アルミ建材・電力・ローカル物流がけん引、モノづくり県の今を映す

北陸新幹線の全線開業を控え、富山県内では電力・非鉄金属・機械電子・流通などさまざまな産業が併存する。
本稿は決算短信・官報公告など一次資料だけを突合し、売上(銀行は経常収益)順に並べた最新ランキングだ。
15 位 富山銀行〈高岡市〉 経常収益 101 億円〈2024/3〉
名門ポイント:地域に根ざした堅実な地方銀行
富山銀行(The Bank of Toyama, Ltd.)は、1954年2月1日に「富山産業銀行」として設立され、1967年に現行の名称へと変更された。県西部を主力地盤とする第二地銀。本店は富山県高岡市下関町3番1号に位置し、地域密着型の金融機関として長年にわたり北陸地方の経済を支えてきた。同行は、預金業務、貸出業務、有価証券売買業務・投資業務、為替業務などの総合金融サービスを提供しており、2024年9月30日時点での預金残高は5,104億円、貸出金残高は3,795億円に達している。
また、富山リース株式会社や富山保証サービス株式会社などの子会社を通じて、リース業務や保証業務などの関連サービスも展開している。 2019年11月には、本店ビルを新築・移転し、最新の設備と快適な環境を備えた新本店での営業を開始した。富山銀行は、地域経済の発展に貢献することを使命とし、今後も地域社会との連携を深めながら、持続可能な成長を目指している。
14 位 立山科学グループ〈富山市〉 売上 357 億円〈2024/3〉
名門ポイント:立山科学グループは、1958年に創業された富山県富山市に本社を置く技術開発型企業グループである。代表会社である立山科学株式会社を中心に、国内8社、海外3社の計11社で構成され、電子部品、電子機器、産業用自動生産設備、金属部品加工、ソフトウェア開発・サービスなど、多岐にわたる事業を展開している。 同グループの事業は、以下の5つの主要分野に分類される。
- 電子部品事業:チップ抵抗器や温度センサーなどの電子部品の設計・開発・製造を行い、特にガスコンロ用温度センサーでは国内トップシェアを誇る。
- 電子機器事業:無線応用機器やRFID装置などの開発・製造・販売を手がけ、医療や産業分野での活用が進んでいる。
- FA(Factory Automation)事業:産業用自動生産設備の設計・製造を行い、工場の自動化・省力化に貢献している。
- 金属部品事業:精密部品の加工・製造を行い、半導体製造装置や液晶製造装置などの分野で高い評価を得ている。
- IT・サービス事業:各種ソフトウェアの開発・販売や、見守りサービスなどの提供を通じて、安心・安全な社会の実現に寄与している。
2024年3月時点でのグループ全体の売上高は357億円、従業員数は1,263名にのぼる。 また、富山、東京、大阪、名古屋の国内拠点に加え、マレーシア、ハンガリー、香港、タイなどの海外拠点を有し、グローバルな事業展開を進めている。立山科学グループは、「社会の発展に貢献する」「常に半歩先の未来を実現する」という経営理念のもと、地域に根ざした企業活動を展開しつつ、先進的な技術開発とグローバルな事業展開を通じて、持続可能な社会の実現に貢献している。29社でセンサーや医療計測機器を製造。2024年環境の任意開示データブックでは2030年度には2021年比でCO2を42 %削減目標を宣言。
13 位 富山第一銀行〈富山市〉 経常収益 386 億円〈2024/3〉
名門ポイント:富山第一銀行(The First Bank of Toyama, Ltd.)は、1944年10月1日に富山合同無尽株式会社として設立され、1951年に富山相互銀行へ、1989年には普通銀行への転換に伴い現行の名称に変更された。本店は富山市西町5番1号に所在し、2024年10月1日に創立80周年を迎える。同行は、富山県を中心に、石川県、新潟県、岐阜県、東京都、大阪府に店舗を展開し、2024年3月末時点での店舗数は66店(インターネット支店を含む)にのぼる。総資産は1兆5,644億円、預金残高は1兆3,203億円、貸出金残高は9,983億円であり、地域密着型の金融機関として堅実な経営を続けている。
2015年には、富山市の再開発ビル「TOYAMAキラリ」内に本店を移転。建築設計は隈研吾建築都市設計事務所が手がけ、富山県の名産である高岡ガラスを使用した外観が特徴的である。また、行員が部門を超えて交流しやすい開放的な空間設計が施されている。
近年では、デジタル技術を活用した非対面取引の拡充に注力しており、ローン受付業務のデジタル化により、申し込みから実行までの期間を最短10営業日に短縮するなど、業務効率化と顧客満足度の向上を図っている。富山第一銀行は、「地域とともに。さらなる信認、さらなる進化を。」を経営理念に掲げ、地域経済の発展に貢献する名門企業としての地位を確立している。
12 位 北陸コカ・コーラボトリング〈高岡市〉 売上 390 億円〈2024/12〉
名門ポイント:北陸コカ・コーラボトリング株式会社は、1962年に富山県砺波市で設立され、翌年に日本コカ・コーラとの契約を締結し、富山県、石川県、福井県、長野県を販売エリアとする清涼飲料の製造・販売を開始した。本社は富山県高岡市内島に所在し、2024年の売上高は約390億円、従業員数は343名にのぼる。
同社は、コカ・コーラ、ジョージア、アクエリアス、爽健美茶、い・ろ・は・すなど多彩なブランドを取り扱い、地域に密着した営業活動を展開している。また、1999年には長野コカ・コーラボトリングと合併し、事業基盤を拡大した。 環境保全や地域貢献にも積極的で、リサイクル活動やSDGsへの取り組みを推進している。工場見学や地域イベントの開催を通じて、地域社会との連携を深めている。
11 位 北陸電気工業〈富山市〉 売上 408 億円〈2024/3〉
名門ポイント:北陸電気工業株式会社(HOKURIKU ELECTRIC INDUSTRY CO., LTD.)は、1943年に創業された富山県富山市に本社を置く電子部品メーカーである。主力製品は、抵抗器、センサ、モジュール製品、プリント基板など多岐にわたり、特に車載用モジュール製品や各種センサの開発・製造に強みを持つ。同社は、国内外に製造・販売拠点を展開し、グローバルな事業展開を進めている。
2024年3月期の連結売上高は408億1,100万円、連結従業員数は1,887名であり、堅実な経営基盤を築いている。また、東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、資本金は52億円である。同社は、「世の中にないものを生み出す」という理念のもと、環境発電技術などの先進的な研究開発にも注力している。北陸電気工業は、長年にわたり電子部品業界で高い評価を得ており、地域経済の発展にも貢献する名門企業としての地位を確立している。
10 位 北陸電気工事〈富山市〉 売上 574 億円〈2025/3〉
名門ポイント:北陸電気工事株式会社(HOKURIKU ELECTRICAL CONSTRUCTION CO., LTD.)は、1944年10月1日に設立され、富山県富山市小中269番地に本社を構える、北陸電力グループの中核企業である。同社は、電気設備工事、空調管工事、通信工事、土木工事、再生可能エネルギー関連工事など、幅広い分野で事業を展開している。2024年4月1日現在、従業員数は1,313名であり、資本金は33億2,869万8,880円。東京証券取引所プライム市場に上場しており(証券コード:1930)、堅実な経営基盤を築いている。
同社は、北陸地域を中心に、内線工事、空調管工事、配電線工事、送変電工事、通信工事・土木工事、再生可能エネルギー・燃料転換など、多岐にわたる工事を手がけている。また、技術者の育成にも力を入れており、多数の有資格者を擁している。
北陸電気工事は、地域社会の発展に貢献することを使命とし、安全・安心な社会インフラの構築に取り組んでいる。また、SDGs(持続可能な開発目標)への対応や、女性の活躍推進など、社会的責任を果たす企業としての取り組みも積極的に行っている。
9 位 ゴールドウイン〈小矢部市〉 売上 1,269 億円〈2024/3〉
名門ポイント:株式会社ゴールドウインは、1950年に富山県小矢部市で創業されたスポーツアパレルメーカーである。当初は「津沢メリヤス製造所」として設立され、1963年に現社名へと変更された。「ゴールドウイン」という社名は、オリンピックでの日本選手の勝利(金メダル)を願って命名されたものである。同社は、アウトドアブランド「THE NORTH FACE」や「HELLY HANSEN」、「ellesse」などのライセンスを取得し、製品の企画・製造・販売を手がけている。また、オリジナルブランド「Goldwin」を展開し、スキーウェアをはじめとする高機能なスポーツアパレルを提供している。これらの製品は、国内外のトップアスリートから一般のスポーツ愛好家まで幅広い層に支持されている。
環境への配慮も重視しており、バイオベンチャー企業Spiberと共同で、構造タンパク質「ブリュード・プロテイン™」を使用した製品の開発に取り組んでいる。また、製品のリサイクルやリペアを推奨するなど、循環型のものづくりを推進している。
2024年3月末時点でのグループ従業員数は2,997名、資本金は70億7,900万円である。本社は東京都港区北青山に置かれ、富山県小矢部市には本店が所在する。同社は、東京証券取引所プライム市場に上場しており、堅実な経営基盤を築いている。近年は任意開示データブックとして開示した統合報告書のデザイン性が高く評価され、多くの企業の参考になっている。
8 位 日医工〈富山市〉 売上 1,253 億円〈2024/3〉
名門ポイント:日医工株式会社(Nichi-Iko Pharmaceutical Co., Ltd.)は、ジェネリック医薬品大手。民事再生中ながら注射剤に集中し再建を進行。富山第一工場の3ラインで国内供給を維持。1965年に富山県富山市で設立された医薬品メーカーである。主にジェネリック医薬品の製造・販売を手がけ、国内外に広く展開している。同社は、国内6工場と協力工場で製造された867品目の医療用医薬品を取り扱い、高い品質基準を満たした製品を安定供給する体制を構築している。
2024年3月末時点での連結売上収益は1,253億円、連結従業員数は2,258名である。
7 位 川田テクノロジーズ〈富山市〉 売上 1,291 億円〈2024/3〉
名門ポイント:川田テクノロジーズ株式会社(KAWADA TECHNOLOGIES, INC.)は、2009年に設立されたKTI川田グループの持株会社であり、東京都北区滝野川と富山県南砺市に本社を構える。同社は、グループ全体の経営計画・管理を担い、橋梁、鉄構、建築、土木、ソリューションといった多岐にわたる事業分野で付加価値を創造し、社会に安心で快適な生活を提供している。
同社の中核事業である鋼製橋梁の設計・製作・架設・据付においては、明石海峡大橋をはじめとする長大吊橋の建設実績を有し、国内外で高い評価を得ている。また、建築鉄骨の製作やシステム建築、土木建設関連ソフトウェアの開発など、多岐にわたる分野で事業を展開している。
グループ会社には、橋梁メーカーの川田工業株式会社や、建設事業を担う川田建設株式会社、ソフトウェア開発を手がける川田テクノシステム株式会社、ロボティクス事業を展開するカワダロボティクス株式会社などがあり、各社が連携してグループ全体のシナジーを高めている。
2024年9月30日現在、連結従業員数は2,447名、資本金は53億7,498万9,500円であり、東京証券取引所プライム市場に上場している。
6 位 トナミホールディングス〈高岡市〉 売上 1,420 億円〈2024/3〉
名門ポイント:トナミホールディングス株式会社は、富山県高岡市に本社を置く総合物流企業である。1943年に「礪波運輸株式会社」として創業し、1952年に本社を高岡市へ移転、1962年に「トナミ運輸株式会社」へ商号変更した。2008年には持株会社体制へ移行し、現在の社名となった。同社は、全国規模の物流ネットワークを有し、特積み(特別積合せ貨物運送)や倉庫業、航空貨物、国際物流、引越事業など多岐にわたるサービスを展開している。また、情報処理や販売事業も手がけ、グループ全体で42社を擁する「オールトナミグループ」として事業を推進している。
2025年4月、日本郵便がトナミホールディングスに対する株式公開買い付け(TOB)を実施し、約87%の株式を取得してTOBが成立した。これにより、トナミホールディングスは日本郵便と創業家、経営陣が出資する会社の完全子会社となり、上場廃止が予定されている。この動きは、短期的な利益を重視する投資家の影響を避け、企業理念や文化を守るための非上場化の一環とされている。
5 位 佐藤工業〈富山市〉 売上 1,617 億円〈2024/6〉
名門ポイント:佐藤工業株式会社(Sato Kogyo Co., Ltd.)は、富山県富山市に本店を構える総合建設会社である。1862年に初代佐藤助九郎が富山・柳瀬村で創業し、1931年に株式会社として設立された。本社は東京都中央区日本橋本町に置かれているが、富山は創業の地として重要な拠点であり、北陸支店が富山市桜木町に所在する。同社は、土木・建築分野の設計・施工・管理を主力事業とし、国内外で多くの実績を有する。特にトンネル、ダム、橋梁、道路、鉄道などのインフラ整備において高い技術力を発揮している。代表的な施工実績には、青函トンネル、明石海峡大橋、北陸新幹線新呉羽山トンネル、富山市庁舎、北陸新幹線新高岡駅などがある。
また、同社は再開発事業にも積極的に取り組んでおり、富山駅前の再開発など、地域の都市基盤整備に貢献している。2024年6月末時点での連結従業員数は1,547名、資本金は30億円である。建設業許可をはじめ、一級建築士事務所登録、測量業者登録、建設コンサルタント登録など、多岐にわたる許認可を取得しており、ISO9001(品質マネジメントシステム)、ISO14001(環境マネジメントシステム)、ISO55001(アセットマネジメントシステム)の認証も受けている。佐藤工業は、富山発祥の総合建設会社として、地域社会の発展とインフラ整備に寄与し続けている。
4 位 ほくほくフィナンシャルグループ〈富山市〉 経常収益 2,002 億円〈2024/3〉
名門ポイント:株式会社ほくほくフィナンシャルグループ(Hokuhoku Financial Group, Inc.)は、富山県富山市に本社を置く銀行持株会社である。2003年9月26日に設立され、2004年9月に北陸銀行と北海道銀行が経営統合し、ギャグみたいな現在の社名に変更された。同グループは、地域密着型の金融サービスを提供し、北陸・北海道地域で高いシェアを誇っている。2024年9月30日現在、同社の資本金は708億9,500万円で、連結従業員数は7,256名である。東京証券取引所プライム市場および札幌証券取引所に上場しており、証券コードは8377である。同グループは、銀行業務を中心に、リース業務、クレジットカード業務、信用保証業務、ベンチャーキャピタル業務など、幅広い金融サービスを提供している。
グループの主要子会社には、北陸銀行、北海道銀行、ほくほくTT証券、北銀リース、北陸カード、北陸保証サービス、北銀ソフトウエア、ほくほく債権回収、ほくほくキャピタルなどがある。これらの子会社を通じて、地域の金融ニーズに対応し、地域経済の発展に貢献している。
また、同グループは、環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みを強化しており、2021年には「ほくほくフィナンシャルグループ環境方針」を制定し、TCFD提言への賛同を表明している。さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、営業DXサービス「Sansan」の導入など、業務効率化と顧客サービスの向上を図っている。
3 位 大建工業〈南砺市〉 売上 2,106 億円〈2024/3〉
名門ポイント:大建工業株式会社(DAIKEN)は、富山県南砺市井波に本店を構える建材メーカーである。1945年9月、終戦から40日後に「復興資材として木材・製材品を生産し、日本の社会や国民の生活の再建に役立ちたい」という志のもと、世界遺産・五箇山の一角、利賀村で創業した。同社は、住宅および建設用資材・工業用資材の製造、仕入、販売、木材および木製品の仕入、販売、エンジニアリングなどを手がけており、特に木質内装建材、住宅機器、畳おもて、MDFなどの製造・販売に強みを持つ。
1970年には、特殊合板の製造を目的とした富山工場を新設し、1989年には井波工場でドアや収納などの住機製品の生産を開始した。 2024年3月期の連結売上高は1,514億3,400万円、連結従業員数は1,798名である。
大建工業は、創業の地である富山県南砺市井波を拠点に、木質建材の分野で高い技術力と信頼性を誇る名門企業として、地域経済の発展に貢献している。
2 位 三協立山〈高岡市〉 売上 3,530 億円〈2024/5〉
名門ポイント:三協立山株式会社(本社:富山県高岡市)は、1960年に設立された建材・マテリアル・商業施設事業を展開する総合メーカーである。2012年に三協アルミ、立山アルミ、タテヤマアドバンスの3社が統合し、現在の社名となった。同社は、建材事業(三協アルミ社)、マテリアル事業(三協マテリアル社)、商業施設事業(タテヤマアドバンス社)の3つの社内カンパニー制を採用し、多角的な事業展開を行っている。
建材事業では、住宅用建材やエクステリア建材、ビル用建材の開発・製造・販売を手がけ、アルミ建材の業界大手として国内シェア第3位を誇る。マテリアル事業では、アルミニウムおよびマグネシウムの鋳造・押出・加工を行い、自動車部品や精密機器部品など多様な用途に対応している。商業施設事業では、店舗用什器やサインの製造・販売、店舗の設計・施工・メンテナンスを通じて、快適な商業空間の創造に貢献している。
同社は、国内外に多数の拠点を有し、グローバルな事業展開を進めている。また、環境技術の開発やサステナビリティへの取り組みにも注力し、地域社会との共生を図っている。2024年5月期の連結売上高は3,530億円、従業員数は連結で10,116名、単体で4,724名である
1 位 北陸電力〈富山市〉 売上 8,082 億円〈2024/3〉
名門ポイント:北陸電力株式会社(本店:富山県富山市牛島町15-1)は、1951年5月1日に設立された電力会社であり、富山県、石川県、福井県北部、岐阜県北西部を中心に電力供給を行っている。同社は、地域に根ざした電力供給を通じて、北陸地方の産業や生活を支えてきた。
2024年3月31日現在、北陸電力は、水力発電所131か所(1,940千kW)、火力発電所5か所(4,565千kW)、原子力発電所1か所(1,746千kW)、太陽光発電所4か所(4千kW)を有し、合計出力は8,255千kWに達する。同社は、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの推進、送配電網の高度化などを通じて、2050年のカーボンニュートラル達成を目指している。
2024年3月期の連結売上高は8,082億円、従業員数は3,162人である。
別掲 YKKグループ(創業地:富山県黒部市)売上 9,202 億円〈2024/3〉
登記本店は東京都千代田区だが、創業と主力製造拠点が富山県にあるため別掲として掲載
名門ポイント:1934 年、吉田忠雄氏が黒部市で創業したファスナーメーカーが世界 70 カ国に広がる YKK グループの源流。黒部製造所は延床 43 万㎡の一貫生産拠点で、YKK の研究開発本部やモノづくり技術本部を併設し、世界共通規格のファスナー設備を自社設計・内製化する“マザーファクトリー”の役割を担う。
2024 年度のファスナー年間販売量は 100 億本に達し、地球 80 周分に相当する 300 万 km 以上を生産したと発表された。連結売上高は 9,202 億円(2024 年 3 月期) で 3 期連続増収。環境面では黒部製造所の広大な敷地に 2 万本以上の植樹を行い、太陽光と小水力を組み合わせた再エネ利用を拡大。社員社宅と交流施設を含む「YKK 黒部 Village」を整備し、地域と共生する企業城下町モデルを構築している。
総評
富山県の産業構造は「エネルギー+アルミ建材+陸運+医薬・機械電子」が柱。電力料金高騰下でも北陸電力がインフラを支え、三協立山・川田テクノロジーズのアルミ/橋梁技術が全国へ広がる。物流と医薬は全国網・再生計画を通じて転換期を迎え、地方銀行は域外手数料とスタートアップ投資で収益多角化を急ぐ――2025 年度も環境投資とDXが各社の共通テーマだ。
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同じく電力会社が一位の県は下記のなかのどこでしょうか?