元マネージャー逮捕で揺らぐ「333(ササミ)」

なかやまきんに君が率いる個人事務所「333」を舞台に、元マネージャーの飯尾雄一容疑者による資金流用疑惑が表面化した。『現代ビジネス』によれば、出資者らは飯尾容疑者が持ちかけた事業に資金を投じたものの、彼が昨年5月に失踪。返金されないまま訴訟に踏み切り、その金額は総額1億6000万円に達した。
事務所代表のきんに君が「使用者責任」を問われる可能性が焦点となっている。
浮上する「ドケチ伝説」と待遇問題
飯尾容疑者は周囲に「きんに君はケチで困る」と漏らしていたと関係者は証言する。年商5〜6億円とされるなかやまきんに君の活動に対し、飯尾容疑者の月給は35万円程度にとどまっていたという。待遇に不満を抱いた元マネージャーが、副業に手を出す「予兆」となった可能性もある。
被害者にとっては、きんに君の金銭感覚が事件の背景に影を落としていたのではないかという疑念が募る。
法廷に響く「どーなんだい?」
きんに君は飯尾容疑者の失踪後、補填を促す声に応じず、被害者との連絡を絶ったとされる。マクドナルドのイベント出演を急遽キャンセルした昨年の騒動と異なり、今回はケンタッキーのPRイベントに登場するなど活動を継続している。しかし、巨額訴訟という現実の舞台では、芸の持ちネタをもじって、そのままに「詐欺なのか?詐欺じゃないのか?どーなんだい?」という問いが突き付けられることになる。
個人事務所にのしかかる「使用者責任」
今回の事件は、芸能人の個人事務所という組織の脆さを浮き彫りにした。吉本興業を独立した後、きんに君は少数のスタッフ体制で事務所を運営していたが、その管理の手薄さが不正を見逃す要因となった可能性がある。
法律上、個人事務所の代表者は従業員の不法行為に対し「使用者責任」を問われ得る。過去にはタレント事務所のマネージャーが契約トラブルを起こし、芸能人本人が法廷に立たされた事例もあり、きんに君にとっても前例に倣う形で法的責任が焦点化する可能性が高い。
マネジメント業界の構造的リスク
芸能人が独立後に直面する課題の一つが、人材選びと管理体制の脆弱さだ。大手事務所に比べて監視機能が弱く、信頼関係だけで動く組織になりやすい。その結果、スタッフの暴走や資金トラブルが表面化したとき、本人のブランド価値を直撃する。
「さらば青春の光」の事務所のようにマネージャーに高率のマージンを与えるスタイルもあるが、きんに君の場合は真逆で、厳格な金銭管理が逆に歪みを生んだともいえる。
揶揄と同情が入り混じるSNSの反応
SNS上では、「全てを手に入れたきんに君、全てを失ってしまうのか」と危機的状況を皮肉る声もあれば、「筋肉ドケチなのかい?どうなんだい?」と持ちネタをもじって笑い飛ばす投稿も見られる。
「被害額全額を預かってるならともかく、少しでも支払ったら全部を肩代わりするはめになる」と冷静に法的責任の線引きを求める意見もあり、「きんに君も被害者ではないか」と同情する声も少なくない。「さらばの事務所のマネなら33%ももらえるのに」「やばい団体の広告塔はさすがにだめだ」と待遇や広告出演の是非に言及する投稿も目立った。
中には「別にケチは責められるようなことじゃない」とする意見や、「パワー!」とお決まりのフレーズで茶化す声まで飛び交い、深刻な事態でありながらも、ネット世論は揶揄と擁護が入り混じった複雑な様相を呈している。