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廃棄みかんが紡ぐ循環の色彩。サステナブルブランド「rrrrrrrrr」が挑む農家共創の服作り

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廃棄みかんが紡ぐ循環の色彩。サステナブルブランド「rrrrrrrrr」が挑む農家共創の服作り
提供:株式会社メルシー

「流行が過ぎれば商品の価値が下がる」という業界の不文律に、真っ向から異を唱える。福岡発のrrrrrrrrr(ナインアール)が実践するのは、農家と手を取り合い、廃棄果皮を染料へ変える「循環型共創」の形だ。

 

農家と共創する「hatake –LIFE COLOR-®」:廃棄果皮を染料に変えるアップサイクルの新境地

2026年1月8日、サステナブルファッションブランド「rrrrrrrrr(ナインアール)」は、循環型共創プロジェクト「hatake –LIFE COLOR-®」の最新作として、みかんの果皮と剪定枝を活用した「みかんスウェット」を発売する。

本プロジェクトは、メロン、桃に続く第3弾。今回は丸茂農園の協力のもと、これまで捨てられてきた果実の皮や枝をアップサイクルし、テキスタイルに新たな価値を与えた。発売に先駆け、2025年12月28日からはInstagramでのプレゼントキャンペーンも実施され、生活者を巻き込んだ資源循環のムーブメントを加速させている。

ハイブリッド染色の革新性:草木染めの「色落ち・工業化」の課題をどう克服したか

rrrrrrrrrが他社と決定的に異なるのは、情緒的な物語に頼るだけでなく、アパレル製品としての「実用性」を極限まで追求している点だ。

一般的に、天然染料のみを用いた草木染めは、色落ちや再現性の低さがネックとなり、商業ベースでの展開が難しい。しかし同社は、天然染料と化学染料を融合させる「ハイブリッド染色」を採用。草木染め特有の温かみのある発色を維持しながら、現代の衣服に求められる堅牢度を確保した。さらに、染料抽出後の残渣を堆肥化して畑へ戻すという、農業高校監修の完全循環システムを構築している点は、特筆に値する。

在庫ゼロを目指す「9つのR」:アパレル業界の大量廃棄問題を解決する受注生産と早割制度

 

同ブランドの背骨となっているのは、ブランド名にも冠された「9つのR」という哲学だ。

「流行が過ぎれば価値が下がる」という業界の不文律に対し、同社は受注生産を軸とした販売体制と、新作発売時に最も安価で購入できる「早割制度」を導入した。これは、衣類の価値を不当に下げないための合理的(Rational)な選択であり、過剰在庫を持たない持続可能なビジネスモデルの提示でもある。

ブランド関係者は「ファッションが生み出す優劣をなくしたい」と語る。それは、トレンドに翻弄される現代の消費行動へのアンチテーゼであり、一着の服と長く向き合う「Reset(リセット)」の提案に他ならない。

地方発サステナブルブランドの勝ち筋:地域資源を「文化の継承」へ昇華させるビジネスモデル

rrrrrrrrrの取り組みから学べるのは、地域資源を「ゴミ」ではなく「素材」として再定義する視点だ。

国内の縫製工場や生地メーカーと深く連携し、日本の技術力を次世代へつなぐハブとしての役割。そして、農家という異業種を巻き込み、経済的価値と環境的価値を両立させる共創の姿勢。これらは、停滞する日本のアパレル産業が再生するための極めて重要な示唆を含んでいる。

「わたしと未来を創る服」というコンセプトが示す通り、私たちがこのスウェットを手に取ることは、日本の農業を守り、伝統技術を支える循環の輪に加わることを意味する。みかんの色彩を纏うことは、持続可能な未来を選択することと同義なのである。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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