ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

辻希美「41℃ミルク作り」がプチ炎上、日々変わる育児常識の今昔変遷を追う

コラム&ニュース コラム ニュース
リンクをコピー
tsujinozomi
辻希美Instagramより

人気タレント辻希美の「41℃ミルク作り」炎上を契機に、正しい粉ミルク調乳法と殺菌リスク、さらに昔と今で大きく変わった子育て常識を解説。祖父母世代とのギャップや育児知識のアップデートの重要性を考える。

辻希美の「41℃ミルク作り」に疑問の声

人気タレントの辻希美が、第五子の育児の様子を紹介するYoutube動画内で、粉ミルクを約41℃のお湯でとかしていると明かした。これに対しネット上では、「粉ミルクは70℃以上で作らないと粉ミルクの菌を殺菌できない」「子どものためにそういう事はちゃんと調べた方がいいよ」といった声が相次いだ。
SNSの声が届いたのか、辻はInstagramのストーリーズで「湯沸かし器の設定温度を71℃に変更した」と投稿したが、一時プチ炎上状態となった。

 

粉ミルクは「70℃以上」で殺菌が必須、ただ一昔前は熱湯は非推奨だった

厚生労働省やWHOは、粉ミルクの調乳に一度沸騰させた70℃以上のお湯を使用することを推奨している。粉ミルクは完全な無菌食品ではなく、以下のようなリスクが存在するからである。40℃程度のお湯では殺菌できず、特に免疫の弱い新生児や乳児に深刻な健康被害をもたらす可能性がある。
サルモネラ菌:下痢、発熱、重症化すれば敗血症
クロノバクター(旧エンテロバクター):新生児の髄膜炎や敗血症を引き起こす危険

具体的なミルクの調乳手順は以下のとおりだ。
【1】粉ミルクを70℃以上のお湯でとく
【2】湯冷まし(沸騰させた後に冷ました水)で【1】を割る、または冷たい水が入った容器などに哺乳瓶を入れて人肌(約40℃)まで冷ます
※ちなみに「い・ろ・は・す」、「サントリー森の天然水」は、ミルク用に湯冷ましの代わりに使用できるとメーカーが発表している。湯冷ましは、雑菌繁殖を防ぐために24時間以内に使い切るべきとされているので、湯冷ましの作成・管理が負担になっている方はこのような市販の水を利用するのも良いだろう。

ただ、ひと昔前には「粉ミルクに熱湯を使うとビタミンが壊れる」などという説がまことしやかに囁かれ、熱湯は使うべきではないという風潮があった。辻の場合も、もしかすると過去の子育てから変わった情報を単に知らなかったという可能性がある。医学的研究やメーカーの技術開発などによって「子育ての常識」は常に変わっていくため、自身の情報のアップデートが必要だ。

 

昔と今の「赤ちゃん子育て常識」の変化

子育てには「昔は良いとされていたこと」が、医学の進歩やメーカーの技術開発などによって変化したり、真逆のことが推奨されることが多々ある。乳幼児のケアをめぐる常識は、以下のように大きく変化してきた。

内容昔の常識今の常識
寝かせ方うつ伏せ寝で頭の形を整える仰向け寝で乳幼児突然死症候群(SIDS)予防
窒息防止のため、枕や柔らかい布団も非推奨
母乳とミルク母乳より粉ミルクが栄養バランスが良いとされ、ミルク推奨免疫面や心理的な絆の形成のため母乳を基本に、ミルク併用可
物品の消毒方法煮沸消毒・薬液消毒・電子レンジ消毒の3種類煮沸消毒・薬剤消毒の2種類
(電子レンジ消毒は発火や破裂、やけどのリスクがあるため)
抱っこ「抱き癖がつく」として泣いてもすぐ抱かない方がよい安心感や情緒安定のため積極的に抱く
離乳食開始3〜4か月から、果汁・スープから開始消化機能やアレルギーの観点で5〜6か月から開始、果汁の早期導入は不要
沐浴毎日でなくてもよい、湯で流す程度でもよいベビーソープを使った毎日の沐浴と保湿で皮膚を守る
日光浴直射日光を浴びることが健康に良い熱中症・紫外線リスクを避けつつ外気浴中心
白湯母乳・ミルクだけでは水分不足とされ、積極的に与える母乳・ミルクの水分で十分なため、不要
おむつ替え布おむつ中心、「濡れて気持ち悪い方がおむつ卒業が早い」との説で多少濡れてもそのまま紙おむつでこまめに交換し、清潔に保つ
トイレトレーニング1歳半頃から、おむつを早く外すことが「しつけ」とされる2歳半〜3歳頃を目安に本人の発達に合わせて
アレルギー食材の与え方アレルギー食材はできるだけ遅く与える早期に少量から導入する方が予防につながるため、医師の指導のもと離乳食の段階で慎重に導入
 

すでに子育てを終えた世代と現役世代とのギャップ

こうした変化は、祖父母世代や先輩パパママとの間で意見の食い違いを生むことも少なくない。かつては合理的とされた育児法が、今ではリスク要因とされることもある。今回の辻のケースは、子育て情報のアップデートがいかに重要かを改めて示す出来事でもあったと言える。

 

日々変わる子育て新常識へのアップデートが必須

育児法に「絶対の正解」はないが、科学的にリスクが明らかになった習慣は見直されている。SNSでの炎上も、正しい情報を共有する契機とすべきだろう。
大切なのは「自分が知っている情報と違うから間違っている」と決めつけるのではなく、科学的根拠に基づいた最新の知識を柔軟に取り入れることだ。今回のミルク調乳をめぐる炎上も、育児世代と社会全体が情報を共有し、正しい方法を広めるきっかけとなることが望まれる。

 

Tags

ライター:

ライターアイコン

ムーンサルト もも

> このライターの記事一覧

広告代理店勤務を経て、Webメディア運営会社での編集・記事制作を経験。現在はフリーランスのWebライターとして活動。ネットミーム愛好家。

関連記事

タグ

To Top