。

遺族への取材を通じて収集されたデータのうち、居場所が詳細に判明した1326人分を可視化。さらに、ご遺族の了解を得た687人については、氏名や当時の具体的な行動内容も閲覧できるという。

被災直後や1974~1978年の空中写真レイヤーには、国土地理院のタイルデータが活用されている。

岩手日報社はこれまで、震災犠牲者一人ひとりを紙面で紹介する「忘れない」プロジェクトや、防災連載「てんでんこ未来へ」を展開してきた。今回のアーカイブは、その集大成ともいえる試みだ。

 

「防災に役立つ」評価と「遺族はどう感じるのか」という声

SNS上では

「町の防災に役立つ素晴らしい取り組みだと思う。同じ過ちを二度と起こさないためにも必要」

といった肯定的な意見が寄せられる一方、

「犠牲者の最後の記録を公開することを、遺族は本当に望んでいるのか」

との疑問の声も上がっている。

ただし、アーカイブの「はじめに」ページには、「ご遺族の了解を得た犠牲者687人については、氏名と当時の行動も閲覧可能」と明記されており、公開にあたっては事前に遺族の承諾を得ているとされる。

 

犠牲者の最後を直視することの重さと、防災への責任

犠牲者の「最後の行動」が点となって地図上を動く光景は、冷静なデータでありながら、強い感情を呼び起こす。震災の記録を可視化することは、学術的・防災的意義が大きい一方で、見る側に重い問いを突きつける。

筆者も実際にサービスを利用しマップを閲覧したが、地震発生から津波の到達時刻が迫る中で、無数の点(つまり犠牲者の方々)が各々の方向へ動き回り、動画が進んでいく様子を見るのは非常に辛く、再生停止ボタンを押して目を背けてしまった。点をクリックすると表示される「家族を迎えに行くために〇〇へ向かっていた」などの行動内容も胸に刺さり、今の自分にはどうすることもできないやるせなさを感じた。

しかし、どんなに悲しんだところで日本列島は地震や津波が発生しやすい場所に位置しており、地形を変えることはできない。変えられるのは、私たち一人ひとりの行動だけだ。

直視することは辛くとも、過去のアーカイブデータから学び、避難の判断や初動対応をどうすべきかを考え続けること。それこそが、震災の教訓を未来へとつなぐ営みではないだろうか。

15年という時間は決して短くない。それでも、災害の記憶を風化させない努力は、今も続いている。

 

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ムーンサルト もも

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広告代理店勤務を経て、Webメディア運営会社での編集・記事制作を経験。現在はフリーランスのWebライターとして活動。ネットミーム愛好家。

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