
R東海は、社員の子育て支援を大幅に強化する。現行1万円の子ども手当を2万円に倍増し、出産祝い金も最大50万円に引き上げる方針だ。不妊治療を支援する新たな休職制度も導入し、労働組合との協議が進められている。7月の実施を目指す。
JR東海、子ども手当倍増と出産祝い金引き上げへ
JR東海は社員の子育て支援を強化するため、子ども手当を1人あたり2万円に倍増し、出産祝い金を最大50万円に引き上げる方針を固めた。これは、社員が多様な家庭環境でも安心して働ける環境を整える狙いがある。7月の制度導入を目指し、労働組合との協議を進めている。
子ども手当2万円、出産祝い金は最大50万円に
現在、JR東海は扶養する22歳未満の子ども1人あたり月1万円を支給しているが、これを月2万円に倍増する。さらに、現行一律20万円の出産祝い金は段階的に増額され、第1子は20万円、第2子は30万円、第3子以降は50万円となる見込みだ。
少子化が進む中、子育て支援の強化は企業の人材確保と定着に直結する施策といえる。
不妊治療支援は最長2年の休職制度を新設、キャリア形成も考慮
JR東海は子育て支援に加え、不妊治療を目的とした新たな休職制度を導入する。不妊治療休職は最長2年間を2回に分けて取得できる仕組みとする方針だ。従来は自己都合休職扱いで上限が1年間に限られていたが、今回の改正で取得期間を倍に拡大する。
さらに、昇格試験において休職期間を欠勤として扱わない運用とし、キャリア形成を妨げない配慮を行う。この制度は、働きながら治療に専念できる環境を整え、社員の安心感を高める狙いがある。
共働き世帯増加を背景に配偶者手当は廃止
一方で、現行の月5000円の配偶者手当は廃止する方針だ。これは、共働き世帯の増加や社会構造の変化を反映した対応である。廃止により、子育て支援などより実効性の高い施策に予算を振り向ける考えだ。
障害児家庭支援も拡充
障害児を持つ社員家庭への支援も強化する。現行は3歳までとしている時短勤務の適用期間を、障害児の場合は18歳まで延長する方針だ。この措置により、長期的な子育て支援を実現し、多様な家庭環境への配慮を示す。
JR東海の狙い:人材定着と多様な働き方を支援
JR東海は企業として、少子化対策と多様な働き方の支援を通じ、長期的な人材定着を目指す狙いがあるのだろう。労働組合との協議がまとまり次第、7月からの制度導入が予定されており、同業他社への影響や、広がりが注目される。