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日立製作所、採用方針を発表 25〜26年度は事務系もジョブ型へ完全移行に

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日立、25〜26年度の採用方針を発表 事務系もジョブ型完全移行に
DALL-Eで作成

日立製作所は、2026年度から新卒採用における事務系職種のジョブ型完全移行を発表した。これにより、応募者は入社前に自身の職務を明確に理解し、より専門性を活かしたキャリアを形成できるようになる。初任給の見直しやインターンシップを通じた適性確認の機会拡充など、新たな採用方針が求職者にどのような影響を与えるのか詳しく見ていく。

 

技術系から事務系へ、ジョブ型採用の拡大

日立製作所はこれまで、技術系職種においてジョブ型採用を積極的に導入してきた。2024年度の採用では、技術系は全てジョブ型採用で行われ、事務系においても職種を限定する「職種別コース」の採用が約40%を占めていた。しかし、2026年度からは事務系職種も含めた全ての新卒採用をジョブ型に完全移行する。

これにより、応募者は入社前に自身の職務内容や勤務地を明確に理解し、キャリア形成をより具体的に描くことが可能となる。企業側にとっても、より専門性の高い人材を確保できるメリットがある。

初任給の見直しと処遇の多様化

従来、初任給は学歴や年次に基づいて一律に設定されていたが、ジョブ型採用への完全移行に伴い、初任給も職務の役割や責任に応じたものへと見直される。これにより、各職務の専門性や市場価値が適切に反映された処遇が実現される見込みだ。

また、成果に応じた報酬体系の導入が進められることで、キャリアの早い段階から高いモチベーションを持って働ける環境が整備されると期待される。

文理を問わない採用と多様な人材の活用

日立製作所は、特定のエンジニア職において文系専攻の学生も積極的に採用する方針を打ち出している。これにより、理系・文系を問わず、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる環境を整備し、イノベーションの促進を図る狙いがある。

また、外国人留学生の採用拡大も視野に入れており、グローバル市場での競争力強化に向けた人材戦略が加速している。

ジョブ型採用の背景と狙い

 

日立製作所がジョブ型採用を推進する背景には、グローバル市場での競争力強化と人材の専門性向上がある。同社は2008年度に大幅な赤字を計上したことを機に、モノづくり中心の事業からIT・OT(制御・運用技術)・プロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業へとシフトした。この変革を支えるためには、職務を明確に定義し、その職務に適した人材を配置するジョブ型の人材マネジメントが必要とされた。

また、ジョブ型採用は応募者にとってもメリットが大きい。入社前に自身の役割や職務内容を把握できるため、いわゆる「配属ガチャ」のリスクを避けることができる。実際に、職種を限定できるコースへの応募者が年々増加しており、ジョブ型採用を理由に日立製作所を志望する学生も増えているという。

インターンシップによるキャリア形成支援

日立製作所は、ジョブ型採用の一環として「ジョブ型インターンシップ」を実施している。このプログラムでは、学生に対して具体的な職務内容や求められるスキルを明示し、実際の業務を体験する機会を提供している。これにより、学生は自身のキャリア志向と職務内容の適合性を確認でき、企業側もミスマッチの少ない採用が可能となる。

さらに、インターンシップ参加者の採用実績も増加傾向にある。2024年卒では、全体の約20%にあたる144人がインターンシップを経て入社しており、今後もこの割合は増加すると見込まれている。ただし、インターンシップへの参加が採用の必須条件ではなく、未参加者の中からも多くの採用者が出ている。

今後の展望

日立製作所のジョブ型採用への完全移行は、求職者にとって自身のキャリアを主体的に設計する良い機会となる。明確な職務内容や役割を理解した上で応募することで、入社後のミスマッチを減らし、専門性を活かした活躍が期待できる。

特に、事務系職種を志望する学生や多様なバックグラウンドを持つ求職者にとって、日立製作所は新たな可能性を提供する場となることだろう。

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ライター:

新聞社で記者としてのキャリアをスタートし、政治、経済、社会問題を中心に取材・執筆を担当。その後、フリーランスとして独立し、政治、経済、社会に加え、トレンドやカルチャーなど多岐にわたるテーマで記事を執筆

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