最新技術で海洋マイクロプラスチック問題へ対策
2025年大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「いのちめぐる冒険」のアテンダント&スタッフユニフォーム発表会が2024年9月24日、開催された。海洋マイクロプラスチック問題対策を施した素材や、GOTS認証オーガニックコットンなど、サステナビリティに配慮した点が特徴だ。
人気俳優やアイドルが着こなし披露
発表会には、俳優の七海ひろき氏、モデルのぎんしゃむ氏、アーティストのAiRyA氏、アイドルグループNMB48の川上千尋氏、桜田彩叶氏、泉綾乃氏らが、個性豊かなアテンダント&スタッフユニフォームを着用して登場。
「いのち」をテーマに最先端技術で表現
「いのちめぐる冒険」は、アニメ監督の河森正治さんがプロデューサーを務めるシグネチャーパビリオン。生命の進化と未来を探求する壮大な旅を、参加者体験型の展示や映像で表現する。
アテンダントユニフォームは、海洋マイクロプラスチック問題への対策として、洗濯時にマイクロプラスチックの排出を抑える長繊維の再生ポリエステル素材を採用。海洋をテーマとするパビリオンのコンセプトを体現した。この衣装をデザインしたのは、河森正治さんが長年タッグを組んできた江端里沙さん。
「今まではアニメ等の世界観の中での衣装デザインが多かった事もあり、今回河森さんが携わる大阪・関西万博のアテンダントさんが「実際に」身に着けられる衣装、またキービジュアルのデザインにも関わることができ、とても貴重な経験をさせていただきました。半年の会期中、現地でこのユニフォームを着ている方々を拝見するのを楽しみにしております」(江端さん)
国内産貝殻やオーガニックコットンも使用
スタッフユニフォームには、農薬による生態系への影響を最小限に抑えるGOTS認証オーガニックコットンを100%使用。さらに、アテンダント、スタッフが使用するバッグには、廃棄される国内産の貝殻を活用するなど、環境負荷低減への意識の高まりを感じさせる。
企業のSDGsへの取り組みを体現
ユニフォーム制作は、創業159年の学生服メーカーである株式会社明石スクールユニフォームカンパニーなどが担当。同社取締役の河合一樹氏は、「(今回のユニフォーム製作を通して)ポリエステルの洗濯で多くのマイクロプラスチックが排出されている現状を、広く知ってほしい」と語った。
トークセッションでサステナビリティの重要性を訴求
発表会では、サステナビリティをテーマにしたトークセッションも開催。WWFジャパン自然保護室淡水グループ長の小林俊介氏や、Global Standard Representative in Japanの松本フィオナ氏らが、国際認証や環境問題への意識改革の必要性について語った。
万博を機にサステナビリティへの意識向上を
今回のユニフォームは、環境問題への意識の高まりを反映しただけでなく、企業のSDGsへの取り組みをアピールする場ともなったと言えるだろう。2025年の大阪・関西万博は、持続可能な社会の実現に向けたメッセージを発信する機会となりそうだ。