
公共インフラを担う株式会社マモルが、地震被害を受けたフィリピン・セブ島へ作業着を寄付した。社員の発案から生まれた支援は、同社が掲げる「当たり前を守る」哲学の象徴となった。
セブ島地震の被災地へ作業着を届けたマモルの現場発支援
株式会社マモルが、フィリピン・セブ島で発生した地震の被災地へ作業着30着を寄付した。支援はNPO法人DAREDEMO HEROを通じて現地に届けられ、復旧作業での活用が期待されている。
寄付を受けた地域では住民や子どもたちが手作りの横断幕を掲げ、同社に向けて温かい感謝のメッセージを送った。海を挟んだ地域同士の間に、確かなつながりが生まれた瞬間だった。
社員のアイデアが動かした実効性ある寄付 “建設企業ならでは”の独自性
今回の支援は、マモルが社内で行う「アルコールブレスト会議」で生まれた社員の提案が起点となった。作業着は建設業の日常を支える道具であり、災害現場ではとりわけ価値を持つ。
寄付の背景には、現場で働く社員が「遠くの被災地にも自分たちの経験が役立つのではないか」と考えた素朴な思いがある。トップダウンではなく、現場の声を拾い上げる企業文化が、実効性のある国際支援を形づくった。
“当たり前を守る”という哲学が国境を越えた理由
マモルが掲げる理念は、「当たり前を守る」という非常にシンプルでありながら重みのある言葉だ。道路や上下水道といった生活基盤を支える同社にとって、この理念は日常業務の背骨でもある。
災害が起きれば、最初に必要とされるのは生活を立て直す復旧作業であり、その作業を支えるのが作業着だ。セブ島への寄付は、こうした企業の本質的な役割が国境を越えて拡張したかたちでもある。
代表の新舘豊晃氏は「社員の想いが遠くの誰かの力になるという事実が何よりの励みになる」と語り、企業文化として育んできた価値観が今回の支援を後押ししたことを強調した。
中小企業でもできる国際支援という“リアルなモデル”
マモルの取り組みは、国際支援は大企業だけのものという固定観念を覆す。大きな予算や華々しいプロジェクトでなくても、現場の経験や自社の資産を活かせば、被災地の力になる取り組みは成立する。
社員のアイデアを素直に拾い上げ、それを実行できる柔軟な企業体制は、サステナビリティを推進する企業が学ぶべき点だろう。地域に根差した中小企業が国際支援に踏み出すことは、地域と世界を結ぶ新たな橋となり、今後の社会貢献のあり方に示唆を与える。



