~トイレから考えるSDGsを5年ぶりに再開~
トイレタリー業界のリーディングカンパニー、王子ネピア株式会社が、CSR活動の一環として取り組む小学生向け出張授業「うんち教室®」を5年ぶりに再開した。NPO法人日本トイレ研究所と連携し、2007年からスタートしたこの活動は、子どもたちに「うんち」を通して自身の健康と向き合い、トイレの大切さを考えるきっかけを提供してきた。
近年、SDGsへの関心が高まる中、トイレの衛生問題や水資源問題なども重要なテーマとしてクローズアップされている。「うんち教室®」は、次世代を担う子どもたちに、持続可能な社会の実現に向けて、身近なトイレからできることを考えるきっかけを与えるとともに、健康的なライフスタイルを築くための基礎を育むことを目指している。
「うんち教室®」とは?トイレから始まる持続可能な社会の実現
「うんち教室®」は、王子ネピアと日本トイレ研究所が共同で行う教育プログラム。授業は、子どもたちが楽しみながら排便について学べるよう設計されており、排便の大切さや健康への影響、トイレの使い方と清潔に保つことの重要性を学ぶことができるという。
活動の背景には、トイレの衛生問題や水資源の管理といった、持続可能な社会の実現に向けた課題がある。こうしたテーマを、SDGs(持続可能な開発目標)と関連付けて子どもたちに伝えることで、総合的な健康教育を提供することを目的としている。
深刻化する子どもの便秘問題、その実態と影響
日本トイレ研究所の調査(※)によれば、小学生の約4人に1人が便秘の疑いがあるとされている。この事実は、便秘が子どもたちの健康に及ぼす影響が無視できないレベルにまで達していることを示している。
「食育が普及する一方で、食べることと同様に誰にとっても日常の行為でありながら、排便に関する教育は置き去りにされがち」(日本トイレ研究所)
便秘は身体的な不快感をもたらすだけでなく、精神的なストレスの原因にもなり得る。さらに、長期的に放置することで、さらなる健康被害を引き起こす可能性もある。このような問題に対処するためには、早期の排便教育と適切な生活習慣の形成が不可欠である。
(※)特定非営利活動法人日本トイレ研究所「小・中学生の排便記録2023」n数:小学校112校12,307人・中学校12校1,258人の7日間の記録を集計
楽しく学んで行動へ繋ぐ「うんち教室®」の工夫
さらに、「うんち教室®」では、子どもたちが積極的に参加しやすい工夫を随所に施している。例えば、ゲームやクイズを通じて、排便に関する知識を楽しみながら学ぶことができるそうだ。
また、授業で使用される教材は、子どもたちの理解を深めるために視覚的に工夫されており、トイレの重要性や衛生管理について実践的に理解できる内容となっている。参加した子どもたちからは、「楽しかった」「トイレに行くのが恥ずかしくなくなった」などの前向きな声が多く寄せられており、教育現場でも一定の効果が認められている。
運営の日本トイレ研究所 代表理事の加藤 篤さんは、以下のように語る。
学校のトイレはくさい、はずかしいなどのイメージがあり、子どもたちはトイレをガマンしてしまう傾向にある。いいうんちをすることの大切さを伝え、元気よくトイレに行ける環境づくりを目指して始めたのが「うんち教室®」。コロナ禍により手洗いをはじめとした衛生意識が高まる一方で、変化の激しい社会による子どもたちへのストレスが危惧されている。いいうんちをするという当たり前のことにもう一度、光をあて、自身の健康や衛生、環境につなげて、元気な学校生活を送ってもらうことを目的に、新うんち教室として再始動する。(加藤さん)
企業とNPOの協働による社会的インパクト
王子ネピアと日本トイレ研究所が協働することにより、活動の広がりと社会的インパクトは大きくなっている。両者のシナジー効果により、「うんち教室®」の内容は常に更新され、より効果的な教育プログラムとして進化を遂げているそうだ。
この取り組みは日本国内にとどまらず、東ティモールなど、トイレの重要性が特に問われる地域にも広がりを見せている。今後もこの活動を通じて、より多くの子どもたちに健康的な生活習慣と持続可能な社会への意識を育むことを目指している。
私たちにできること:家庭での排便教育のススメ
「うんち教室®」で学んだ内容を家庭でも活かすことが重要である。親子で一緒に取り組める排便教育のポイントとして、日々の食事や睡眠、運動の大切さを見直すことが挙げられる。
また、トイレ環境を整え、子どもが気軽にトイレを利用できるようにすることも考えたい。「うんち教室®」の再開は、子どもたちの健康を支える重要なステップといえる。
王子ネピアと日本トイレ研究所が連携し、トイレを通じて持続可能な社会の実現に向けた教育を提供するこの取り組みは、次世代の健康的な生活を築く基盤を作るものである。今後の活動にも期待が寄せられる中、私たち一人ひとりが日常生活の中でできることを考え、行動に移すことが求められているだろう。