~企業の行動分析。SNS投稿基に新サービス STACTs~
サステナビリティ特化SNS「trophee(トロフィー)」を運営するSTACTs(スタックス、東京・港)は、企業のサステナビリティ推進による消費行動への影響を分析する新サービスを始めた。
ユーザーが投稿する商品やサービスに関する数万件の画像データなどを活用し、企業は自社の取り組みの効果測定や競合との比較分析などが行える。従来、把握が難しかった施策の効果を可視化することで、企業のSDGs経営やサステナビリティマーケティングを支援する。
企業の間では、地球環境や社会課題への配慮を経営戦略に取り入れるSDGs経営やESG(環境・社会・企業統治)への取り組みが加速している。同時に、消費者の間でも環境問題や社会貢献に関心の高い「エシカル消費」が広がりを見せる。
課題解決へ新サービス
こうした中で企業は、環境に配慮した商品開発やフェアトレード商品の販売促進など、様々なサステナビリティ施策を打ち出している。しかし、従来はこれらの施策が消費者の購買行動にどのように影響を与えているのか、定量的に把握することが難しかった。
アンケート調査など限定的なデータに基づく分析では、費用対効果の算出や、他社と比較した際の自社の取り組みの位置付けが不明瞭になるケースもあった。
スタックスの新サービスは、こうした企業の課題を解決する。同社が運営するサステナビリティ特化SNS「trophee」には、ユーザーが日々、環境に配慮した行動や商品などを写真に撮って投稿しており、その数は累計数十万件に上る。
新サービスでは、これらの投稿データの中から、企業が指定するキーワードを含む投稿を抽出し分析。自社商品やサービスのサステナビリティ訴求による販売状況や、施策の認知度、競合他社との比較、プロモーション施策の効果測定、消費者属性分析など、多角的な分析が可能となる。
効果測定し戦略に活用
例えば、ある食品メーカーが、環境負荷の低いパッケージを採用した新商品を発売した場合、新サービスを利用することで、消費者がその商品を「環境に良い」と評価して購入しているのか、従来品と比べてどの程度購買意欲が高まっているのかなどを把握できる。また、競合他社の類似商品と比較分析することで、自社の取り組みの強みや改善点を見出すことも可能だ。
スタックスの滝島大貴CEOは「企業は新サービスを通じて、これまで可視化が難しかったサステナビリティ施策の効果を定量的に把握し、今後の戦略に活用することができる」と話す。
「trophee」で得られたデータ分析に基づき、企業と連携したサステナビリティプロモーションなどを展開していく考えも示している。
サステナビリティ特化SNS「trophee」
「trophee」は2022年7月にサービスを開始した、サステナビリティに特化したSNS。ユーザーは、環境に配慮した行動や商品、サービスなどを写真に撮って投稿し、他のユーザーと共有することができる。企業は、自社のサステナビリティ活動を発信したり、ユーザーとコミュニケーションを取ったりすることができる場として活用が進んでいる。