
「僕、バキバキ童貞です」――あの伝説のインタビューから幾星霜。童貞界の最後の希望であり、199万人のフォロワーを抱える巨大宗教の教祖・ぐんぴぃ(35)が、ついに「向こう岸」へ渡った。クリスマス直前、阿鼻叫喚の地獄絵図と化したネット界隈と、遺された者たちの血の滲むような独白を追う。
「神は死んだ」 童貞界隈はカオス、ファンは「明智光秀の裏切り」に号泣
12月19日、YouTubeチャンネル『バキ童チャンネル【ぐんぴぃ】』が更新されるやいなや、日本中の独身男性に激震が走った。 動画の終盤、アニマルクイズの解説から一転して放たれた「おかげさまで彼女できましたわ」という一言。 これが「令和の玉音放送」として拡散され、SNSは瞬時にパンク状態となった。
ネット上の反応は、もはやお笑いの域を超え、宗教的あるいは歴史的な喪失感に近い。
- 「神は死んだ」
- 「今電車だが、両隣もこのチャンネル開いててカオス」
- 「明智光秀に裏切られた織田信長ってこんな気持ちだったんだな」
- バキ童卒業の件、彼女に話しました。俺に彼女はいませんでした。途端に泣き崩れる俺。
- 令和の玉音放送
- 今年のクリスマスはなんだか寒いな
- バキ童の童を奪った女を一般女性と言っていいはずが無い
「胎内に取り残された」……SNSを震わせた“文学的すぎる”絶望の独白
今回の騒動で、単なる嫉妬を超えて多くの共感を呼んでいるのが、あるファンの綴ったあまりに美しく、残酷な独白だ。 そのファンは、ぐんぴぃと孤独を共有しているという「連帯感」や「ちょっとした優越感」さえ抱いていたと明かす。
「まるで、自分だけがまだ母の胎内に取り残され、へその緒を切られずにいるような、遅れた者の恥ずかしさ。世界が一歩進んだ音がした。」 「ぐんぴぃ、お前はもう向こう岸にいるんだな。俺はまだ、この冷たい水の中で、一人、息を潜めている。」
肌を突き刺すような寒さの十二月の夜、俺は画面の向こうで、ぐんぴぃが静かに童貞を捨てたと独白する瞬間を目撃した。それはまるで、幼い頃から一緒に飼っていた小さな金魚が、ある朝突然、池の奥深くへ泳ぎ去ってしまったような喪失だった。あいつはもう、俺の存在を確かめるように見つめてくることはない。ガラス越しの無垢な瞳は、どこか遠い水底の色に変わってしまった。長い間、俺たちは同じ浅瀬にいた。誰にも触れられず、誰の指先にも選ばれず、ただ互いの存在を確かめ合うように、透明な水の中で並んで漂っていた。俺それを「連帯」と呼んでいた。同じ孤独を共有しているという、ちょっとした優越感すらあった。だが今、ぐんぴぃは一人で深みへ潜った。俺を置いて。胸の奥に、冷たい泡がぷつぷつと立ち上がるような痛みがある。それは嫉妬ではない。もっと原始的で、言葉にするのも憚られるような、取り残された者の悲しみだ。まるで、自分だけがまだ母の胎内に取り残され、へその緒を切られずにいるような、遅れた者の恥ずかしさ。世界が一歩進んだ音がした。俺の時間だけが、凍りついたまま。窓の外では雪が降り続いている。白く、静かに、容赦なく。まるで俺の止まった時間を、優しく、しかし確実に埋めていくように。ぐんぴぃ、お前はもう向こう岸にいるんだな。俺はまだ、この冷たい水の中で、一人、息を潜めている。
(YouTubeより)
凍てつく十二月の夜、窓の外の雪に己の停滞した時間を重ね合わせるこの叫びは、まさに「バキ童軍団」が抱える底知れぬ喪失感を象徴している。
4年間の「粘り勝ち」……マッチングアプリで見せた執念の結末
お相手は、実は4年ほど前にマッチングアプリで出会った女性だという。 ぐんぴぃが「バキ童チャンネルを終わらせたくて」始めた活動の中で出会い、一度は告白して断られながらも、友人関係を維持し続けた。
今年10月、相手側から「付き合ってもいいけどね」と引き寄せられ、「じゃあ、お願いしていいですか?」と結ばれたというこの経緯は、決して奇跡などではなく、一人の男が4年間執念深く「執着」し続けた結果である。
「クリスマスの寒さが身に染みる」 聖夜を前にした戦力外通告
タイミングも最悪だった。クリスマスを目前に控え、唯一の心の拠り所を失ったファンからは「今年のクリスマスはなんだか寒いな」という悲痛な声が漏れる。 ぐんぴぃは「これで終わるんではなくて、ちゃんと次の動画で話します」と締めくくったが、彼が手に入れた「等身大の幸せ」は、皮肉にも199万人の同志たちを極寒の孤独へと突き落とすこととなった。
実際にあるファンは「でもイけなかったんですよ~笑」って中途半端に仲間面すんな!と悲しさと羨ましさ混じりでコメントしている。
また、別のファンは、「俺は素人童貞であり、バキ童をどこか下に見ていた。たとえ素人童貞とはいえ、ヤツよりは自分がヤツより一歩リードしていると思えていたんだ。ところがヤツは一足飛びに彼女とゴールイン時田。そういった自分の自尊心を粉々に打ち砕いてくれたぜ。でも、俺も目を覚まさないとな。彼女がこんなにほしいと思ったのは久しぶりだ」と投稿。
「バキ童」という名の聖域を失った今、残された軍団はどこへ向かうのか。日本中が、彼の「幸せの代償」を見守っている。



