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ハーバード大、年収3000万円以下は授業料ゼロ!86%の家庭が対象に

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ハーバード大学
pixabayより

「名門大学=高額な学費」のイメージを覆す大きな発表があった。米ハーバード大学は2025年度から、年収3000万円以下の家庭の学生に対し授業料を免除する新制度を発表した。さらに、年収1500万円以下の家庭には食費や住居費などの学生生活費も負担するという。教育の門戸をさらに広げるこの取り組みの詳細を解説する。

 

ハーバード大学、年収3000万円以下は授業料無料に

米ハーバード大学は2025年度から、年収3000万円(20万ドル)以下の家庭の学生に対して授業料を免除すると発表した。加えて、年収1500万円(10万ドル)以下の家庭の学生には、授業料に加えて食費や住居費、健康保険、渡航費といった生活費も含め、すべての費用が免除される。

今回の発表により、米国の約86%の家庭がこの新制度の対象となるという。ハーバード大学は「経済的負担を軽減することで、多様な背景を持つ学生が入学しやすくなり、学びの質が向上する」としている。

ハーバード大学の支援拡大の背景

ハーバード大学はこれまでも、所得に応じた支援制度を積極的に導入してきた。2004年には「ハーバード財政支援イニシアチブ」として、年収4万ドル(約600万円)以下の家庭の学生を対象に、授業料や生活費を全額免除する制度を開始。以降、支援対象は徐々に拡大され、2023年には年収8万5000ドル(約1270万円)以下の家庭が対象となっていた。

今回の支援拡大は、この取り組みをさらに大きく広げるものであり、同大学が目指す「すべての学生が経済的な心配なく学べる環境作り」を強化するものだ。

なぜ今、支援拡大に踏み切ったのか

近年、米国では高額な学費が大きな社会問題となっている。米国の大学学費は年々上昇し、ハーバード大学の年間授業料は約5万7000ドル(約850万円)に達する。これに食費や住居費、医療保険などの生活費を加えると、年間費用は約12万4000ドル(約1860万円)にも及ぶ。

その結果、学生ローンを背負う家庭が増加し、多くの若者が卒業後も多額の借金を抱える状況が問題視されていた。こうした状況を受け、ハーバード大学は「才能ある学生が経済的理由で進学を諦めないよう支援を強化する」として、今回の拡充に踏み切ったのだ。

具体的な支援内容の詳細

 

ハーバード大学の新たな支援制度では、年収3000万円以下の家庭の学生は授業料が全額免除となる。さらに、年収1500万円以下の家庭の場合は以下の費用も免除される。

  • 食費
  • 住居費
  • 健康保険
  • 渡航費

また、これらの学生には入学初年度に2000ドル(約30万円)の補助金、3年次には卒業準備のための2000ドルの補助金が支給される。

この手厚いサポートにより、ハーバード大学は「経済的負担を理由に進学を諦める学生がいない環境づくり」を目指す。

他の名門大学との比較

ハーバード大学以外にも、米国の名門大学は経済支援を拡充する動きを進めている。

マサチューセッツ工科大学(MIT)は2024年11月に、年収14万ドル(約2090万円)以下の家庭の学生に対して授業料を免除する制度を発表。ペンシルベニア大学やダートマス大学などでも、同様の支援拡大が進められている。

今回のハーバード大学の支援拡充は、こうした流れを受けたものであり、名門大学における「学費問題」への対応が今後さらに進む可能性がある。

学長のコメント「多様性が教育を豊かにする」】

ハーバード大学のアラン・ガーバー学長は「ハーバードをより多くの人々にとって経済的に手の届く場所にすることで、学生たちは多様な背景や視点に触れられる。その結果、知的成長や人格形成が促される」と述べた。

また、同大学の入学・財政支援担当学部長であるウィリアム・R・フィッツシモンズ氏は「最も優秀な学生は、世界中のさまざまな経済的バックグラウンドからやってくる。我々の支援は、彼らが経済的な理由で夢を諦めることがないよう設計している」と強調した。

今後の展望

ハーバード大学の支援拡充は、多くの学生にとって大きなチャンスとなる。特に中所得層にとって「名門大学への進学が現実的な選択肢」となることで、優秀な人材のさらなる発掘や、教育の質の向上が期待される。

米国の名門大学の動きは今後も注目されるだろう。

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ライター:

女性向け雑誌にて取材・執筆及び編集に従事。独立後は、ライフスタイルやファッションを中心に、実体験や取材をもとにリアルな視点でトレンドを発信。読者が日々の生活をより豊かに楽しめるような記事を提供し続けていることがモットー。

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