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不二家・山田憲典会長(90)が年末29日に「電撃辞任」 ヤマザキパン出身の重鎮、突然の幕引きの背景

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不二家、山田氏退任
不二家のプレスリリースより

2025年の仕事納めも過ぎた12月29日、製菓大手・不二家から一本のリリースが出された。代表取締役会長である山田憲典氏が、同日付で辞任したという内容だ。 理由は「一身上の都合」。90歳という高齢とはいえ、年末ギリギリのタイミングでの発表に、業界内では驚きとともに様々な観測が流れている。

 

ヤマザキパンの「大番頭」が去る

山田氏は、不二家の親会社である山崎製パンにおいて、創業家以外では異例の出世を遂げた人物として知られる。 1960年の山崎製パン入社以来、38年間にわたり同社役員を歴任。営業力を高く評価され、「大番頭」として実務を取り仕切り、デイリーヤマザキや東ハトなど、グループ企業の経営にも深く関与してきた。2007年の不祥事以降、経営再建が必要となった不二家に送り込まれ、会長として組織の立て直しを主導してきた経緯がある。

今回の辞任により、不二家の代表権を持つ役員は河村宣行社長のみとなる。長年、グループの「お目付役」として睨みを利かせてきた重鎮が去ることで、名実ともに経営のフェーズが変わることになる。

 

なぜ「12月29日」だったのか

単なる高齢による引退であれば、株主総会などの節目を選ぶのが通例だ。なぜ12月29日という、年の瀬も押し迫った月曜日だったのか。いくつかの要因が推察される。

決算期に合わせた「区切り」

最も実務的な理由は決算期だ。多くの企業が3月決算であるのに対し、不二家の決算は「12月31日」。12月29日は実質的な年度最終営業日にあたる。期が変わる直前に身を引くことで、翌期(2026年1月1日〜)からの新体制への移行を明確にする意図があったと見られる。

 

市場への影響を抑える「年末発表」

投資家やメディアの関心が薄れる年末の発表は、人事のインパクトを最小限に抑える際によく使われる手法だ。いわゆる「サイレント・クイット(静かなる退場)」を狙い、株価への動揺などを避けるための配慮が働いた可能性は高い。

健康面などの「突発的要因」の可能性

一方で、「一身上の都合」という文言と唐突な日程からは、健康面での急激な変化など、っぴきならない事情が生じた可能性も否定できない。90歳という年齢を考慮すれば、職務継続が困難となる何らかの事態が発生し、越年を待たずに辞任せざるを得なかったケースも考えられる。

 

今後の体制への影響

ヤマザキパンの最高顧問も務める実力者の退場は、親会社とのパイプ役がいなくなることも意味する。 再建の象徴だった山田氏が去った後、不二家がどのような舵取りを見せるのか。単なる世代交代か、それとも急変による緊急措置か。年明け以降の動向が注目される。

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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