
人気グループ・TOKIOの元メンバーでタレントの国分太一(51)が、日本テレビの対応を「人権侵害」として日本弁護士連合会(日弁連)に人権救済を申し立てた。
突然の活動休止から4か月。沈黙を守り続けてきた国分が、ついに反撃に転じた形だ。
一方の日テレは「本人がコンプライアンス違反を認めていた」と強く反論。両者の主張が真っ向から食い違う中、ネット上では「何をもって降板に至ったのか」と疑問の声が相次いでいる。
真実はどちらにあるのか——。長年“誠実さ”を代名詞としてきた国分の新たな戦いが、波紋を広げている。
突然の活動休止から4か月 沈黙破った国分太一
元TOKIOの国分太一が、日本テレビの対応に瑕疵(かし)があったとして日弁連に人権救済を申し立てた。10月23日午後、代理人弁護士が都内で会見を開き、経緯を説明した。
代理人は「国分さんは深く反省の日々を過ごしている」としながらも、「謝罪すら許されていない」と明かした。
「本人は“自分がなにをもって降板させられたのか”が分からないまま、謝罪もできずにいる。日テレ側から“プライバシー保護のため事案を公表しないように”と求められたため、反論も封じられている状況だ」と語った。
降板の余波でTOKIO解散 「信頼回復は難しい」との決断
今年6月20日、国分に「コンプライアンス違反」があったとして、所属事務所が無期限の活動休止を発表。
同日、日本テレビは会見を開き、『ザ!鉄腕!DASH!!』からの降板を発表した。
福田博之社長は「過去に複数の問題が確認された」と述べつつ、刑事事件には至らないと説明。詳細は「関係者のプライバシー」を理由に伏せられた。
発表を受けて他局のレギュラー番組も放送休止や出演見合わせに。
さらに6月25日には、TOKIOが「信頼をいただくことは難しい」として解散と株式会社TOKIOの廃業を発表。
結成から約30年にわたり続いたグループが、突如として幕を閉じた。
国分側の主張「自分が何をしたのか分からない」 謝罪の機会も奪われ
国分の申立書によれば、問題の核心は「処分理由の不明確さ」にある。
降板や活動休止の根拠となった具体的な事実が告知されず、弁明や謝罪の機会も与えられなかったという。
代理人は会見で、「本人は“どんな発言や行動が問題視されたのか”を知らされていないまま社会的信用を失った」と説明。
その結果、スポンサー契約の解除や他番組の降板といった重大な損害を被ったと主張した。
「本人は対立を望んでおらず、“自分が何を間違えたのか、その答え合わせをしてほしい”という思いだけだ」と語った。
日テレの反論「本人も違反を認めた」 対応の正当性を主張
これに対し、日本テレビは同日夜、公式コメントを発表した。
「代理人弁護士が協議の最中に一方的に情報を公表したことは誠に遺憾であり、強く抗議する」との声明で始まり、国分の主張に真っ向から反論した。
同局は「国分氏へのヒアリングは本人の了承を得て行われ、国分氏自身もコンプライアンス違反に該当する行為を認め、降板を了承した」と説明。
また、「関係者のプライバシー保護を最優先にしており、事案の内容を明らかにすれば、関係者が特定され誹謗中傷を受けるおそれがある」と非公表の正当性を主張した。
さらに、「申立書にある“ヒアリング前に降板を決定していた”との記述は事実誤認であり、手続きの適正性に疑義を生じさせる誤った内容だ」と指摘。
日テレが9月に公表したガバナンス評価委員会の意見書も「事案に即した適切な対応」と評価しており、同局は一貫して手続きの正当性を強調している。
世論は二分 「説明不足」vs「反省の矛盾」
SNS上では《日テレの説明不足では》《なぜ本人に説明がないのか》と疑問の声があがる一方で、
《ピンときてないのに反省している?》《そもそも素行に問題があったのでは》と、国分側に疑念を向ける声も少なくない。
世論は完全に二分している。
芸能関係者はこう分析する。
「国分さんの行為の内容が伏せられたままでは、世間は判断できません。日テレが守る“プライバシー”と、国分さんの“説明を受ける権利”のどちらを優先するか——今回の問題は、メディアの倫理そのものを問うものになっています」
「真実は如何に」 問われる説明責任と信頼の再構築
今回の人権救済申し立ては、法的拘束力こそないが、テレビ局の説明責任やコンプライアンス運用を問い直す意味を持つ。
もし国分側の主張が一部でも認められれば、日テレの手続きや判断プロセスが再検証される可能性もある。
誠実なイメージで長年愛されてきた国分太一。
そして「公正な報道機関」を標榜する日本テレビ。
両者の信念がぶつかるなか、真実はどこにあるのか——。
沈黙の壁を越えて語られる“答え”が、いま注目されている。