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築野グループ株式会社

https://www.tsuno.co.jp/

和歌山県伊都郡かつらぎ町新田94

米ぬか由来のスキンケア 築野グループ「イナホ」の肌本来の美しさを引き出す力と科学的根拠

ステークホルダーVOICE 社員・家族
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築野食品広報
取材に応じてくれた築野グループ広報の方たち

戦後間もない1947年に創業した築野グループ(和歌山県かつらぎ町)は、精麦業からスタートし、米ぬかを原料としたこめ油製造で成長を遂げてきた。現在では食品、化学、医療、化粧品と幅広い分野で事業を展開し、特に化粧品ブランド「イナホ(inaho)」が注目を集めている。

今回は、築野グループの経営企画部長である築野靖子氏、広報の木下碧氏、嶋田歩果氏に話を聞いた。イナホ誕生の経緯や開発へのこだわり、そして今後の展望について詳しく伺った。

イナホの誕生とこだわり

——「イナホ」ブランドが生まれた経緯について教えてください。

築野靖子
築野靖子さん

築野靖子氏(以下、築野):築野食品はもともと、こめ油製造の過程で発生する副産物の有効活用を進めてきました。1970年代には、米ぬか由来の成分「イノシトール」の製造を開始し、食品や医薬品の原料として供給していました。しかし、1990年代に中国から安価なイノシトールが流入し、市場競争が激化しました。そこで、弊社独自の米ぬか由来成分を活かした新たな可能性を模索し、1998年に国際シンポジウムを開催。その際に米ぬか由来の化粧品サンプルを配布したところ、高評価を得たのが「イナホ」開発のきっかけです。

嶋田歩果さん
嶋田歩果さん

嶋田歩果氏(以下、嶋田):当時は化粧品市場において、天然由来成分への関心が高まりつつありました。そんな中で、米ぬかに含まれる保湿成分や抗酸化成分の可能性に注目し、化粧品開発の道を模索していました。

——「イナホ」の特徴について教えてください。

築野:「イナホ」は、米ぬか由来の保湿成分「イノシトール」 など米ぬか由来美容成分を高濃度に配合した化粧品ブランドです。一般的な化粧品では成分の 配合量が低く抑えられることも多いですが、「イナホ」の化粧水では水に次ぐ成分としてイノシトールが多く配合しています。これは、原料メーカーである弊社だからこそ実現できる配合バランスです。

また、全製品において鉱物油、合成着色料、アルコールなどを使用せず、肌への優しさを追求しています。シンプルながらも高機能なスキンケア製品を目指し、研究開発を重ねてきました。

木下碧さん
木下碧さん

木下碧氏(以下、木下):イノシトールは食品の世界でも重要な成分です。特に赤ちゃんの粉ミルクに配合されることがあり 、細胞の健康維持に関わる栄養素として知られています。そうした安全性の高い成分をスキンケアに応用することで、肌にも優しく、安心して使える製品が実現できました。

科学的根拠に基づく製品開発

——研究開発の取り組みについて詳しく教えてください。

inaho
inaho

築野:2020年8月に和歌山県に研究施設を設立し、細胞実験や臨床試験を通じて、米ぬか由来成分の効果を検証しています。

例えば、イノシトールがコラーゲン生成にどのような影響を与えるか、抗酸化作用がどれほどの持続力を持つかなど、科学的根拠を確立しながら製品開発を行っています。こうした取り組みは、皮膚科医や美容の専門家からも高く評価されており、イノシトールの可能性については、次のようなコメントが寄せられています。

「古来、人々の美を守り続けてきた米ぬかは、肌に優しく洗顔料や化粧品として長い間使われ続けてきたんです。現代では科学の発達により成分の一つ一つが分析され、スキンケア原料として、その良さが科学的裏付けをもって証明されています。そして、米が発芽して生きるための機能を、人の皮膚の細胞が美しく生きるためのバイオミメティックスとして活かし製品化しています。

築野食品工業は肌に優しいスキンケア原料として米ぬかにいち早く注目し、新たな科学的評価を行ってきたパイオニアです。これからも技術の革新と共に築野食品工業だからこそできる米ぬかの良さを活かした化粧品づくりに期待しています。」

——販売戦略についてはどのように考えていますか?

築野:「イナホ」はオンライン販売を中心に展開していますが、最近では米ぬか酵素風呂やナチュラル志向のサロンでの取り扱いが増えています。また、JA(農業協同組合)とも提携し、こめ油と同じルートでの販売を進めることで、米ぬかの価値をより多くの方に知ってもらう機会を広げています。

嶋田:こめ油と同様に、イナホもナチュラルな製品を求める層に支持されています。特に、環境意識の高い消費者やナチュラル志向のある方々に向けて、丁寧なプロモーションを行っています。

未来への展望

——今後の展開について教えてください。

築野:米ぬかにはまだ多くの可能性が秘められています。現在は新しい成分の研究開発を進めており、より効果的なスキンケア製品の開発に取り組んでいます。また、サステナブルな事業運営にも力を入れ、環境に優しい製品づくりを推進していきます。

木下:研究が進むにつれて、新たな機能性成分の可能性も見えてきています。例えば、米ぬかに含まれる特定のポリフェノール成分が肌のバリア機能を向上させる可能性があり、今後の製品開発に活かしていく予定です。

——最後に、読者へのメッセージをお願いします。

築野:米ぬかは、かつて限定された用途しかなかった素材ですが、健康や美容に役立つ貴重な成分を多く含んでいます。私たちはこれからも米ぬかの可能性を最大限に引き出し、新たな価値を提供していきます。ぜひ、「イナホ」を通じてその魅力を感じていただけたら嬉しいです。

——本日はありがとうございました。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。株式会社東洋経済新報社ビジネスプロモーション局兼務。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。 連載:日経MJ・日本経済新聞電子版『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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